色が上から下に薄くなっている。つまり、年々利用率が下がっているということ。これは、これまでのセミナーや執筆記事でも、都道府県ごとの数値を折れ線グラフで重ねるとみな「右肩下がり」であると述べてきたとおり。
ヒートマップにしてみて、一部の年度に横筋が見える気がする・・・。(≒とある年度で同じ変化をしている) 例えば、17年度・18年度・19年度あたり。
病床利用率(全病床)の推移 横軸:都道府県コード(0は全国計)、縦軸:年度(平成) 色:濃(利用率高)⇔薄(利用率低) 出所: 病院報告のデータを基に作成 |
そこで、年度の軸で微分。傾きをグラフに(下図)。18年度・19年度に赤い帯が見えてきた。全国的に利用率が下がったことを意味している。
病床利用率(全病床)の対前年度変化率の推移 横軸・縦軸:上のグラフと同じ 色:青(増加)⇔赤(減少) 出所: 病院報告のデータを基に作成 |
平成18年度は7対1導入の改定があった年。看護師確保が課題となった病院などでは、病床稼働の適正化を図ったものと思われる。経営的に極めて厳しかったと思われる。
なお、平成22年度のところには青帯が見える。これは利用率が上がったことを意味している。プラス改定だったこの年は、病床利用率もプラスに働いた。また、23年度の一部の県(福島など)に濃い赤が見られるのは東日本大震災の影響だろう。
情報の可視化は、気づかなかったことに気づくきっかけにもなる。