ロボット支援手術の話題。
次回改定で一気に適用が拡大される。胃がんや肺がんなども適用になる。「ダヴィンチ」手術、一挙に12件を保険適用へ | m3.com
ただし、懸念していたとおり(以前のブログ参照 習熟を要するロボット支援手術に対する評価は厳しい)、点数は既存技術と同程度になるらしい。
下記は、冒頭のm3の記事の一部を引用した。
現時点では、既存技術と比較した優越性についての科学的根拠が確立されていないが(中略)報酬上の評価は既存技術と同程度とする方針
診療報酬とは別の切り口で、以前、ロボット支援手術はデータ的に興味深いという話を述べた。
ロボット手術(支援手術)は、知らず知らずのうちに人間の技を盗もうとしているのかもしれない |
昨日のニュース記事によると、アドベンチストヘルスシステムでは、ロボット支援手術のスキル評価と改善が、データ分析により加速しているらしい。
Adventist Health System Leverages Analytics to Improve Surgeons’ Robotic Surgery Skills and Performance | Healthcare Informatics Magazine | Health IT | Information Technology |
> Conversions from robotic to open surgery dropped by more than half after a surgeon received 10 or more C-SATS assessments (5.3 percent to 1.6 percent) ロボット支援手術から開腹手術に移行する割合が下がった
> Incidents of blood loss greater than 500ml during robotic surgeries dropped (2.4 percent to 0.7 percent) after a surgeon underwent 10 or more C-SATS assessments ロボット支援手術中500ml以上の出血患者割合が下がった
> Median surgery time reduced by 22-23 minutes in laparoscopic hernia repairs (ASA Class I-II and III-IV) after C-SATS assessments ヘルニア手術の術時間が中央値で22~23分短縮した
ロボット支援手術に対し、次回改定で高い点数が付くことは期待できない。しかしながら、保険適用となる術式が拡大することで、質の向上等のデータ収集が加速していくことに期待したい。さらには、上記のアドベンチストヘルスシステムの取り組みに参加するといった、グローバルな視点で、質向上の流れに乗れることができたら、さらにその次の改定では、診療報酬の引き上げにつながるかもしれない。