CBnewsに重症度、医療・看護必要度に関する記事を掲載いただいた。
詳細は記事をお読みいただきたいが、先日の下記のブログは、この記事の分析に関連したデータだった。
7対1とそれ以外(10対1等)は違うというデータもCBnewsの記事では示したが、あくまでもマクロに日本の医療を捉えた場合であって、患者単位で見れば、客観的な違いを示すことは困難だと思っている。
先日のブログに書いたとおり、一物二価を解消することを真剣に考えるべきだと思っている。自分が制度設計に携わっていたら、看護配置の基準を撤廃し、DPCのベースの点数(階段状の点数)に、収集した看護必要度のデータに基づいた加点・減点を全国一律で行えば良いと思っている。同時に機能評価係数Ⅰの7対1の係数は廃止。例えば、2型糖尿病の看護必要度はかなり低いのだが、こういった疾患は、階段状の点数が下がる。大腿骨頸部骨折であれば、入院初期は看護必要度がそれなりに高いのでDPCの点数を上げ、一方、入院後期はほぼ看護必要度を満たさないのでDPCの点数を下げる。7対1入院基本料を算定していた分が財源となるのであれば、相当なメリハリをつけることができるのではないだろうか。
このような制度になれば、いかに早く看護必要度を下げることができるか、つまりアウトカムの向上の取り組み自体に、ポジティブになれる。現状は、離床しなければ看護必要度を満たすという制度のため、改定で厳格化すればするほど、離床を早める意欲を削ぐことになりかねない。
どうだろうか、7対1を廃止する案。以前下記のCBnewsの記事でも述べたとおり、7対1を廃止するのであれば、再入院の評価等の仕組みを入れなければならない。
あるべき議論はアウトカムを高めるための評価の厳格化であり、限られた財源を抑制するための評価の厳格化ではないはずだ。後者の色が濃くなればなるほど、いたちごっこのように厳格化を免れようとするように感じる。(前者の色が濃いのであれば、看護必要度の厳格化にしても、看護必要度の該当患者割合の高い病院が、いかに他の病院に比べ医療の質が高いかという点にフォーカスがあたるはずである)
・・・とここまで書いたが、一気に7対1の配置要件をなくすと、看護師の確保等について読めず、影響が甚大すぎるので、この案が無理なことは承知している。万が一可能性があるとしたら、25%の基準をやめ、看護必要度の集計結果に応じたDPC点数の調整を行うことだ。これなら混乱も生じにくい。また、看護必要度を満たせない理由で、急に経営悪化することも避けられる。CCPマトリックスの概念に看護必要度を足すのでも構わない。結構、いい案だと思うのだが・・・。