以前から、書籍等の病院ランキングに対しては、厳しめの意見を発してきた。
当ブログにおけるランキング関連の主な記事
本来、病院の良し悪しは、患者の詳細な病態や、本人・家族の主義・主張など価値観にも影響をうける。それを勝手に点数化したものを並べて、1位はここです!という発表の仕方には、多少疑問を感じるところだ。
良い点は大きく2つある。1点目は患者は得られた情報を頼りに医療機関を選ぶことができること。そして、2点目は医療機関側もランキングのアップを目指し、何らかの改善努力を行うことだ。
先日、表紙に「老人ホームランキング2571施設」と書かれた雑誌が発売されていたので、買ったところ、「東京ベスト保育園594」という記事もあった。子どもが都内保育園に通っている自分としては、気にならないわけがない。
で、結果は・・・・・
うちの子どもの通っている保育園は載っていない??
何度見返しても、見つからない。同じ母体の他の園は見つかったのに、うちの子の園はない。このモヤモヤ、どうしたらいいものか。
じっくり調べたところ、この東京ベスト保育園594のリストに載るには条件があった。2013年度の東京都の福祉サービス第三者評価を受けている園に限定されているというのだ。東京都のホームページ(下記参照)によると、少なくとも3年に1回は受審すること、と書いてある。
福祉サービス第三者評価の概要 東京都福祉保健局
うちの子の園は、2012年度に受審していて、2013年度はなく、2014年度は受けているとのこと。
つまり、ランキングに載らないのにはしっかり理由があり、それは保育園側の怠慢ではなく、ただ単に雑誌側の基準であった。雑誌の本文には、そのあたりのことをしっかりフォローしている文面が記載されているものの、インターネット上では、ランキングの数値だけがひとり歩きしているような実態も見られた。ランキングはそれだけ興味をひきやすいということだろうが、医療のように背景までしっかり理解できない読み手が多いであろうジャンルは特に注意すべきだろう。
ちなみに、保育園のランキングと、その対象に関する説明は、Amazonのkindle無料サンプル版で読める。興味があれば、買わないまでも、読んでみてはいかがだろうか。
ランキングには否定的だけど、正直言うと、読みたくなる。「おかしい、おかしい」ということ自体が仕事だし、本・雑誌はついつい買ってしまう。そういう意味では、一番の上得意客かもしれない・・・。