2018/10/24

ご案内 医用工学研究所様で病院経営戦略のコラムをメール配信しております

8月から医用工学研究所様のメール配信で、病院経営戦略に関するコラムを隔月くらいのペースで書かせていただいております。

医用工学研究所のウェブサイトのお問い合わせ(お問い合わせ | 株式会社医用工学研究所)から、読みたいと伝えていただければ、お読みいただけるとのことです。もしご興味がありましたら、ぜひ、アクセスください。

これまでのコラムタイトル
第1回 院内会議の資料は活かしきれているか?(8月)
第2回 部門システムの分析ツールの制約とAI時代を見据えたデータ蓄積の重要性(10月)

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2018/10/18

看護職員の需給バランスの話題、タイムリーですよね・・・

CBnewsの連載、MMオフィス工藤氏からバトンタッチさせていただいた最初の回(データに基づく病院経営判断の重要性 - CBnewsマネジメント)で、必要看護師数の将来推計について、独自の分析結果を示して、データに基づいた経営判断を行うことの重要性について説明した。

その上記の内容と基本的には同じだが、もう少し細かく、神奈川と秋田という具体的な地域を挙げ、分析結果を示したものを、今回の下記のCBnewsの記事にまとめた。

病院経営課題は看護職員の「確保」から「マッチ」へ - CBnewsマネジメント 病院経営課題は看護職員の「確保」から「マッチ」へ - CBnewsマネジメント

医療需要の変化に応じて、提供体制を変化させることが求められていて、そこにミスマッチが生じた場合に、解消する手段を持ち合わせていないと経営リスクになる・・・ということを考えていた。

以下、小さな文字は、個人的な趣味


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その背景には、10年以上前に別業種で管理会計業務を行っていた経験がある。具体的には、リスク管理、ALM、デュレーションマッチング・・・といったワードが出てくる業務で、ちょっとかじったくらいの知識しかないものの、戦略を考える上では参考になる。資産側は、新卒採用は40年国債の購入、中途はその分だけ短くなった債券、外国人看護師は外債(こじつけ度合いがひどいか?)、離職率は債券の売却、定年延長は満期の期間延長のオプションか、などなど。負債側で考えれば、医療提供エリアの拡大は、デュレーションの多様化か、などなど。共通点を探したり、金融側のアクションは、医療側で何にあるのか考えたり、色々おもしろいのでは・・・と勝手に考えていた。
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趣味の世界は、ここまで。

ちょうど、今日の中医協の入院医療等の調査・評価分科会で、看護職員の退職見込み、採用予定数の把握をすることを決めたらしい。

看護職員の「退職見込み・採用予定数」を把握へ - 医療介護CBnews 看護職員の「退職見込み・採用予定数」を把握へ - 医療介護CBnews

あまりに偶然のタイミングでびっくり。タイムリーなことに自己満足!

2018/10/17

患者動線の難しさ

おくすりカウンター、先月末に破産したらしい。

この件、DI onlineの熊谷氏のコラムが、非常に参考になった。
「おくすりカウンター」経営破綻を耳にして:DI Online 「おくすりカウンター」経営破綻を耳にして:DI Online

上記のとおりの動線などに起因した運営の難しさで、店舗の移転等をした結果、経営的に厳しくなってしまったのでは・・・と思った。

下記は、今年の夏に、移転したあとの神田店の前を通りかかったときの様子。

ふらふら散歩の続き ~おくすりカウンター~ - 株式会社メディチュア Blog

2018/10/14

これらも医療情報のマッピングか

アメリカの州ごとに、Google Trendsで最も調べられた症状を一覧化したものが興味深い。
Most Googled Medical Symptoms - Medicare Health Plans

もともとは、下記の記事を読んで、知ったのだが、眠らない街ニューヨーク州は「睡眠不足」が最も調べられたものだ、とか、サウスカロライナ州とウィスコンシン州は便の色だ、とか。これを深刻に捉える・・・というよりは、(信用できるかどうかもよくわからないが)雑学的な知識としては面白い。

Most Googled Health Concerns in Each US State Most Googled Health Concerns in Each US State

この手のグラフでは、州ごとの雇用人数の最も多い事業者をマッピングしたもの(The largest employers in each US state - Business Insider)の印象が強い。州によっては、医療者が最大の事業者になっていたりする(ミネソタ州のメイヨークリニック、ユタ州のインターマウンテンヘルスケア、ペンシルベニア州のUPMCなど)。

マッピングはそれなりに手間はかかるが、強い印象を与える点で効果的な場合もある。

2018/10/11

准看護師数の多さは何に依存しているか

火曜、ある病院長から貴重な話を伺い、強い刺激をいただいた。常に先を見ている方の話は面白い。

先月末、CBnewsの記事にもなっていた(都道府県の看護需給推計、18年度末にも集約 - CBnewsマネジメント)が、看護師の需給を考える上でも、色々と参考になった。

看護師の需給については、そのCBnewsの記事で触れている検討会の資料を見るのが理解に役立つように思う。
第3回看護職員需給分科会 看護職員需給推計関係資料(https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000360602.pdf)

これらを踏まえ、さらに何か見えてこないか、診療報酬改定などの影響は需給に影響を与えないか・・、といった視点で、データ収集・整理、分析をしていた。下のグラフはその一例。准看護師が多い地域は働いている看護師の平均年齢が高いわけだが、その地域性は療養病床の多さに関係するという結果を示してみた。


もちろん、准看護師の比率がそれだけで決まるわけではないので、単純な結果にはならないが、感覚的にうなづける結果が得られた。

2018/10/10

注目を集めるには「事実を著しく歪めている」情報でも構わないという姿勢は非難されるべき

2018年9月12日公表「がん診療連携拠点病院等院内がん登録2008-2009年5年生存率」に関する一部報道について|国立がん研究センター 2018年9月12日公表「がん診療連携拠点病院等院内がん登録2008-2009年5年生存率」に関する一部報道について|国立がん研究センター
従って、今回の施設別の5年生存率の数値だけをもって各施設の治療成績を単純に比較できないことはもとより、さらに、特定の病院に対して、がんが「治る病院」や「治らない病院」と名指しすることは、事実を著しく歪めていると言わざるを得ず、国民の皆様に大きな誤解を生じかねないものと考えております。(上記リンク先の文書から一部引用。文字の色付けは当方で行ったもの)

当たり前だ。怒るべきだ。

でも、このような間違った情報を鵜呑みにしないためには、怪しいソースに近づかないことに加え、自分のリテラシーを向上させるしかないと思うと、なかなか難しさを感じる。

2018/10/03

ダウンサイジングが評価される時代に備えよ

CBnewsに記事が掲載された。若干あおり気味のタイトルだが、中身は、いつもの違う切り口で、この先の診療報酬制度を見据えているので、お時間があれば、ぜひお読みいただけるとありがたい。

ダウンサイジングが評価される時代に備えよ - CBnewsマネジメント ダウンサイジングが評価される時代に備えよ - CBnewsマネジメント

精神病床に関する分析をしているので、CBnewsの記事の最後に載せた日本地図のグラフについては、下記の検討会の参考資料(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000046405.pdf)などを合わせてご覧いただくと理解が深まるのではないだろうか。

第1回長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会資料

また、この検討会の参考資料に関連したOECDのレポートもある。
Mental Health Systems in OECD Countries - OECD Mental Health Systems in OECD Countries - OECD
かなりのボリュームなので、正直自分も3章までの気になるところしか読んでいないが、日本向けのプレスノートを読むだけでも、上記検討会の参考資料冒頭数ページのグラフの理解は進むだろう。
日本はこの脱施設化の傾向が遅れており、精神病床数はいまだに OECD 諸国で最も多く、OECD 平均は 10 万人当たり 68 床であるところ、日本は 269 床である。これらの日本の病床の一部は、他の OECD 諸国では精神病床に含まれない「長期入院病床」であることに留意する必要がある。しかしながら、長期入院患者が自宅や地域に戻って、効果的な治療を受けることは出来るはずである。https://www.oecd.org/els/health-systems/MMHC-Country-Press-Note-Japan-in-Japanese.pdf より引用
自分の理解が十分でない点もあり、精神病床について分析結果から色々述べるのはあまり自信がない。認識が異なっている点などがあれば、ぜひ教えていただけると幸いだ。

2018/10/02

副産物でも、参考になれば・・・

2017年度の病床機能報告の報告結果(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/open_data_00002.html)を用いて、データ整理中。具体的には、データが正しいか。データが揃っているか、確認作業をしている。

下のグラフは副産物。


回リハ1ほど病床利用率が高く、脳血管リハが中心の病棟は在院日数(正確には在棟日数)が長い。間違っていないようだ。なお回リハ3の病棟はあまり多くないので参考程度に。それと、脳血管と運動器ではない疾患別リハが多くなっている病棟は除外している(それほど数は多くない)。