2020/09/30

看護師離職率を「採用後1年以内と全体」「病床規模差」「地域差」の切り口で考えてみた

日本看護協会の病院看護実態調査のデータから、離職率のデータをどのように見たらよいか、考えてみた。

有効な看護師離職対策はデータから示唆される(上) - CBnewsマネジメント 有効な看護師離職対策はデータから示唆される(上) - CBnewsマネジメント

対策の話は後半に。もったいぶってしまい申し訳ない。文字数が大幅に超えてしまいそうだったので、区切りのよいところでまとめてしまった。

肝心の後半はイメージこそあるものの、次回の原稿はまだ出来上がっていない。今週末あたりにしっかりまとめようと思う。

2020/09/17

働き方改革の推進で参考になる記事・動画

Twitterでの昨日のつぶやきについて。

日経ヘルスケア2019年4月号の特集『見えてきた「医師の働き方改革」』では、対策3で「総合医が院内の診療体制を効率化」を紹介している。ご存知の方もいるかもしれないが、この記事に関連した話題を色々な病院でしているのだが、たまたま調べ物をしていたら、下記のセミナーとその動画を見つけた。非常に参考になったので、思わず、つぶやいた。



Twitterはニュースを探したり、プログラムのバグ取り中などの愚痴をつぶやいたり、自分の執筆記事を紹介したりするくらいだが、たまには役立ちそうななものを紹介してみた。

2020/09/16

損益分岐点の絵くらい入れればよかったか・・・。ま、いっか

 CBnewsに新しい記事を掲載いただいた。

今を見直しのチャンスと捉え改善を果たした病院事例 - CBnewsマネジメント 今を見直しのチャンスと捉え改善を果たした病院事例 - CBnewsマネジメント

新型コロナに直接関係する分析は、クライアント向け以外には行っていない。公開データから示唆を得ることが難しいなどの理由であり、またクライアントのデータ分析から得られた示唆を記事にすることなどもしていない。
(Twitterのつぶやき分析や、オンライン診療の対象医療機関の分析など、若干毛色の違う分析はあったが・・・)

今回の記事ではまず医療費の動向データを分析した。

都道府県別の医療費の変動と人口密度の関係を見て考えた。言いたいことは地域差があるということ(え、それだけ?? はい、それだけです)。中医協の議論でコロナの影響をどう考えるかが話題に挙がっていた。地域差なども含め、完璧に公平に影響を考慮することは不可能だろう。(なので、違う切り口での対応も考えるべきというのが持論。過去のブログをどうぞ⇒ 異常危険準備金。参考にしてもいいのでは


記事後半では、管理会計上の損益分岐点を下げる取り組みについて述べた。

稼働が下がったときだからこそ、損益分岐点を下げることに注力すべきである。損益分岐点を下げるには、記事で触れた方法以外にも、人件費(医療機関における固定費の多くを占める要素)を下げる方法もある。医療機関で働くスタッフの多くが、スキルや経験をあまり必要とせず、人材が流動的で雇用が容易であれば、一時的に給与を下げるのもアリだ。しかし、スキルや経験を必要とする職種が多く、辞めてしまえばすぐ他に行ってしまう。それゆえ、人件費を下げれば、その先に待っているのは・・・。 というわけで、改めて、損益分岐点を下げる取り組みについて、記事を読んでいただければ幸いだ。

2020/09/14

日経ヘルスケアに寄稿したレポート、日経メディカルonlineでも読めます

(9/16追記 地ケア・回復期の記事へのリンクを追加)
 よろしければどうぞ。


【急性期入院】「救急」「手術」により重きを:日経メディカル 


【回復期入院】入院料のランクダウンも視野に:日経メディカル

編集の力で、自分で書いた原稿とは思えないほど、うまくまとまっている。グラフもきれいになっているし。

日経ヘルスケアやCBnewsで掲載いただくレポートを見るたび、編集者のすごさと、自分のダメさを痛感する。世の中には、ほとんど直されない人がいることを知っているだけに、反省しているのだが・・・。

2020/09/11

タスクシフティング推進の障壁を壊せるか

医師事務作業補助者の加算点数の伸びは、人件費を十分まかなえるようになっていることから、給与に反映できるところはよりよい人材確保に、反映できないところは確保が難しくなるということを、先月のCBnewsの記事で述べた。

医師事務作業補助者の確保、競争激化への転換点が到来 - CBnewsマネジメント

2020年度改定では、麻酔管理料(II)に次の文が加わった。
担当医師が実施する一部の行為を、麻酔中の患者の看護に係る適切な研修を修了した常勤看護師が実施しても差し支えないものとする。

医師事務作業補助者などをはじめとした他の職種への、医師からタスクシフティングはますます重要になる。そのとき、看護師や薬剤師といった専門性の高い、スキルの高いスタッフは、様々な領域でタスクを受けられるだろう。この麻酔管理料は、その象徴的な改定である。

麻酔専門の看護師はアメリカなどで活躍している。麻酔専門の看護師になるには2年以上かかるのが一般的なようだ(下記はその一例)。
The Master of Science in Nurse Anesthesia Program is for RNs who hold a bachelor's degree and wish to become certified registered nurse anesthetists (CRNAs). It is a 27-month, full-time, front-loaded program that includes a clinical anesthesia residency. Masters in Nurse Anesthesia | Columbia School of Nursingから引用

フルタイムで2年以上かけて学ぶには、金銭的な負担に加え、強い意思・高いモチベーションが必要だと思うが、その先には、高いスキルを医療現場で発揮できることに加え、それ相応の報酬があるのも事実のようだ。

下のグラフは、アメリカの看護師の年俸分布だ。麻酔看護師の中央値は1800万円程度(1ドル106円で計算)。正看護師(中央値750万円程度)の倍以上だ。同様にナースプラクティショナーもかなり高い。日本もすぐにでも同じにすべき・・・とは思わないが、なかなか大きな違いである。
 


同じく薬剤師の年俸分布。薬剤師は人数の比率も見て欲しい。薬剤師31万人に対し、テクニシャンが42万人いる。薬剤師とテクニシャンで業務分担しているから、薬剤師は年俸が高く、テクニシャンは低い。


病棟で対患者業務を中心にしている日本の薬剤師は、(そもそもの給与水準が違うから単純比較はできないとはいえ)1300万円くらいもらって然るべきなのでは?と思ってしまう。

なのに、病棟薬剤業務実施加算の届出は制度上難しい病院がある、その加算の点数が低いなど、薬剤師の報酬につながる原資となる診療報酬が少ない・・・といったことは、8月上旬のCBnewsに書いた。


財源がいくらでもあれば、「点数をあげれば、タスクシフティングが進められる」かもしれない。当然、財源には限りがある。では、どうしたらよいか。診療報酬制度の改定を待つのではなく、今できることを考えると、制約があるものの色々アイデアが浮かんでくる・・・。

2020/09/08

社内ディスカッションメモ その2

前回に続き、社内ディスカッションのメモ。下記リンク2つがディスカッションネタ。

公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引の策定について(通知)(平成27年1月):文部科学省 

学校規模の適正化及び少子化に対応した学校教育の充実策に関する実態調査の結果について(送付)(平成29年3月31日):文部科学省


上のリンクの通知にある手引の6章(3)統合困難な小規模校への支援の充実、から一部抜粋。

複数校間で教員を併任させることにより免許外指導を解消するといった取組や、加配を活用して力量のある教員が小規模校間を巡回して若手教員とティームティーチングを行うことにより、教育活動の充実と若手教員の資質能力の向上を両立させるシステムを導入するといった取組も考えられます


これと同じようなことを、病院でも始めているところがある。色々参考になる。

2020/09/06

社内ディスカッションメモ

テレビ会議で実施した社内ディスカッション。
これはそのネタ。

神戸新聞NEXT|東播|本社移転、背景に人材とバス網 「業務スーパー」の神戸物産、加古川へ 神戸新聞NEXT|東播|本社移転、背景に人材とバス網 「業務スーパー」の神戸物産、加古川へ

会社、行政、市民。それぞれの視点で同じ記事を読む。

以前、同じような考えで見たのはこれ。
両備ホールディングス 地方バス路線網維持・発展に向けた特設情報サイト |


個人的事情もあり、経過を見ているのは、下記の件。

済生会加須病院建設情報 | 済生会栗橋病院 済生会加須病院建設情報 | 済生会栗橋病院 
新聞記事などで経緯をたどれる。

Google Mapでみたら、ストリートビューでも工事が始まっている様子がわかる。
県道38号 - Google マップ 県道38号 - Google マップ

難しい。市民の目線でも、移転してくる加須市民と、移転されてしまう久喜市民で、見え方が異なる。しかも、久喜市民でも、合併前の栗橋町民とそれ以外ではまた違う。

正解はない。

2020/09/03

認知症ケア加算3は「撒き餌」点数として条件を緩めるべき

認知症ケア加算の記事。

ケアの必要な病院ほど届出が難しい「認知症ケア加算」 - CBnewsマネジメント ケアの必要な病院ほど届出が難しい「認知症ケア加算」 - CBnewsマネジメント

もう、診療報酬の施設基準と届出状況を見ていると、中小病院には厳しいことだらけ。医療機能の集約化を期待しているから、仕方ない?と勘ぐりたくなる。

記事では、新しく設けられた中間の「加算2」は良かった、届出してるけど加算1を目指すのは厳しいところでも、2までは目指すべきか。

そして、加算3は、届出する施設をどんどん増やす・間口を広げる点数と捉えるならば、もっと条件を緩和して良いのでは?という持論を展開した。ただ緩和するのは難しいと思ったので、取り組みを対外的に公表することを加え、患者家族などにも認知症の理解を促すことを条件にしてみては、と思っている。

2020/09/01

多くの地域が参考にするモデルケースになるのでは

重点支援区域として選定されていた仙南区域。

地域医療構想の実現に向けた重点支援区域の1回目の選定について 

<重点支援区域(1回目選定)>
宮城県
・仙南区域(公立刈田綜合病院、みやぎ県南中核病院)


 地元の広報誌で、機能再編案と住民説明会のアナウンスがあり、

広報しろいし2020年07月号を掲載しました - 白石市ホームページ

公立刈田綜合病院を守り続けていくために(4-5P) [PDFファイル/1.04MB] https://www.city.shiroishi.miyagi.jp/uploaded/attachment/14796.pdf


昨日の地域医療構想調整会議(調整会議の案内 https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/809301.pdf)でも異論が出なかったようだ。河北新報の記事から、一部、引用する。

刈田、県南中核の医療連携プラン異論出ず 宮城県医療調整会議 | 河北新報オンラインニュース 刈田、県南中核の医療連携プラン異論出ず 宮城県医療調整会議 | 河北新報オンラインニュース
2019年度300床の刈田総合の病床は21年度に199床に。常勤医は25人から18人、看護師は177人から118人、医療技術者は82人から75人に減らす。
稼働状況次第だが、199床化はかなり合理的な判断だろう。役割分担で回復期メインにするとのことで、看護師配置なども大きく見直すことになりそうだ。今後、多くの地域が参考にする取り組みになるのではないだろうか。