2017/06/21

回リハは高回転化が重要になるはず

回復期リハ病棟の点数は高くない - CBnewsマネジメント 回復期リハ病棟の点数は高くない - CBnewsマネジメント
いつもどおり大幅な校正は入っているのだが、無事、CBnewsに記事を掲載いただけたようだ。回リハの点数が高いか否か、という問いに対する答えは「高くない」であることを述べた。

とはいっても、現状の回リハに問題がないわけではない。問題は大きく2点。

1.在院日数の妥当性(入院での集中的なリハビリテーションの提供の妥当性)

病棟単位での在院日数の差異は、脳血管系の患者割合に左右されるため、なかなか評価が難しいのだが、先日ボツにしたグラフで示したように、療養病床から回リハを届出ているところと、一般病床から届出ているところで、在院日数に違いが見られた。疾患構成の影響以上の差異になっている。療養病床ベースのところほど、稼働率優先の運営をしている可能性が否定できない。この在院日数を延ばしている部分に対する回リハの点数に対し、高いか否かを問われれば、非常に厳しい判断となるだろう。回リハ1でその評価を行うアウトカム指標が導入されていることは、この部分に対しメスを入れていると言える。

2.転院と院内転棟の医療資源投入量の差異

医療資源投入量については、記事でも述べたが、大規模なデータによる評価が欲しいところだ。回リハも高回転化すると、リスクの高い患者を診る比率が高まる。何らかの手当が必要だ。ただし、記事で述べなかったこととして、転院の患者と院内転棟の患者では、そのリスク・コントロールが異なっているのでは?と考えている。院内転棟は、リスクを慎重に判断し、急性期から回復期リハ病棟に送っているはずだ。一方、転院の場合は、むしろリスクのある患者ほど優先して別の病院の回リハに送ってきていることもありえるだろう(露骨にそんなことをしている病院はないだろうが)。この判断は相当難しく、自分の範疇を超えているため断念したが、ぜひ中医協の場で議論してもらえると、医療機関にとっても、患者にとっても、よい診療報酬制度になるのではないかと思っている。

というわけで、中医協の議事録を読んでないので、はっきりは分からないが、支払側の委員も「回リハが高い」と言わずに、1のような具体的な指摘をしていたら、稼働率優先の回リハに対し厳しい評価を下すことができ、かつ、その手法も回リハ1のアウトカム指標の拡大・厳格化という流れも明確になったのではないかと思うのだが・・・。

こんなことを考えていたので、先日の在院日数の比較や稼働率の比較を入院料やベースとなった病床種別などで行っていたわけである。そんな検証を病床機能報告のデータから行えるのだ。なかなか便利な環境である。

先日の検討記事⇒ 病床機能報告から回リハの実態に迫る・・・のは難しい