コラム :日本経済新聞 |
今日は歯科診療を取り上げている。「経営のために一人でも多くの患者を診なければならない。すぐ治療の必要がない虫歯や歯周病で通院を長引かせるケースはある」との歯科医の打ち明けを紹介していたが、それが一番大事な信用を失うリスクであることをどこまで認識しているのだろうと思った。
ただ、目先の収益よりも地域における信頼こそが大事だ・・・ときれいごとを外野から言うのは簡単だが、実際の経営はそこまで厳しく、苦しいということなのだろう。
火曜はジェネリックの話も紹介されていた。アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、日本の5カ国を比較しジェネリックの普及が遅れている、という内容だった。
ジェネリックの使用割合を引き上げることで、医療費の増加を抑制でき、結果、医療を受け続けることができる・・・という意味でも、ジェネリックは大事である。一方で、医薬品開発へのネガティブな影響は無視できない。もちろん、そのような点に配慮された診療報酬が設定されているものの、急激な変化により、想像もしない影響が出てくる可能性はゼロではないだろう。
ちなみに、最近、データ分析や知り合いの話を総合した結果、ジェネリックが進まない業界、業種というのが見えてきた。
それは、医療関係者と製薬関係者だ。
(※データに基づく部分があるとは言え公表できるような客観的なデータは一切ない。飲み屋の雑談レベルの話だ)
ジェネリックに変えるべき、と政府がいくら言ったところで、処方する医師や看護師は先発品を好んでいる、ということだろうか。もしかしたら、可処分所得が高いから、ジェネリックに切り替えるまでもない、といったもこともあり得る。
いずれにしても、「ジェネリックに切り替えない理由」をはっきりさせることが大事であり、先発品を使う自由があっても良いと思う。もちろん、その場合には、それ相応の負担が必要だ。