薬剤師:『この薬は飲み忘れないように注意してくださいね。忘れてしまったら連絡をください』
患者:『分かりました』
~翌日~
患者:(それなのに飲み忘れてしまった、困ったなぁ・・・)
とそのとき、ちょうど通りかかった主治医
患者:『先生、この薬、飲み忘れちゃったんですけど、どうしたら良いですか?』
医師:『では、夕食後から再開してください』
患者:(ほぉ、良かった良かった)
~その翌日~
薬剤師:『○○さん、この薬、どうして余っているんですか!!』
患者:『昨日の昼、飲み忘れてしまったんです』
薬剤師:『なぜ、すぐ私に連絡をくれなかったんですか!?』
患者:『ちょうど先生が通りかかったんで、先生に話しましたよ』
薬剤師:『そういうの、困るんですよ。連絡くださいって言いましたよね』
患者:(なんで怒られなきゃいけないんだろう・・・。先生にちゃんと相談したし・・・)
薬剤師:(なんで言ったことを守ってくれないんだろう・・・。簡単なことなのに・・・)
こんなシチュエーション、よくあることでは困るのだが、ミスコミュニケーションというのは、多かれ少なかれ、どこの病院でもある。もちろん病院に限った話ではない。自分だって「人の話をちゃんと聞いていない」「都合の悪いことはすぐ忘れる」と家庭で毎日のように怒られている。
このミスコミュニケーションがきっかけで、患者は不安になるという。特に各職種が責任をもって、患者と向き合うようになり、「チーム医療」の重要性が高まっている現在、どの職種の誰が何を言ったか、聞いたか、しっかり把握できていないと、病院の信頼性は下がってしまう可能性がある。患者は入院していること自体ですでに緊張し不安であるのに、病院の人から聞く話に整合性が取れていなかったら、その不安は益々増大してしまう。
このミスコミュニケーション、防ぐ手立てはないか、別の機会に考えてみたい。