2020/08/31

診療所レセプトQ&A、いただきました

こちらもいただきものです。自分の勉強不足・知識不足に対する師からの戒めです、きっと。

Dr.のための「知ってトクする」診療所レセプトQ&A122【電子版付】
日本医事新報社


診療所向けですが、改定内容で把握できていないものがないかチェックしてみたら、当たり前のように理解していないものが見つかりました。ただ反省していても仕方がないので、勉強します。(というより、自分もウォームハーツ所属なので、ご迷惑をかけないようにしなければ・・・)

2020/08/30

上村氏の看護必要度の書籍(同業者は読まないで)

上村さんから看護必要度の本をいただきました。

深掘り!重症度、医療・看護必要度 データ分析の活用・改善
日総研601910

 全編、看護必要度のことなのですが、内容が盛りだくさんです(関連した話題として入退院支援などもありますが)。色々な雑誌で看護必要度の特集が組まれてきましたが、それらとは比較にならないくらい圧倒的なボリュームと質です。

ただし、あくまでも「データ分析の活用」を考えている人が対象です。この本を勉強しても、看護必要度の理解度テストは受からないです、多分。また、看護師以外でもマネジメントレベルはとても有益だと思います。データ分析の同業者は・・・読まないでほしい(分析の切り口とか、もうほぼすべて紹介しちゃってます)。

2020/08/27

ガソリンスタンドの減少率と関係のある指標は何か?

ガソリンスタンドが減っている。 

経済産業省 資源エネルギー庁
揮発油販売業者数及び給油所数の推移(登録ベース)平成
307
を基に作成

資源エネルギー庁では、過疎地対策の検討をしている。



ハンドブックの分析内容を引用する。(黄色の色付けは弊社)
○販売量別の事業継続意思、経営状況を分析すると、月間燃料油販売量が50kLを下回るSSは、廃業予定や赤字経営の割合が大きい
○過疎地SSの中でも販売量に大きなばらつきがある。販売量の小さいセグメント(月販50kL以下)では全体平均値と比較して経営者年齢、従業員数、経営状況、事業継続意向に顕著な差が見られ、厳しい経営状況。 
○過疎地SS全体を平均すると、燃料油販売量や経営状況に全国平均と大きな差異 は見られない。 
○他方、燃料販売量の少ないSSは、Lあたり人件費及び物流費など、元々高コストとならざるを得ない構造を抱えている。 

興味深い。過疎地だから経営が厳しいのではなく、販売量が少ないからだ、と言っている。

販売量が少ないところは、自動車の省燃費性向上や、人口減少・高齢化の影響が大きいと思われる。


地域での人口減少・高齢化などは、医療・介護も同じである。医療・介護で「省燃費性向上」に該当するのは「健康維持」が適切?かどうかは分からない。が、いずれにせよ、人口減少などの影響を受ければ、医療機能の提供必要量は減る。


ただし、この25年近くのガソリンスタンドの減少、細かく見ると色々情報が見えてくる。

都道府県別の比率(1994年度末を100%とした場合の2017年度の比率)を見た。横軸は人口密度にした。


沖縄は例外だが、人口密度の高い都道府県ほど、減少したことがわかる。もともと東京に多すぎた、といったこともあるだろう。多くても経営が成り立っていたとも受け取れる。一方、北海道は相対的に減っていない(十分減っているのだが、減り具合が他に比べて穏やか)。


北海道のガソリンスタンドの経営状況について、話を聞いたことがある。ガソリンスタンドは絶対に0にできない。人が住んでいなくても、道路があり、そこを通る車がある限り、絶対に必要である、と。最後1つ残ったところはよい。ただしその直前、競争状態にあるときは、お互いにきつい。


医療はどうなるのか。直近10年程度の診療所数の推移を見た。

厚生労働省 医療施設動態調査を基に作成

増え続けている。ここから先は自分の頭の体操だ。都道府県別で見たらどうなるだろう。その変化は何が鍵になっているのだろうか。将来どうなるのだろうか。


もともと、この診療所数のグラフは4月、5月の変化に新型コロナウイルス感染症の影響が生じていないか確認するために整理していたデータだ。新型コロナの影響はさておき、全然違うガソリンスタンドの話に飛んでしまった。何かの参考に、そして原稿のネタにできれば・・・(難しいか)。

2020/08/26

Fitbitの新製品、SpO2センサーなどが

Fitbitの新製品。SpO2や皮膚温のセンサーが搭載されるらしい。

Fitbit Debuts Sense, Its Most Advanced Health Smartwatch; World’s First With EDA Sensor for Stress Management,1 Plus ECG App,2 SpO2 and Skin Temperature Sensors | Business Wire


SpO2や皮膚温センサーが搭載されている別製品を使ったことがあるのだが、いまいち、信頼性に欠ける気がしていたので、ちょっと期待。


Fitbitは先週ブログで発表していた内容(下記)も興味深い。

 Early Findings from Fitbit COVID-19 Study Suggest Fitbit Devices Can Identify Signs of Disease at Its Earliest Stages - Fitbit Blog


最初にFitbit製品(Ultra)を買ったのはもう8年前らしい。もう惰性みたいなものか・・・(健康管理はどうした!?)。

2020/08/20

音声認識入力ツールの利用が劇的に進みはじめている?

 昨日のブログで触れた音声入力。導入が進んでいる。ツールを販売している代表的な会社であるアドバンスト・メディア社の決算説明会資料を見てみると、前前期・前期と大幅に導入施設数が増えた。

株式会社アドバンスト・メディアの音声入力導入医療施設数推移(薬局を含む)
同社の決算説明会資料を基に作成
(横軸、年しか表示してないから間隔がおかしい。どの点も◯◯年3月時点、のタイミングなので、なんとなく察してください・・・。雑ですいません)


個人的には、同社は、CTIでの導入で業界をリードしているイメージだった(10数年前、そういった調査をしていた)ので、医療業界での導入施設数の多さを知ったときに、正直、驚いた(知ったのは、もうだいぶ前だが)。

ちなみに、導入=ゴール、ではなく、そこから、試行錯誤となるのが一般的である。試行錯誤は、先行している医療機関の取り組みを参考にするのがよい。

「医療勤務環境改善マネジメントシステムに基づく医療機関の取組に対する支援の充実を図るための調査・研究報告書」(リンク先のPDFファイルは36MBと巨大なので注意を https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/outline/download/pdf/292627163bd513b3d2e76ed153e121126d38cfcd.pdf)に具体的に書かれている。

そこから、HITO病院の内容を抜粋する。PC+マイクでは浸透せず、iPhoneで入力するようにしたとのこと。なるほど。

据え置き端末が少なく、かつ多職種(医師、看護師、薬剤師等)が共同で利用するため、速やかなカルテ記載に支障が出ていたことが一因である。先行して PC+マイクによる音声入力システムは導入済みであったが、PC が必要な限り医療スタッフには浸透しない。そのため、iPhone に移行するタイミングにあわせて iPhone からの入力システムに切り替えるべく、メーカーと調整することとなった。

この取り組みは、以前、日経メディカルでも記事になっていた。

「1人1台のiPhone」から始める働き方改革:日経メディカル


上述の報告書から、同じくHITO病院の記載。

キーボード入力と異なり、音声で入力する場合には、入力内容の全体像を予め頭の中で整理してから話し始めないと代行入力者が上手く入力できない。また、代行入力者に間違いを指摘されるのを恥ずかしく思う職員もいたため、最初は音声入力がなかなか浸透しなかった。音声入力のデモを行いスタッフ間で使用方法について協議したり、音声入力に時間を要している場合には適宜個別指導を実施する等により、全ての日常診療について音声入力を徹底することができた。

音声入力は恥ずかしい・・・ですよね。こういったハードルをクリアした病院の話を参考にしない手はない。


なので、結論は、医師事務作業補助者の活躍の場はもっと広がる、ということ。そのためにも、下記の記事、読んでいただけるとうれしい(記事へのこじつけ感と、くどさが・・・)

医師事務作業補助者の確保、競争激化への転換点が到来 - CBnewsマネジメント

2020/08/19

医師事務作業補助者の確保競争の先は・・・

医師事務作業補助者の確保、競争激化への転換点が到来 - CBnewsマネジメント 医師事務作業補助者の確保、競争激化への転換点が到来 - CBnewsマネジメント

CBnewsに新しい記事を掲載いただいた。

医師事務作業補助者の分析。

医師事務作業補助者の診療報酬点数は、人件費をまかなえるくらいの良い点数になった。ということは、何が起きるか・・・をまとめているので、よろしければ記事をどうぞ。

ちなみに、記事で書いたさらに未来まで考えると、カルテ入力などのパンチャー的な業務は、音声入力などに置き換えられるだろう(そう遠くない未来・・・どころか、もう現実的になっている)。診断書の作成などの定型業務の多くは、機械学習などを応用したプログラムへ置き換えられる。そのため、医師事務作業補助者は高度な判断を必要とする業務に特化することになるだろう。結果的に、システム化が進んだ病院ほど、医師事務作業補助者の人数は少なくても良いとなれば、「配置人数の多さ」=「高い診療報酬」という時代は、いずれ終わりを迎える。やがて初診料・再診料や入院基本料に含まれてしまう。診療報酬の支えなしに、高度な判断ができる医師事務作業補助者を確保できないところ(育成できていなかったところ)は、医師の働きやすさなどの観点で魅力低下⇒医師確保力の低下⇒経営悪化、という負のスパイラルに陥るだろう。

つまり、点数の高い今そこ、医師事務作業補助者を確保し、育て、未来に備えるべき絶好のチャンス到来!と考えている。(CBnewsの記事では、だいぶ説明をシンプルにしてしまったなぁ・・・)

以下、余談。今回の記事、新しいデータソースを利用している(2ページ目のグラフ5以降に)。グラフは地味だが、このためにプログラムを何本か新しく組んだ。5月下旬にブログ(ボツにした賃金データ - 株式会社メディチュア Blog)で触れたときは看護師のデータだったが、今回は医師事務作業補助者のデータを使ってみた。またこのデータを使えるときが来ることを期待したい。

2020/08/14

セミナーのご案内

セミナーのご案内(8月、9月) | 株式会社メディチュア

8月21日、医用工学研究所主催セミナー(分析初心者向け)

9月27日、日経ヘルスケア主催セミナー (MMオフィス工藤氏と一緒に講師を務めさせていただきます)

どちらもオンラインでの開催です。ご都合があえば、ぜひご検討ください。

2020/08/11

「急性期病院、理学療法士少なく」も必読

昨日の日経新聞朝刊。新型コロナウイルス感染症患者への早期リハ介入の話題。

コロナ患者 早期リハビリ ICUで実施、合併症や後遺症を予防・軽減 医療従事者の感染対策課題 :日本経済新聞

Webの記事では、ここまでなのだが、紙面では下記の内容に続いている。

急性期病院 理学療法士少なく  :日本経済新聞

記事中で、日本理学療法士協会の副会長が言及されているように、公立病院は理学療法士が少ない。


以前、CBnewsに記事を書いている。上下で分かれていて、上は無料会員でも読めるようなのでぜひ。なお、下では、提供単位数の推計を行っていて、セラピストの少ない国公立・公的病院では「広く薄く」になっている可能性を示した。「広く薄く」は、リハ提供の効率性の低下や、リハを必要とする患者に十分な量のリハを提供できない懸念がある。しかし、人員配置の制約を考えると、急に人員増を図るのは難しい。そこで、最後の提案として、急性期リハに特化するため、セラピストの充実した後方病床への連携早期化を推進すべきとした。

セラピストに限らず、自院内での人員体制と必要な医療サービスとのミスマッチは少なからず存在している。このミスマッチを自院内だけの問題とせず、地域での課題と捉えミスマッチを解消しようとすることが重要なのではないだろうか。

というわけで、よろしければ、下の記事、どうぞ。

リハビリセラピストが足りない国公立・公的病院(上) - 医療介護CBnews リハビリセラピストが足りない国公立・公的病院(上) - 医療介護CBnews
リハビリセラピストが足りない国公立・公的病院(下) - CBnewsマネジメント リハビリセラピストが足りない国公立・公的病院(下) - CBnewsマネジメント

2020/08/05

ドラマを見ていて、病院薬剤師の記事を書こう!と思った・・・わけではないです

医療ドラマを見ると、内容そっちのけで、ロケ地あてクイズをしてしまう・・・という職業病が出る。

近頃放送している病院薬剤師のドラマも、ロケ地あてクイズに見事正解し、家族から白い目で見られた。

ということはさておき、病院薬剤師の分析記事をCBnewsに掲載いただいた。

病棟に薬剤師はいるのに加算が取れない矛盾 - CBnewsマネジメント 病棟に薬剤師はいるのに加算が取れない矛盾 - CBnewsマネジメント

データ分析結果から矛盾点が見えてきた。施設基準や要件を見直すことで、医療の質が上がるのではないか、ということを提言してみた。

全国の病院における病棟薬剤師の配置状況を把握することもできるかと思うので、よろしければ記事をお読みいただきたい。