2018/03/01

暫定調整係数のゾンビ化 激変緩和係数はそこそこ大きい値に

暫定調整係数が大きいところは、実質的にこれまでの暫定調整係数である「激変緩和係数」が付与されるため、入院収入に対する影響は一定の範囲内に収まる想定である。

・・・という内容をシミュレーションしたものが、下の結果である。

2017年度機能評価係数Ⅱ・暫定調整係数ベースの2018年度係数変化の試算結果

様々な前提条件※を置いてしまっているので、係数変化の上限・下限はサチってしまっている(と書いたが、「サチる」は一般用語ではないですね。頭打ちになるような意味です)。

激変緩和係数は、大きな値がついていることが推測される。そのため、暫定調整係数の廃止により経営に大きなインパクトが生じるのは、来年ということになるだろう。重症度係数が暫定調整係数のゾンビだと下記のレポートでMMオフィス工藤氏が述べているが、今回の激変緩和係数もまたゾンビと言えるだろう。

DPC効率性係数をメジャー5疾患で深掘り - CBnewsマネジメント DPC効率性係数をメジャー5疾患で深掘り - CBnewsマネジメント
なお、上記のグラフから、今回の改定は、係数が増えた病院の方が多いように感じた。実際、個別病院の数値が公表されないと分からないが、興味深いところだ(ブラックボックスゆえ、この辺は、毎度、よく分からない)。

前回改定のときは、想定よりも、係数が増えなかった(下記レポート参照)。

よくある機能評価係数Ⅱへの疑問 - CBnewsマネジメント よくある機能評価係数Ⅱへの疑問 - CBnewsマネジメント

もしかして、帳尻をあわせた? まさかとそんなことはないと思うが、ブラックボックスなので、真実は分からない。

※ 様々な前提条件とは、DPC算定病床数を参考に包括対象の入院料を想定し、係数に関する「財源」を計算している。「財源」が一定であることを仮定し、2017年度の係数をベースに2018年度の係数を試算している