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他の病院で良く見かけるのは、採血ブースの上に呼び出し番号が表示されていて、それと自分の番号を見比べながら、そろそろ呼ばれるかなぁと段々心の準備をする「銀行タイプ」 採血に限らず、病院では、この形式が多くなった。以前は名前を呼び出す館内放送がガンガン流れていたものだが、めっきり聞かなくなった。
この銀行タイプ、実は欠点があって、「167番の方、4番の採血カウンターへどうぞ」とアナウンスが流れると、はいっ!!と勢いよく席に座ってくださる人は少なく、呼ばれて立ち上がるまでにちょっと時間がかかり、そして、狭い待合室の中を「ちょっとすいませんね、通りますね」と出てくる人が多かったりする。しかも、採血カウンターに座って、ようやく上着を脱ぎはじめ、脱いでいる途中に杖が倒れたり、カバンが落ちたり、はたまた診察券の類が落ちたり、まぁぱぱっと採血が始まる人は本当にごくまれだったりするようなのだ。
そこで、導入された、この病院のネクストバッターズサークル方式。白い椅子に座るところまでは「銀行タイプ」と一緒。そして、順番が近づいてくると、まず、赤い椅子への誘導がアナウンス・表示される。赤い椅子には「上着を脱いで、腕を捲くっておいてください」と書かれている。まさにネクストバッターズサークルばりに、前のバッターがいつ終わってもいいように素振りでもして待っててください、と言われているかのようだ。カウンターの目の前に並んでいる赤い椅子に座った人は、みないよいよだ、と腰を浮かせて待っている・・・ということはさすがにないものの、準備万端である。あとはカウンターに呼ばれ、採血とそのあとの流れは同じである。
この方式、素晴らしい!! よく出来た仕組みである。病院の外来でも、中待合を作ったり、同じような仕組みは見かけるのだが、採血室で、長椅子の色を変えているのは珍しいのではないだろうか。
こういった病院側の日々の努力には頭が下がる。ただどこの病院にいっても、このネクストバッターズサークルの仕組みがあるわけではないが、患者の気持ち一つで改善できることもある。採血を待っている間も、そろそろと思ったら、コートや上着を脱いで、片腕まくっておくくらいの努力はしても良いのかもしれない。もしくは通路を通りやすく、足を引っ込めておくくらいしても良いのかもしれない。病院の待ち時間、長い長いと文句をいいたくなるときもあるが、患者側の努力で、改善できることもある。病院には、よい病院の仕組みを積極的に真似てもらい、そして、患者もできることからコツコツと努力したいものだ。