■あまり話題にならない健康保険料の月々費用
健康保険、年金、所得税、住民税。電気、ガス、水道、携帯電話。毎月支払っているものはかなりある。近頃は電車の中などで小学生くらいの子供が携帯電話を使っているのを見ても驚かなくなったが、携帯、特にスマートフォンは月々3,000円くらいはかかってしまう。小学生のとき、週200円の小遣いで生活していた自分の子供の頃とは時代が変わった。所得がいくらかにもよるが、最初に挙げた毎月の費用の中で、多くても年10万円くらいの携帯電話はあまり高いものではない。
健康保険料は月収30万円であれば月1万5千円(事業者負担もあわせると3万円)、厚生年金は月2万5千円(事業者負担込みで5万円)程度が目安である。給与から健康保険で年18万、厚生年金で年30万も引かれているのだ。そして、所得税と住民税(月収30万円と仮定)もそれぞれ10万円以上、納税することとなる。
※金額はあくまでも目安。実際は協会けんぽ、国保などの保険者や、課税控除額などの様々な条件で異なる
携帯電話は、どのプランが良いか、どのキャリアが良いか、様々な情報があふれている。電気であれば、ちょっとした節電のアイデアなどテレビや雑誌で見かける。一方で、健康保険料に疑問を持つことはなかなかないのではないだろうか。(年金は負担したくない・・・なんて話も聞くが。)
■保険制度維持には保険料に対する意識向上が不可欠
保険料が意外と高額にもかかわらず、あまり気にされていないのは「集金」という観点では悪くないかもしれない。問題は、医療費がなぜ3割負担で済んでいるのかという、保険料の使い道に意識があまり回っていないことだ。3割負担で制度を余裕で維持できるのであれば良いが、もちろん、そんなことはない。ぎりぎりの状態であることは健保財政のニュースなどでも明らかなことだ。提供側の医療内容・質を変えない前提で、このぎりぎりの状態を維持・回復するには、以下のような策がある。
- 保険料をあげる
- 自己負担割合をあげる
- 別財源から補填する
- 保険の対象となる医療を減らす
- 医療の受け手がサービス利用を抑制する
今回は1,2について少し考えてみたい。
(後半に続く)