NHKスペシャル「出生前診断 そのとき夫婦は」を観た。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0916/index.html
facebookでも、事前にリンクを貼って紹介していたのだが、NHKの問いかける姿勢はとても素晴らしいと思う。
今回の番組、出生前診断について、技術的な進歩による診断可否の現状と、その診断による判断事例を紹介していた。
番組内容の予想として、遺伝子診断の進歩を中心に、確度の高い診断ができるようになってきていることの紹介と、その判断は、個人の意志を最大限尊重しつつも、高齢出産等の妊娠・出産に関わる社会的背景を鑑み、社会がどう受け止めるか考えなければいけない時期が来ている、というメッセージが発せられると思っていた。
最終的なメッセージは、そこまで踏み込んでおらず、出生前診断で異常が見つかった2家族の事例では、いずれも最終的に産む判断をした。
産む判断をした事例のみを紹介する点に、NHKの考えというか、現時点での限界点を見ることができる。番組の中では、クリニックで産まない判断をした人が8割もいる・・・と紹介しつつも、である。
個人的な意見としては、産まない、子の命を絶つと判断した人を、社会的に批判せず、受け入れることが必要であり、その問題にも踏み込んでもらいたいと思ったが、技術の進歩により、命の取捨選択が行われることは、道義的問題、宗教的問題でもあり、50分の番組の中で取り上げる論点ではないと考えたのではないだろか。
今後、出生前診断の社会的な認知度、理解度を上げ、その上で、こういった踏み込んだ議論がなされることが理想だろう。
そして、何よりも、障害を持って生まれてきた子供たちを、社会が受け入れる。そのことの教育が最も必要なのだと思った。
再放送が、19日深夜、20日(木)0時25分~、あるとのこと。見逃した方、ぜひご覧ください。
再放送 9月20日(木) 午前0時25分~1時23分(19日深夜)