2017/05/25

看護師を始めとした医療者の貢献を適切な報酬に。厳格化は慎重に議論すべき

CBnewsに記事を掲載いただいた。


看護必要度データの分析結果を交えながら、乱暴に厳格化をすれば、今、現場が連携で一番苦労している高齢者にしわ寄せが言ってしまう可能性を述べた。

特に社会的事情が影響しなかなか転院・退院ができない患者については難しい状況にある。ただ、記事には書かなかったが、退院調整加算→退院支援加算など、連携強化の取り組みを後押ししてきた時代的な流れを考えると、「まさか何も準備してないわけはないよね?」「財源は厳しいから悠長なことは言ってられないよ」というような現場から距離がある人達の考えていることも透けて見えてくるだけに、ある程度の厳格化は覚悟しなければならないだろう。

そして、看護必要度の影響は、病院で見ている患者の病態によって、千差万別であることを述べた(データで見たのは、その一端でしかないが)。従来から繰り返し述べえいるとおり、疾患と病態である程度看護必要度が決まるだけに、厳格化は全国の病院が一律厳しくなるのではなく、特定の病院が壊滅的ダメージを受けることが想定される。(厳しくしすぎれば、その範囲が広がるだけで、影響がないところはいつまでも問題なしである)

そもそも厳格化の議論の目的が「急性期病床を減らすこと」にある(明言していなくても、資料等から、そう読み取れる)のが厄介だ。「適切な報酬分配と患者負担」ということが目的になっていれば、厳格化以外の方法(1入院包括化や効率性係数の比重向上など)とどちらが医療体制を壊さずに目的を実現できるかという議論になると思うのだが・・・。

いずれにせよ、看護必要度の議論は、これから本格化してくるだろう。そこで、別の機会に、厳格化で高いハードルが設定されれば病院がそれを超えようとするいたちごっこの繰り返しになる改定よりも、現場の負担を診療報酬に適切に反映できる手法について、整理し述べてみようと思う。そのアイデアの断片的なものは、下記に書き留めている。ご参考まで。