2023/05/25

専門性を発揮し、患者の病態変化に気づくには

看護師が患者のちょっとした変化に気づき、医師などと情報共有し、適切な診断・治療に至る・・・といった話は珍しくない。これは薬剤師や管理栄養士、リハビリセラピストなども同じで、なるべく患者のそばにいることで、変化に気づくことが可能になる。

薬剤師は、院内処方から院外処方へのシフトにより、調剤室から病棟へ、その活躍の場を変化させている。リハビリセラピストもリハ室からベッドサイドへ、そして、管理栄養士も厨房から病棟へ、その場所を移動させている。

とは言え、管理栄養士はまだまだ積極的に病棟配置をしておらず、配置をしているところは限られている。このような実態について、統計データや病床機能報告のデータから可視化し、今後どうなるのか、どうあるべきか考えてみた・・・というのが、今回のCBnewsの記事。

厨房から病棟へ、管理栄養士の病棟配置要件化を考える - CBnewsマネジメント

記事では診療報酬改定の内容次第で、急速に管理栄養士の病棟配置が進む可能性を示した。配置の重要性を鑑みれば、今から何をしたらよいか、自ずと見えてくるのではないか、というのが今回の結論。お読みいただけると幸いだ。

2023/05/11

●■%の病院が脱落するから基準を◎から△に変えよう!

そんな改定をして、誰が幸せになるのか?

基準をクリアできた病院は、満たせなかった病院を尻目に「うちはクリアできた、よし!」と感じるだろうか。

基準を満たせなかった病院に入院した患者は、「受ける医療に見合った費用負担になった。すばらしい」と感じるだろうか。

保険者は、●■%の病院が脱落して、保険料の財源が守られたと感じるだろうか(感じそうだな・・・)

前回改定では、看護必要度について様々な議論がなされたが、最後、4つの案が示され、公益裁定で案3になった。その4つの案のシミュレーション結果のうち、基準を変えない場合の脱落する病院割合をグラフにした(下図)。

中医協資料を基に作成

案3と案4のどちらが適切かはよくわからない。案4は影響が大きすぎ、案3が落とし所と受け取れるような結論になった。

こういった決め方は、22年度改定に限らず、過去の看護必要度の改定はどれも似たようなものだ。たくさんデータ分析した資料が出てきて、それに基づき議論したところで、全然科学的でない。

という現状に対するアンチテーゼ的な意味合いで、下記の記事を書いた。

看護必要度、骨の手術の評価は6日間が妥当? - CBnewsマネジメント

ただ、これで「そうだよね。看護必要度の議論は科学的でないよね」とみんなで慰めあったところで、おそらく次の改定も、何%の病院が脱落する・しないで議論をする。なので、どういった対応をすべきか考える内容で締めくくった。