|
先週観なおしたシッコ |
救急車・救急外来という貴重な医療資源を大事に使う。日本は急病・怪我をして救急車に乗って病院に運ばれても、医療費や保険の心配をする必要がない。当たり前のようなことだが、世の中、違う国もある。映画のシッコ(SiCKO)あたりを観れば、そのことが理解でき、日本の良さが分かるだろう。(ただ、SiCKOはアメリカの医療に対する批判を目的としたドキュメンタリー映画ゆえ、当然ながらアメリカの医療の良い部分について触れていない。これだけを見て、日本の医療は良い・ベストだ、というのもまた違うと思う)
その救急に関して、国保旭中央病院の情報誌「こんにちは 2015秋号 vol.8」(
http://www.hospital.asahi.chiba.jp/information/konnitiha/1510.pdf)の記事「医療最前線 vol.8 災害医療のエキスパートの着任で、救急医療・災害医療の体制を強化」に非常に良いことが書いてあった。(以下、一部引用)
救急車の有料化には議論が必要です。仮に有料化されれば、『お金を出せば使えるなら使おう』という人も出てきますし、一方で『お金がかかるなら具合が悪くても我慢しよう』という人もいるでしょう。後者のようなことになれば本末転倒です。誤解してほしくないのは、『軽症だったら救急車を呼んではいけないのではない』、ということです。軽症なのか重症なのかの判断は自分ではつきませんし、仮に病気としては特に重大なものでなくても、強い痛みなどの症状がある場合には救急車を呼ぶべきです。問題とされているのは、『昼間の外来は混んでいるけど夜間なら待たなくて済むから』とか、『救急車で行った方が早く診てもらえるから』などの、本来の利用目的から逸脱した使い方、いわゆる「コンビニ的」に救急車や救急外来を利用するケースです。
救急車の有料化について、市民向けに分かりやすく問題を書いてくれている。そして、大事なこと・良いことを言っていると思ったのが次の一文。
救急車の有料化で不適切利用を全て解決できるとは考えにくく、重要なのは、行政や消防署、病院などが利用者に適正利用に関する啓発活動をすることだと思います。
啓発活動には、「救急という限られた医療資源を大事に使いましょう」と言うことに加え、住民はいかに現在が恵まれているか理解する、啓発を受け止めるための下地作りが欠かせない。この活動は、医療費の適正化などにも繋がるだろう。