2012/07/28

書評: デタラメ健康科学

カップヌードル、エビ20%増量!というキャンペーンがあったことを覚えているだろうか。
20%も増えるの!?と驚くのと同時に、どれだけ増えるんだ?と思った。
ふたを開けると、5匹が6匹に増えていたのである。

「エビ1匹増えました」と「エビ20%増量」は同義なのだが、
どっちが良いか、メッセージは伝える側の意図により選択される。
1匹増えても大差ないと思われてしまう(そもそも1匹ってセコいのでは?)リスクを冒すより、20%増量は何となくオトク感があると期待したコピーである。

このような話が、この本で取り上げられている。


発掘!あるある大辞典、という番組があった。
視聴者への興味の持たせ方は非常に巧みで、健康意識を高める意味でも評価できる点はあったと思うが、マイナス部分があまりに大きく、印象は地に堕ちたまま、番組が終わった。
データ捏造問題は、非常に深い問題だ。
捏造自体は一番の根本的原因だが、その情報を流しているマスメディアも問題を大きくしている張本人であり、あるある大辞典の場合、捏造自体を番組が行っていたため、糾弾されるに至った。(制作会社とテレビ局の関係も問題であったが、本論とは関係ないので割愛)

捏造は、すべて意図があって捏造されている。
この本では、その裏側を暴きながら、デタラメの健康科学が世の中に受け入れられていることを紹介している。
健康の情報を扱うには、ことのほか、正確性や中立性、客観性が求められるのだと感じた。


ただ、健康食品をすべて悪として捉えている節がある。そこまで十把ひとからげに批判しなくても良いと思う。読み手も冷静に読むべきだろう。


デタラメ健康科学---代替療法・製薬産業・メディアのウソデタラメ健康科学---代替療法・製薬産業・メディアのウソ
ベン ゴールドエイカー 梶山 あゆみ

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