「残薬や飲み忘れを防ごうと、家で余った薬を入れてもらう特製バッグを高齢者の方や認知症の患者さんに手渡しています」。
クオール薬局高輪店の藤平智子さんのアイデアだそうだ。
残薬には、処方薬から大衆薬まで様々あるらしく、それらを全てチェックし、副作用を防いだり、バッグの残薬から期限前の薬を取り出してその患者に再度処方し、医療費削減にもつなげているとのこと。
ここまででも十分素晴らしいのだが、とりわけ素晴らしいのが次のポイントだ。
「病院を受診する前日に患者の自宅へ直接電話をかけ、バッグを持ってきてもらうよう伝えている」。慢性疾患を抱える高齢者は定期的な受診が増える。そして、医療機関受診時に次回の予約を入れることが多い。つまり、この薬局では、処方するタイミングで、次の受診日を聞いておき、受診日前日に電話しているのだろう。
『かかりつけ』とはこういったことなのかもしれない。記事によると、特製バッグと電話のおかげで、残薬が減っただけでなく、受診日を忘れなくなったらしい。
後者は、とほほ、と思ってしまうが、受診忘れが一定数あるのも事実で、医療機関としても助かるのではないだろうか。
病院と薬局の結びつき。これまでは門前のお付き合いであったが、これからは純粋な価値で、病院が薬局を評価するようになるのかもしれない。