仕事の合間にDPC評価分科会の傍聴へ(資料は下記リンクへ)
平成25年度第6回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会 議事次第 |厚生労働省 |
■後発医薬品の使用割合を機能評価係数Ⅱの効率性指数に
議論では、入院で用いる薬剤において数量割合を評価することで、退院時処方や術中使用薬剤の後発品への切り替え促進を図りたいという趣旨でスタートしたものの、すでに包括払い制度で後発品を使用するインセンティブが与えられている上に、二重のインセンティブを設けるのはおかしいのでは?等の意見が相次いだ。
落とし所としては、出来高部分だけを評価するということで落ち着いたが、果たして、病院が先発品から後発品に切り替えるだけのインセンティブとなる係数が設定できるかどうかは、かなり疑わしい。というのも、先発品の薬価差益と、後発品の薬価差益で大きな開きがあるとする。仮に100床あたりその差益の差額が年500万円だったとする。500万円に相当する機能評価係数Ⅱでのインセンティブとは、係数でいくつになるだろうか。
100床、病床利用率80%、入院単価50,000円、包括部分割合50%とざくっと置くと、500万円に相当する機能評価係数Ⅱは0.00685である。この係数の値は、現在の機能評価係数Ⅱを構成している各要素の平均値よりも高くなってしまう。つまり、薬価差益が少なからずある施設の大半は、係数を得ることによるメリットよりも、薬価差益を失うデメリットの方が大きくなるだろう。調整係数が段階的に機能評価係数Ⅱに置き換わったとしても、おそらくこの議論は大きく変わらないだろう。
結局のところ、中途半端なインセンティブができるのではないだろうか。(機能評価係数Ⅱの計算をして、病院向けにコンサルをしている人は、話のネタができて、悪くないかもしれないが)
そして、出来高病院とDPC病院の公平性なども議論であがったが、本質的には、国民医療費が削減されるかどうか、大きな視点で議論しなければならないと思うのだが、そんな話はまったく出てこなかった。
ちなみに、本日の分科会で公表された後発医薬品の使用割合(数量ベースか)、包括部分で45%、出来高部分で24%とのこと(発言内容をメモしたので間違っていたらごめんなさい)。出来高部分はやはり先発品の割合が高い。当然だ。
なお、病院指標については、全施設にアンケート調査する話を基本に、先進的な取り組みをしているかサンプル調査したらよいのでは、といった意見もあった。どうなることやら・・・。
(2014年1月31日追記)後発医薬品指数、数量ベースになったことで、内服薬の切り替え加速か。色々なところに聞いた感じではみなPPIなどから切り替えるようだ。