2014/12/11

「これでわかる!ダメ医者チェックリスト」は必見!?

仕事上、様々な書籍・雑誌を買っている。

ちょっと疑問を感じる2冊
いい本もあれば、悪い本もある。上の写真は、少し疑問を感じる内容の含まれるもの。

『市販薬の~』の方は、副作用を理由に飲むべきではない、という主張を繰り返している。この本を鵜呑みにしたら、よく効く薬は飲めなくなるだろう。

『PRESIDENT』は、医療需要の見通しや歯科医の見分け方など共感できる・参考にできる内容も少なからずある。しかし、トップの記事は「近藤誠×和田秀樹 頼れる病院、危ない病院」である。当然のことながら、がんもどき理論を述べられている。また、その内容の一部で、名医かどうかの話では、日野原先生のお顔が掲載されている。ただページの下には「写真と本文は関係ありません」と書いてあり、実際、本文に日野原先生は一切出てこない。

さらには看護師の座談会とやらは、不倫だなんだと低俗な話が・・・。また、こっそり教えるというから期待した病院の見分け方は「病院機能評価」だった。病院機能評価は一般人が期待する良い病院を保証するもののではない。一般人のたとえでいうと、「大卒」みたいな基準である。大卒でなくても優秀な人は優秀だし、大卒でも優秀でない人もいる。しかも、大卒の比率が高くなってしまったのと同様、病院機能評価も多くの病院が認定を受けてしまっていて、これを参考にするというのは微妙である。

極めつけは、「ダメ医者チェックリスト」だ。下記に一部を引用した。

  • 看護師に悪口を言われている
  • 「近藤誠」を口汚く罵る
  • シャキシャキしていない
  • 出身大学の偏差値がとても低い

PRESIDENTって、こんな雑誌だったか?? 2番目は「口汚く罵る」のがダメであって欲しい(特集冒頭の記事に近藤誠氏が登場しているだけに、PRESIDENT社は近藤氏を全面的に応援しているのかな?)。

これらの書籍、読む人が様々な情報を持ちえているのであればよいのだが、よく分からず読んでしまうと、「知っている」風の患者が量産され、現場の医療者は迷惑この上ない。以前、ある医者が話していてことを思い出した。

『医者は医学雑誌から下世話な週刊誌、タブロイド紙まで目を通さなきゃならない。週刊誌に書いてあった内容を質問してきたときに、しっかり答えるためには、そのくらいの努力は不可欠。地域住民と長い信頼関係を築くというのは、こういうことの積み重ねなんだ』

この記事で紹介した2冊、興味があれば、ぜひ(個人的には立ち読みでも十分かな・・・)