『東京や仙台で眼科系疾患が急増』は正しいか - 医療、福祉に貢献するために |
厚労省が開示しているDPC制度(急性期医療の包括払い制度)の調査データを基に、白内障の2011年度の数値と2013年度の数値を比較してみた。ダイヤモンド・オンラインの記事では、2012年度末以降に急増したと書かれているので、この2年度を比較すれば、影響が分かるはずである。
2011年度、2012年度、2013年度のいずれの年度でもDPC調査データがあった病院を対象に、白内障の件数の都道府県別合計を比較した結果を下に示す。
白内障 2013年度件数増減比率(2011年度比) |
このように日本全国の傾向を見れば、『「仙台周辺で白内障が増えている」のは事実かもしれないが、仙台だけでなく、日本全国で増えている』という正しい認識を得ることができるだろう。
白内障は高齢化の影響が大きいことが想定される。今後も患者は増え続けるだろうが、それを放射線の影響と短絡的に考えるのは疑問である。