治験段階のがんワクチンの効果は、肯定も否定もなく、『治験中』なのだと思うのだが、番組はかなり夢の部分を煽っていたようで、公平さは感じられなかった。
がん患者に期待を持たせるのは、悪いことではないと思うが、公平さを欠く内容で期待を持たせたのであれば、問題がある。
おそらく、この番組を見たがん患者の一部は、明日にでも主治医に、このことを質問するかもしれない。それ自体は悪くないものの、この番組の偏った情報が現場で混乱を来すこともあり得る。
治験は薬が『治療薬』として世に出るために必要なプロセスであって、夢の世界が広がっているわけではない。
この手の話は、一歩間違えれば、健康食品のCMと変わらない番組になりかねないだけに、NHKに大きな期待をしていたのだが、どうやら、健康食品のCMに近い内容だったようだ。
冒頭から見ていないことで、このような客観性を欠く偏った番組であったと感じさせたのであれば申し訳ない。改めて、再放送を見て、考えてみたい。
なお、再放送は、11月22日(木)午前0時25分~1時14分(NHK総合)とのこと。
NHKスペシャル がんワクチン ~"夢の治療薬"への格闘~