2017/06/30

診療報酬は増やせない時代だからこそ、現場負担軽減を

「シンプルな報酬制度」と「きめ細やかな評価を反映した報酬制度」は相反する。そして、財源が不足する環境下では、最小公倍数的な「シンプルかつ大盤振る舞い」的なことは無理である。

だからこそ、限られた財源を効率的に活用しようと次期の診療報酬改定に向けた議論が活発化している。

ただ、その現場の負担を適切に評価する目的で、調査票やアンケートを出せ、現場のデータを取れ等、現場の負担を増やしている側面があることを忘れてはいけない。このような調査は、厚労省から来るものだけでなく、各業界団体や学会からも依頼が来る。

昨今、過重労働、超過勤務の問題が話題になっていることもある。今一度、現場の負担軽減策を考えるべきときではないだろうか。

以前も書いたが、看護必要度のデータは、EFファイルから機械的に抽出できる項目(今月上旬の各医療機関に送られてきた「Hファイル整合性チェック」での指摘事項から、その一端が垣間見える)もあるし、単価(下記グラフ参照)や疾患、年齢とリンクする部分も多い。

A項目2点以上割合と日別入院単価の関係

わざわざ看護必要度を評価しなくても、負担を反映した診療報酬制度は作れるように思う、看護必要度の評価はDPCの機能評価係数Ⅱに織り込むようなイメージで。DPCに参加していない病院は従来通り、看護必要度の評価が必要とすれば、7対1・10対1の病院は、皆、DPC制度に参加するのではないだろうか。DPCと出来高が選べることの問題の解消も進むかもしれない。