2016/01/12

白内障は仙台だけでなく、日本中で増えている

先日、ダイヤモンド・オンラインの記事で言及していた白内障や血液疾患の急増は本当か?という話をブログに書いた。

『東京や仙台で眼科系疾患が急増』は正しいか - 医療、福祉に貢献するために

厚労省が開示しているDPC制度(急性期医療の包括払い制度)の調査データを基に、白内障の2011年度の数値と2013年度の数値を比較してみた。ダイヤモンド・オンラインの記事では、2012年度末以降に急増したと書かれているので、この2年度を比較すれば、影響が分かるはずである。

2011年度、2012年度、2013年度のいずれの年度でもDPC調査データがあった病院を対象に、白内障の件数の都道府県別合計を比較した結果を下に示す。

白内障 2013年度件数増減比率(2011年度比)
なお地図表記の便宜上、円の端は青系に近づいているが、中心部の色だけで判断してもらいたい。確かに、東京も増えているが、関西地方も増えている。また、東北地方も増加傾向にあるが、九州北部も増えている。

このように日本全国の傾向を見れば、『「仙台周辺で白内障が増えている」のは事実かもしれないが、仙台だけでなく、日本全国で増えている』という正しい認識を得ることができるだろう。

白内障は高齢化の影響が大きいことが想定される。今後も患者は増え続けるだろうが、それを放射線の影響と短絡的に考えるのは疑問である。