■健康な人とそうでない人、長期間の医療関連支出の差異は相当なものに
健康な人とそうでない人。年間の医療関連の支出はそれほど違わない。(もちろん、健康でない人の支出が多くなっている)でも、年間の差異を積み上げていくと、30年も経つと大きくなる。さらに、健康でないことによる機会損失もあわせると、その差異は非常に大きな差となってしまう。
このような話をアメリカの保険会社の人から聞いた。年間の支出をどうしようか、という観点で医療・保険のあり方を考えるのではなく、長期的な視点でのコントロール、マネジメントが重要であるように感じた。
UnitedHealthcare社の説明 |
国家レベルの健康増進が、年金積立額の増加と同じ価値があると考えるならば、その健康増進を促す方法・アイデアは様々試してみてもいいのではないだろうか。
■肥満税はご存知?
一部の国では「肥満税」というものがある。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%A5%E6%BA%80%E7%A8%8E
ポテトチップや炭酸飲料、ジャンクフードに税金をかけている。これは税収をあげることによる価値よりも、健康増進の価値を期待した行動のはずだ。
日本では来年4月から消費税増税となるが、使い道は社会保障と税の一体改革に充てることとされている。であるならば、健康増進に費やした支出には、そもそもの税金の使う目的の負担を軽減する可能性があるのだから、消費税を低くできないのだろうか。逆に不健康なことに費やした支出には、増税して構わない。そう、まさに「肥満税」である。
似たような税金で「たばこ税」がある。たばこは害があると研究でも明らかになっている以上、これまでのたばこを製造することに対する課税(これを消費者が間接的に負担している)に加え、たばこ消費者が負担する「健康阻害税」(肥満税と同義)のようなものを課してもいいのではないだろうか。たばこ税の増税ではない。新たな目的・意義で課税するのだ。
たばこを吸う人がいくら負担すれば良いという議論は、感情的になってしまってはダメだ。経済的に検証していく必要があるだろう。前述の保険会社の健康な人とそうでない人の比較は興味深かった。ちなみにジャンクフードは健康を害しているか議論が難しいように思う・・・。
余談だが、肥満税、フローに対して課税するのは構わないが、ストックに対する課税は勘弁である。行動を変えたら、その瞬間から税負担がなくなるようにすべきだ。