保険者によるレセプト等データの分析・利用が全国展開されるよう国による支援や指導を行うことを検討する。具体的には、①加入者の健康づくりや予防活動の促進が保険者の本来業務であることを周知、②医療費分析システム利用を促進するとともに、医療費分析に基づく事業に関して国が定める指針の内容を充実させる等により、保険者の取組を促進する。被用者保険に関しては、「健康保険法に基づく保健事業の実施等に関する指針」を今年度中に改訂し、平成 26 年度中には、全ての健康保険組合に対しレセプト等のデータの分析、それに基づく事業計画「データヘルス計画(仮称)」の作成・公表、事業実施、評価等の取組を求める。 (平成25年6月14日健康・医療戦略より引用)すべての健康保険組合にレセプト等のデータの分析をさせ、それに基づく計画を立てさせるような取り組みを考えているようだ。ただ現場では混乱が起きているように思う。突然分析しろ、計画を立てろと言われても、何をしたら良いか目的すら不明確で、分析や取り組みにも懐疑的なのではないだろうか。おそらく、医療費を下げるとか、疾病予防をすると言われても、取り組み方法も評価方法も分からない・・・という悩みが溢れかえりそうだ。
健保は何をしたら良いか。
1点に尽きる。それは健保の組合員をどうしたいか。企業の業績向上や組合員とその家族の幸せのために健康な状態を持続する、ある特定の疾病にかからないようにする、といった健保組合の存在意義とビジョンを考えなおすことだ。
今更なにをそんな簡単なことをいうのだ?と思うかもしれないが、このビジョンを明確にすると、データヘルス計画・レセプト等のデータ分析は、やることがはっきりしてくる。このビジョンが不明確なままでは、レセプト等のデータ分析は分析業者の言いなりの報告を受け取るだけ、計画も他の計画を丸写しするだけの意味のないものとなってしまう可能性が高い。
データヘルス計画。コンセプトは良い。この先、あたふたしないためにも、健保組合のビジョンを見直すべきタイミングだと思う。
データヘルス計画はこちらの記事もどうぞ
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・ 必見 データヘルス事例集
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