昨日のブログで触れた音声入力。導入が進んでいる。ツールを販売している代表的な会社であるアドバンスト・メディア社の決算説明会資料を見てみると、前前期・前期と大幅に導入施設数が増えた。
株式会社アドバンスト・メディアの音声入力導入医療施設数推移(薬局を含む) 同社の決算説明会資料を基に作成 (横軸、年しか表示してないから間隔がおかしい。どの点も◯◯年3月時点、のタイミングなので、なんとなく察してください・・・。雑ですいません) |
個人的には、同社は、CTIでの導入で業界をリードしているイメージだった(10数年前、そういった調査をしていた)ので、医療業界での導入施設数の多さを知ったときに、正直、驚いた(知ったのは、もうだいぶ前だが)。
ちなみに、導入=ゴール、ではなく、そこから、試行錯誤となるのが一般的である。試行錯誤は、先行している医療機関の取り組みを参考にするのがよい。
「医療勤務環境改善マネジメントシステムに基づく医療機関の取組に対する支援の充実を図るための調査・研究報告書」(リンク先のPDFファイルは36MBと巨大なので注意を https://iryou-kinmukankyou.mhlw.go.jp/outline/download/pdf/292627163bd513b3d2e76ed153e121126d38cfcd.pdf)に具体的に書かれている。
そこから、HITO病院の内容を抜粋する。PC+マイクでは浸透せず、iPhoneで入力するようにしたとのこと。なるほど。
据え置き端末が少なく、かつ多職種(医師、看護師、薬剤師等)が共同で利用するため、速やかなカルテ記載に支障が出ていたことが一因である。先行して PC+マイクによる音声入力システムは導入済みであったが、PC が必要な限り医療スタッフには浸透しない。そのため、iPhone に移行するタイミングにあわせて iPhone からの入力システムに切り替えるべく、メーカーと調整することとなった。
この取り組みは、以前、日経メディカルでも記事になっていた。
「1人1台のiPhone」から始める働き方改革:日経メディカル
上述の報告書から、同じくHITO病院の記載。
キーボード入力と異なり、音声で入力する場合には、入力内容の全体像を予め頭の中で整理してから話し始めないと代行入力者が上手く入力できない。また、代行入力者に間違いを指摘されるのを恥ずかしく思う職員もいたため、最初は音声入力がなかなか浸透しなかった。音声入力のデモを行いスタッフ間で使用方法について協議したり、音声入力に時間を要している場合には適宜個別指導を実施する等により、全ての日常診療について音声入力を徹底することができた。
音声入力は恥ずかしい・・・ですよね。こういったハードルをクリアした病院の話を参考にしない手はない。
なので、結論は、医師事務作業補助者の活躍の場はもっと広がる、ということ。そのためにも、下記の記事、読んでいただけるとうれしい(記事へのこじつけ感と、くどさが・・・)