2014/02/07

患者が不安になる瞬間 その1

とある病室での出来事。

薬剤師:『この薬は飲み忘れないように注意してくださいね。忘れてしまったら連絡をください』

患者:『分かりました』

~翌日~

患者:(それなのに飲み忘れてしまった、困ったなぁ・・・)

とそのとき、ちょうど通りかかった主治医

患者:『先生、この薬、飲み忘れちゃったんですけど、どうしたら良いですか?』

医師:『では、夕食後から再開してください』

患者:(ほぉ、良かった良かった)

~その翌日~

薬剤師:『○○さん、この薬、どうして余っているんですか!!』

患者:『昨日の昼、飲み忘れてしまったんです』

薬剤師:『なぜ、すぐ私に連絡をくれなかったんですか!?』

患者:『ちょうど先生が通りかかったんで、先生に話しましたよ』

薬剤師:『そういうの、困るんですよ。連絡くださいって言いましたよね』

患者:(なんで怒られなきゃいけないんだろう・・・。先生にちゃんと相談したし・・・)

薬剤師:(なんで言ったことを守ってくれないんだろう・・・。簡単なことなのに・・・)


こんなシチュエーション、よくあることでは困るのだが、ミスコミュニケーションというのは、多かれ少なかれ、どこの病院でもある。もちろん病院に限った話ではない。自分だって「人の話をちゃんと聞いていない」「都合の悪いことはすぐ忘れる」と家庭で毎日のように怒られている。

このミスコミュニケーションがきっかけで、患者は不安になるという。特に各職種が責任をもって、患者と向き合うようになり、「チーム医療」の重要性が高まっている現在、どの職種の誰が何を言ったか、聞いたか、しっかり把握できていないと、病院の信頼性は下がってしまう可能性がある。患者は入院していること自体ですでに緊張し不安であるのに、病院の人から聞く話に整合性が取れていなかったら、その不安は益々増大してしまう。

このミスコミュニケーション、防ぐ手立てはないか、別の機会に考えてみたい。