ノンフィクション作家の桐山氏自身が糖尿病と宣告され、糖質制限食に取り組んだ話。
自身の話だけでなく、糖質制限食批判を『異端視』されていると表現するように、糖質制限食による食事療法がポピュラーな治療として選択肢にあがってこない日本の糖尿病治療の批判も。その批判は、製薬会社などにも触れている。
糖尿病は患者によってどのような治療があうかは、医師の判断もさることながら、患者自身の取り組み姿勢など、様々な要因が重なっているだけに、簡単な結論を出すことはできないが、ガイドラインなどに記載がなされていないといった話は、確かに・・・と思うこともある。
また、海外の事例として、アメリカでは以下のような食事療法の選択肢が提示されていることを取り上げている。
1.カロリー制限食
2.糖質管理食(カーボカウンティング)
3.地中海食
4.糖質制限食
よく海外の話で聞くのは、whiteからbrownに。白砂糖より黒砂糖、白米より玄米、小麦粉は全粒粉、といった具合だ。地中海式食事も確かに流行っているらしい。注意しなければならないのは、食事療法だけで完璧というわけではなく、運動療法や薬物療法を適切に組み合わせることだ、という説明が必ずなされている。これは海外だけでなく日本も同じだ。
カロリー制限も重要だが、どういったこと取り組むべきなのか、個々の患者の状態や性格にあわせ適切な食事療法や運動療法、薬物療法を提案できる医師(栄養士や看護師も含めたチームが理想か)というのが、これから求められる姿なのだと思う。
日進月歩の治療薬に踊らされることなく適切な治療を提案してくれる医師に出会えたら、患者は本当に幸せだ。
この本は、医療者側でなく、患者側の視点もあり、そう強く感じた。