2018/06/07

中小規模の療養型病院はV字回復どころか厳しいまま

先日、CBnewsの記事を読んだ。

医療法人立の「療養型病院」V字回復 - 医療介護CBnews 医療法人立の「療養型病院」V字回復 - 医療介護CBnews

果たして本当だろうか?? 正直、実感がない。

そう思ったので、基のデータから、病床別の経常利益率の推移についてグラフにしてみた。

療養型病院(医療法人) 経常利益率推移
出所:厚生労働省 医療施設経営安定化推進事業(2012-2017年度)を基に作成
※300床以上は300床台、400床以上の施設数に応じた平均値

平均の経常利益率でみれば、確かに回復したと言えるのかもしれない。ただし、大きく回復したのは200床台・300床以上だ。

100床未満は回復していないどころか、むしろ悪化している。

療養型病院の黒字・赤字の比率でみれば確かに劇的な回復だ。しかし、現場感としては、2016年度改定以降も民間の中小規模の療養病院の経営は厳しかった印象であり、その実態は、この作成したグラフが適切に表していると思う。

つまり、記事は間違っていないし、その基の報告書も間違っていない。しかし、実感と異なるのは、データ処理のマジックかもしれない。このマジックを悪用すれば(決して悪意はなくても)騙すこともできる。※時間ができたら悪用する例を示してみたい