市場・企業の成長率を見る。社会人一年目を思い出すようなテーマだ(あまりに懐かしく、その当時の教科書を久しぶりに開いてしまった)。
病院経営のマーケットを捉えるため、最近の医療費の動向-MEDIAS- 平成29年12月|厚生労働省 から、入院医療の医療費の伸びを見た。
ただ、伸び率だけを見たのでは示唆が少ないので、人口構成を横軸にとり、都道府県別に散布図をプロットしてみた。
このグラフの横軸は、80代人口の比率だ。高齢化が進んだ地域では、入院医療費の伸びが低く、そうでない地域は医療費が伸びている。
つまり、マーケット成長率は地域によって異なり、高齢化が進めば、必然的に伸びなくなると言えそうである。高齢化が進んだ地域ほど、売上最大化ではなく、利益最大化を目指すべきとも言える結果である。
マーケット自体が伸びない地域では、その地域のある病院が売上を増やせば、他の病院の売上が減る可能性も高くなる。パイを奪い合う色が濃くなるときに、地域として、医療の質の向上や働き手にとっての環境の魅力向上などを、どのように目指すべきか。
マイナス成長時代への突入を目前に控え、病院・地域は改革を求められている。さらに言えば、改革が一番求められているのは、売上拡大をうたうコンサルかもしれない。つまり自分も意識改革が必要と言えるだろう。