簡単に言えば、ポストアキュートの患者が対象となる病院・施設のデータを共通化し、アウトカムの改善を図る、ということだと理解している。
現状の問題を示した1枚のスライドを引用する。
ポストアキュートのスキルドナーシングホームやリハビリ施設、長期療養病院などで、 それぞれ異なるアセスメントがなされている現状 出所: IMPACT Act Downloads and Videos - Centers for Medicare & Medicaid Services のパワーポイント資料を引用 |
Youtubeの動画の話の一部を抜粋した。
I think it is also important to note that we expect the IMPACT Act to generate many good outcomes for beneficiaries as well. For instance, the IMPACT Act puts in place cross-setting quality measures, and other measures that address important topics associated with quality.
These and the utilization of the standardized patient assessment data will facilitate the ability to compare outcomes across different care settings, supporting better choices and better outcomes for patients.
データを標準化していくことは非常に重要であり、患者にとってメリットは大きい。ただし医療・介護現場に対する負担が増えないような配慮も大事である。
現在、地域医療構想において、療養病床の配置計画が議論されている。地域間格差を無くす方向性は理解できるものの、大前提となるであろう療養病床・在宅医療・介護施設の間でのアウトカムに対するデータや議論が不足しているように思う。療養病床を減らし、在宅へ移行させた結果、医療費が増え、なおかつ患者家族の負担も増えるという事態も十分ありえる。また、療養病床を減らし、その分、新たに介護施設を整備した結果、介護保険の財政が悪化するという事態も十分ありえる。
費用対効果が良く、質の高い療養病床を減らし、費用対効果の悪い、質の低い医療・介護サービスを受けなければならない、という事態を避けるには、十分なデータに基づく議論が必要だ。単純に「何床だから多い・少ない」というサイズのデータだけでは、まともな議論などできないように思うのだが・・・。