2014/06/06

『三次救急の病院へ運んでもらえませんか?』『ドクターヘリは使えませんか?』と聞くべきなのか?

先日も救急の話題を書いた(埼玉の救急はそんなにダメなのでしょうか。その中で、川越救急クリニックの上原院長の新聞記事に触れたのだが、記事の写真が上原院長のブログにアップされていた。そのブログで、ヨミドクターのコラムを紹介していた。
確かに面白い。病院選びという観点では、大病院志向が強く感じられる。選ぶ権利もある日本のフリーアクセスだから、個人の自由だが、できれば、診療所の先生に「紹介先は他にもありませんか。最初に挙げたA病院とB病院は、どのように違うんですか?」と聞いてみる等のかかりつけ医との信頼関係を築く観点での議論がなされていない。(ランキング本を買うといいよ、という宣伝が背景にあるなら、悪くない主張)

上記のリンクは救急を話題にしているのだが、あまり救急の現状をご存じないのだろう。「三次救急の病院へ運んでもらえませんか?」「ドクターヘリは使えませんか?」と家族が救急隊員に言ってみては、と提案している。

いやいや待ってくれ。救急隊員は、別に、ただ運ぶタクシーではない。専門知識を持って、然るべき病院へ連絡をし、受け入れられないか問い合わせている。その結果、病院が受け入れ不能となると、次の候補、また次の候補、と探していくのだ。患者の状態が三次救急を要しているのなら、当然ながら、三次救急の病院をあたっている。

ドクターカーやドクターヘリだってそうだ。時間的な猶予がない、距離的制約が大きい、など様々な要素を考慮して搬送しているのであって、「遠い」だけでヘリが登場するわけではない。今後、大したことのない状況で「ドクターヘリを呼んで!!」「なぜ三次救急に行ってくれないの? 何かあったら責任取れるの?」と救急隊員を責め立てるようなことが増えないだろうか。


新聞のコラムで語るのであれば、然るべき時に然るべき医療機関が受け入れられるように、不要不急の救急搬送依頼をやめ、自家用車やタクシーでの移動を促したり、#7119や#8000の広報(#7119や#8000の認知度向上、ちりもつもれば・・・)をしてくれてもいいのではないだろうか。