繰り返すが、回リハの点数は、ベースとなる診療報酬を基準に考えると高くない。昨日は、入院加療の必要性について問題点があることを述べた。今日は、そもそものリハ単位数について述べる。
回リハでは、多くの患者に6単位以上のリハビリが実施されている。リハはその後の日常生活自立度を左右する大きな要因であり、その充実は好ましいことだが、効果のあり・なしにかかわらず、20分1単位として、出来高で報酬を得ることができるのは微妙である。
MMオフィス工藤氏は、「海外等を見れば、長時間リハに耐えることができ、意欲のある人にリハを実施し、しかもリハは包括だ。日本も出来高の時代が永遠に続くことは考えにくい。いずれ包括になる可能性もあるだろう」というようなことを言っていた(自分が聞いたのは、おそらく5年以上前のことなので、多少のニュアンスの違いはご了承ください)。そのときの講演資料は、引用・転載許可をもらって、ことあるごとにいろいろな方に見せてきた。
回リハのリハビリが出来高から包括になる可能性は、
- 地域包括ケアのリハ包括
- 回リハ1のアウトカムが伴わない6単位以上のリハ包括
これら2つの制度が出てきたことからも、世の中の流れは出来高から包括にである。
包括化されれば、より腕のよいリハ医・セラピストは、少ない単位数で、より効果的なリハを提供し、その分だけ診療報酬を得ることができるようになるだろう。
ただ、なかなか効果は出ないものの、そのときの充実したリハのおかげで、のちのち良くなった、もしくは重症化を予防できた、というような患者に対するリハがないがしろにされてしまう懸念も否めなくない。それだけに慎重に制度設計をしなければならないだろう。
リハビリは、アウトカムをあまり評価していなかった「質より量」の時代から、回リハ1のアウトカム評価のように「量が大事だけど質も無視しない」の時代になっている。今後は「量より質」の時代へ転換していくことを見据え、地域との連携やスタッフの育成をしていく必要があるだろう。