2012/06/18

書評: がん治療を受ける前に知っておきたい55のこと

国立がんセンターの病院長が、がんセンターがベストは限らない、と書いている本だ。
中身は、すでに知識・情報がある方にとっては、あまり驚くべき内容は含まれていない。
診療・治療がガイドラインに沿って行われていることや、がん自体や治療内容が分かりやすく書いてある。

55のことが書いてあるが、一番強調したいこと、言いたかったことは、最後の55番目に書かれているように思う。

あとは、医者の言い訳や、言い逃れと感じてしまう点もあり、立場上、致し方ないのでは・・・と思わざるを得ない点もあるが、最後、55番目は、何度読み返しても、診療の現場にいる人でなければ、書けないメッセージのように思う。

なお、43番目、抗がん剤治療で病院は儲からない、というくだりは、何も知らない読者は、へぇそうなんだ、と思うかもしれないが、儲かっている病院もあるし、やりくりが下手で儲からない病院もある、と理解した方が正しい。誰も儲からない制度が何年もそのまま続くことはそうそうないはずだ。

「治療を受ける前」というよりは、「がんかもしれない??と思ったとき」の方が適切なように思う。