2018/07/29

『有名○○○は稼働率が6割強でいいといわれている』 ベッドを埋めなくても経営できるメリットとは

週刊東洋経済の特集、ホテルの話題。その特集のインタビュー記事の一部を引用する。
日本のホテルは稼働率が高すぎる。海外の5つ星ホテルや有名ホテルは稼働率が6割強でいいといわれているが、日本のホテルは8割で運営している。スタッフがつねに作業に追われているため、臨機応変な対応ができない。それならもっと価格を上げて、稼働率を下げればいい。 Interview|小西美術工藝社社長 デービッド・アトキンソン | ホテル爆増 | 週刊東洋経済プラス | 経済メディアのプラス価値(記事は雑誌で読んだが、ネット上にもあるようだ。有料会員限定のサイトゆえ、引用部分が読めるかどうか分からない点はお許しを)
上の文章、「ホテル」を「病院」に置き換えても、おおよそ意味が通じる。ただ、引用した文章の最後の一文「価格を上げて、稼働率を下げればいい」は、日本の病院に通用しない。価格は診療報酬で画一的に決まってしまうため、自分の病院だけ上げたり下げたりはできない。

医療の質の向上には、価格を上げ、低い稼働率でも経営できる状態を目指すべきというのが持論だ。どの病院も稼働率を上げる目標を立てるが、それは質の向上をしても経営的なメリットは多くなく、稼働率を上げる方がメリットが多いからではないだろうか。

将来的には、稼働率を上げるメリットが少なくなり、質向上のメリットが大きくなる時代にすべきであると考えている。

以前のCBnewsの記事(公立病院改革プランの「経常黒字化」が地域を壊す - CBnewsマネジメント)も、稼働を上げなければならないという強迫観念があるのでは、という疑問が背景にあった。稼働を無理に上げなくても経営的に回る仕組みを考える上で、他業種から学ぶことで、個人個人では変えられない「価格」をどう変えればよいか示唆があるように思う。