特に気になったのは、外来初診時の特別の料金の徴収額と紹介率との関係のグラフだ。これは参考資料となっていたので、議論にはなっていないのかもしれないが、あんまりの内容だ。
中央社会保険医療協議会総会審議会資料 |厚生労働省 「外来医療(その3)について」から引用 |
つまり、導き出される要旨は、「徴収金額と紹介率には関係性が見られない」ということだろう。
気になる点は他にもある。1080円未満がN=4と少ない。これは26年4月の調査となっているが、他の資料では27年4月の調査が元データになっているようで、そこでは1080円未満が100病院以上ある。もしかしたら、紹介率のデータが無かった等の理由も考えられるが、上の「弱い主張(そもそも説明できていない主張)」を裏付ける努力があってしかるべきだと思う。
個人的感覚では、徴収金額と紹介率には関係性はなく、周辺病院の状況などに左右されるように思う。また、調べるのであれば、1施設の時系列的変化を見るべきかもしれない。これまで徴収していなかった病院が1080円徴収した場合、2160円徴収した場合、といった形で、値上げした病院のケースを集め、その時々で紹介率がどのように変化したか調査することで、紹介率を左右してしまう周辺病院の状況等のノイズが軽減されるはずだ。
いずれにしても、このような資料を見ると、裏の事情があるのではないか?と勘繰ってしまう。データに対する思考回路はバイアスがかからないよう努力したいものだ。
今日の中医協総会の外来診療に関する資料の1ページです。このデータから、この説明をするのは恣意的すぎるように思うのは自分だけでしょうか。「金額が変わっても紹介率は変わらず、1080円未満はNが少ないので参考値」と考えるべきかと思います。中医協を傍聴しているわけではないので分かりませんが・・・
Posted by 株式会社メディチュア(Meditur Co., Ltd.) on 2015年11月17日