日経ビジネスの特集。
鉄道の岐路 民営化35年 JRの試練:日経ビジネス電子版(2022年10月3日号の特集)
以下、JR西日本の社長インタビュー記事から、一部引用。
――検討会が示した「輸送密度1000人未満」という協議会の設置基準をどう見ますか。
検討会の提言は「輸送密度1000人以上は問題なし」と言っているわけではないと思います。1000人未満はもう待ったなしの状況だということ。当社としては輸送密度2000人前後の線区も自治体と議論していきたいと考えています。根本的な問題として、何十年もかけて、自動車に適した町づくりの政策が取られてきたわけです。マイカーよりも鉄道のほうが便利な世界をつくるのはもう難しい。マイカーを補完する公共交通は必要ですが、それが鉄道であるべきなのか。廃線にするかどうかという視点ではなく、どの輸送モードが一番効率的なのかを議論すべきです。
424病院(当初の公表後に修正あり)リストの議論と似ている。
鉄道と医療。インフラをどう整備するかは、赤字・黒字だけで議論できない。でも赤字も無視できない。
日本海ヘルスケアネットの栗谷代表理事の財界10月5日号のインタビュー記事の見出しには下記の言葉がある。
地域で必要なら赤字の機関でも維持させる。黒字の機関とバランスよく同居させることが大切
この考え方は、先日のブログ(「ご利用の少ない線区の経営情報を開示します」をどう読むか)でも書いたとおり、鉄道の運営にからめ、今年度主張していることだ。
冒頭の日経ビジネスの特集に出てくるのが、BRT(Bus Rapid Transit)である。これまで乗ることがなかったのだが、先月の連休で多少移動に余裕があったので、乗ってきた。
以下、完全に趣味?
青森から、青い森鉄道、JR八戸線、三陸鉄道を経て、盛から大船渡線BRTに。
盛から東京までの乗車券 BRT区間を含むマニアックな経路を発券してもらった。青森駅の駅員さんに感謝 |
大船渡駅そばの踏切 三陸鉄道(写真奥の列車・線路)とBRTの道路(手前)が並走している |
BRTの車両。説明がなければ、ただのバスにしか見えない |
BRTは、専用道路を走る区間では渋滞に巻き込まれることもなく、定時性、速達性が確保される。一方、一般道路を走る区間では、柔軟なルート設定や駅の配置が可能といったメリットがある。
例えば、岩手県立高田病院に乗り入れていることはBRTのメリットを活かしているケースだろう。
高田病院に寄るBRT車内から病院を撮った様子 |
さらに気仙沼線BRTに乗り換え、柳津まで乗車。
気仙沼線の南三陸町役場・病院前駅から 南三陸病院を撮った様子(ブレブレ・・・) |
石巻を経由して、仙台から新幹線で東京に。青森から仙台まで1日近くかかった。ちなみにその翌々日に、また仙台に行くことに。だったら、仙台で泊まっていればよかった(そんな予定になったのは台風のせい)。
鉄道の旅は、趣味と実益を兼ねて・・・といつも言い訳している。しかし、今回はしっかり兼ねられたのでは、と思っている。たとえば、BRTが一般道を走っているときに事故渋滞に巻き込まれたり、現地で実際に乗ってみなければ経験できないことを経験できた。