2013/06/26

オレンジのかわいい風船を覚えてください

先週末、第18回日本緩和医療学会学術集会http://jspm2013.umin.jp/)に横浜まで行ってきた。みなとみらいの駅を降りるのは3、4年ぶりくらい。ちょうどその日は駅前にマークイズなる商業施設がちょうどオープンした日だったらしい。
MARK IS みなとみらい(マークイズみなとみらい)オフィシャルサイト

学会自体は緩和医療について色々学ぶことが多く、とても良かった。急性期病院においても緩和ケア病棟を作るところが増えているが、院内スタッフや患者・地域住民に対し、緩和ケアの理解浸透が益々重要になってきているように感じた。

『緩和ケア.net(http://www.kanwacare.net)』というサイトをご存知だろうか。
ここでは 患者・患者家族・一般の方向けと、医療関係者向けのそれぞれの視点で情報がまとめられている。病院のパンフレット置き場などで、下のオレンジ色の風船の絵があるチラシを見つけたら、ぜひ手にとって見てもらいたい。

この風船が書かれたチラシを見かけたら、ぜひ手に取ってください!!


かわいい顔の裏側には「おぼえてください『緩和ケア』」の文字が
難しいことを覚えたり、考えたりする必要はない。まず、「多くの人が知る」ことが重要だと思う。

緩和ケア.netはこちら⇒http://www.kanwacare.net

2013/06/22

健康管理はポイントカードで!? 「ヘルスケアポイントの付与」の実証実験が始まるか

日本再興戦略 -JAPAN is BACK- には、医療関連の取り組みが様々書かれている。ニュース等でよく取り上げられる市販薬のネット販売も含まれている。

今後、注目を集めるであろう取り組みのひとつに、ヘルスケアポイントがある。日本人に限らず、ポイント制度は好きな人が多いのだろう。

ポイントカード、平均9.9枚所有 企業の76%がポイントサービスで売上伸を実感:株/FX・投資と経済がよくわかるMONEYzine

先週公表された日本再興戦略 -JAPAN is BACK-(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/saikou_jpn.pdf)のP.63にヘルスケアポイントへの言及がある。
○ヘルスケアポイントの付与
 ・ 総合特区の枠組みを活用し、地方自治体の国民健康保険や企業の健康保険組合等における ICTシステムや健診データ等を活用した健康づくりモデル(予防)の確立のための大規模実証を実施(来年度より)。この取組の中で、ヘルスケアポイント(運動等の健康増進に関する取組・成果に対して付与され、健康・介護サービス施設や地域商店街等で利用するポイント)自体を用いた大規模実証実験を、今後推進する。
大規模な実証実験をするということで、どういう取り組みが有効か、どのようなインセンティブが良いか、議論が活発になるに違いない。

ペナルティーではなく、ポジティブなインセンティブでコントロールするには、即、費用対効果の議論になり兼ねないが、本当にそうあるべきかも含め議論が進むことを期待している。また弊社でも分析等を通じ貢献できるよう努力したい。

2013/06/19

厚生労働省にも農林水産省にも消費者庁にも内閣府にも

仕事柄、厚生労働省のホームページを見る頻度が高いのだが、先日のブログでも書いた食中毒について、厚労省のYoutubeチャンネルにかわいらしい動画があった。



※埋め込みができない動画のためYoutubeのサイトで御覧ください→ http://youtu.be/TI03jn2ElbU

食中毒の予防を周知しているサイトは厚労省以外にも食品安全委員会(内閣府)や農林水産省、政府広報オンライン(内閣府)、消費者庁といった幅広い機関で見られた。余談だが、上記サイト以外にも文部科学省には学校給食の食中毒の話が、そして、上記以外にも外郭団体などが情報発信している例が見られた。

食中毒|厚生労働省
食品安全委員会:食中毒予防のポイント | 食品安全委員会 - 食の安全、を科学する
農林水産省/食中毒から身を守るには
食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント:政府広報オンライン
食中毒に関する情報 | 消費生活情報課 | 消費者庁


つけない!増やさない!やっつける!家族と自分を食中毒から守る予防法 - 政府インターネットテレビ
徳光&木佐の知りたいニッポン!~食中毒から身を守るために!覚えておきたい「知識と心がけ」 - 政府インターネットテレビ

細かな業務まで把握していないので「縦割り行政だ」「無駄だ」と批判はしないが、情報は一本化した方がよいのではないだろうか。業務には細かな違いがあるに違いない。それは致し方ないにしても、情報の窓口くらいは分かりやすくしたほうがよい。


~(おまけ)厚労省のYoutubeチャンネルを見ていて気になった動画~

2013/06/14

電子処方箋やどこでもMY病院構想の実証実験

昨日開示された実証事業の報告書。かなりのボリュームがあるだけに、全部読むには相当時間が必要だが、興味がある人はぜひ。

シームレスな健康情報活用基盤実証事業(平成25年3月)|厚生労働省

電子処方箋については、先日の規制改革会議の答申に盛り込まれたこともあり、急に現実味を帯びてきたが、現場からは、これまでの実証実験などを踏まえるべきだ、といった首相のアドバルーン的な取り上げ方に冷ややかな見方をしている感がある。

電子処方箋「簡単ではない」‐土屋日薬副会長が現状解説 : 薬事日報ウェブサイト
ちなみに、一番のアドバルーンは市販薬のネット販売全面解禁で間違いなく、ここ最近のニュース等メディアへ取り上げられる量が極めて多い。こちらはここまで報道されてしまったことや、すでになし崩し的にネット販売されていることを考えると、発売直後の薬など、除外条件は設定されるだろうが、全面解禁となることはほぼ間違いないだろう。

しかし、処方箋の電子化、航空券のEチケットのように、紙・電子の併用で、徐々に切り替えることはできないのだろうか。

2013/06/11

レーシックとインプラント 今週の週刊ダイヤモンドと今月のZAITEN

自由診療でポピュラーなのがレーシック(視力矯正手術)とインプラント(歯科の人工歯根、デンタルインプラント)。インプラントは整形など他の領域でも埋め込むものをインプラントというが、一般市民に広く知れ渡っているのはデンタルインプラントのことだ。

これらふたつの自由診療に共通するのは、非常にポピュラーで、宣伝が盛んに行われていることだ。自由診療ゆえ、レーシックであれば両目で10万円未満から50万円以上まで、インプラントは1本10万円台半ばから60万円くらいまで、どちらも費用に大きな幅があることが特徴である。しかも、値段は高いものが良く、安いものが悪い、というわけではないのだ。

値段の高い安いだけで品質が決まらないものの一例としてワインがある。ワイン好きに言わせると、値段の割にウマい、高い分すごく美味しい、5年後が楽しみな味、と自分にはさっぱり意味不明なのだが、美味しさは単純に値段に比例するものではないらしい。

ワインは飲んだ瞬間に「あ、失敗したぁ〜」と思ったとしても飲み終われば終了だが、インプラントやレーシックはそうでない。インプラントであれば、歯を埋めた後、何十年も生活する。その中で違和感無く自然に噛み続けられるかが本当の価値・評価である。レーシックも同じだ。直後の視力だけでなく、長期的にストレスなく生活できるか。さらには将来的に老眼になった場合や白内障などの病気になった場合に影響がないか、その価値・評価は非常に長期的な視点で行わなければならない。その治療時点での10万円の価値と、30年、40年といった長期にわたる10万円の意味合いは全く違うはずだ。しかも、繰り返しになるが、10万円が絶対的に品質が悪いということはできない複雑さが伴っている。

さらには「レーシック難民」「インプラント難民」という言葉が浸透してきたほど、治療の失敗事例を聞くようになった。

歯科インプラント トラブル急増の理由 - NHK クローズアップ現代
昨年1月にはNHKのクローズアップ現代でインプラントのトラブルが取り上げられた。
また死亡事故で有罪判決が出たことも記憶に新しい。
インプラントの死亡事故で有罪 歯科医に東京地裁判決 :日本経済新聞
レーシックでは自殺者も出たような情報もネット上では飛び交っている。
このような不安な情報があふれていることには何かしら問題があるはずだ。ただ正しい情報を知りたくても自由診療ゆえ、国すら情報を把握していないなど問題の根は深い。

たまたま今月のZAITENと今週の週刊ダイヤモンドが歯科医の特集をしていた。内容は結構似ている。週刊ダイヤモンドが多少読者寄りの情報提供と問題提起をしているのに対し、ZAITENは辛口の問題提起になっている。

レーシックもインプラントも、それしかない選択肢であるということは少ない。レーシックであればコンタクトレンズも眼鏡もあるし、最近ではオルケソラトロジーもある。インプラントもブリッジや入れ歯だってある。その中で積極的に選択するからには、もっと情報を知るべきだ。インプラントはまずこの雑誌(どちらでもいい)を読むことをおすすめする。余談だが、同じタイミングで似た内容の雑誌が並ぶのは何か法則でもあるのだろうか・・・。

食べ物が腐りやすい時期

関東地方は、梅雨入り後あまり雨が降らず、気象庁は発表を間違ったのでは?なんて思ったが、昨日、今日と梅雨っぽい天気だ。

ウェザーニュースの週間天気予報(ここが一番見やすいように思う)
ウェザーニュースの天気予報によると、関東地方、今週は雨か曇り空が続きそうで、台風も来るようだ。

こんな季節、気をつけなければならないのは食中毒だろう。そんなことを思ったのは、家のパンにカビが生えたからなのだが、ホームベーカリーで作るパンは本当にカビやすい。困ったものだ。

■市販のパンはなぜカビない?? 何か怪しいものが入っているのでは??

それとひきかえ、市販のパンはカビない。ちょっとやそっとじゃカビない。きっとカビさせないためのアヤシイ薬を加えているに違いない!と思ったりするのだが、どうやらそれは都市伝説のようだ。

カビさせないためには、作る工程や保存時にカビの原因が混入しないようにすることがポイントで、大手製パン会社はそれがしっかりしているということらしい。

山崎製パン | ヤマザキからのお知らせ パンのカビ発生メカニズムと保存試験の結果について
確かに自宅で焼いているパンは、台所に置いているホームベーカリーで作っているし、焼きあがったパンは袋に入れて乾燥を防いでいるくらいで、カビないような注意を十分に払っていない。これではカビて当然と言わざるを得ない状況らしい。

冷蔵庫や冷凍庫で保管することで、カビが繁殖しにくい低い温度を保つ等の努力すべきだろう。

■カレーが腐る。温めなおしてもダメ!

学生時代、カレーを冷蔵庫に入れ忘れ、あやしいな・・・と思いながら、温めなおして食べたものの、ホームラン級の大当たりをしたことがある。当時は冷蔵庫に入れなかったことが原因だと思っていたがそんな単純な話ではないのだ。実はこっそり菌が増え、ちょっと温めなおしたくらいでは菌が死なないケースがあるのだ。

『ウェルシュ菌』で検索してみてほしい(google検索はこちら

いろいろ見つかるはずだ。軽く温めなおしたくらいでは死なない菌もいて、食中毒になるケースもある。これは注意が必要だ。

例えば、札幌市の資料は簡単な文と絵で説明されているので分かりやすい。


また、明日のためしてガッテンでは食中毒が特集のようだ。

放送予定 : ためしてガッテン - NHK

この時期は何かと注意が必要である。防げる病気は情報を積極的に得て防ぎたいものだ。

2013/06/10

次世代統計利用システムは、統計におけるオープンデータの高度化に向けて、総務省統計局と協力し、独立行政法人統計センターが試行提供するシステムです。

ここのところ、オープンデータに関する記事を書いているが、統計センターが公開に向け、新しいサービスを試行してくれることになった。

次世代統計利用システム

API仕様が公開された。これを見た感じ、色々できそうだ。また準備中になっているGIS機能では、googleマップに重ねられる機能も・・・・とある。5月末の総務省発表資料では、指定したエリアのデータを取得できるようなイメージになっているので、かなり使い勝手がよさそうだ。

これまでe-Stat(http://www.e-stat.go.jp)には非常にお世話になっているのだが、今まで以上に期待ができそうだ。

2013/06/08

不妊治療に対する新保険は本当に生まれるか

昨日、金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」で不妊治療に対する保険商品の認めるような報告書をまとめていることがニュースで流れた。

不妊治療の保険商品 認める報告書 NHKニュース
新保険、不妊治療は課題山積 金融審報告書まとめ - SankeiBiz(サンケイビズ)
不妊治療:保険、解禁 新商品、来年度にも−−金融審部会- 毎日jp(毎日新聞)

実際の報告書案(http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/hoken_teikyou/siryou/20130607/01.pdf)を見ても、ニュースのとおり、課題はあるものの、保険が果たす一定の役割はあるという見解が伝わってくる。

逆選択やモラルリスクの問題をどのようにクリアするべきかは、以前ブログで私案にまとめている。ブログは⇒
不妊治療に対する民間保険の活用案 - 医療、福祉に貢献するために

不妊かどうか分からない人しか加入できない時点で、保険としての意味合いがほとんどないように思う。なぜ意味がないのか。すでに販売されているがん保険でカバーされるがんとの比較で考えてみよう。

がん保険は、健康で生活していることが前提で、がんになってしまう事に対し経済的カバーをすることである。がんと診断されたら一時金、という商品があるように、がんにかかったグループに入ることに対し精神的な負担も含めサポートするイベント発生型の保険だ。

不妊保険(便宜上そう呼ぶとする)は、不妊であるという状態は徐々にやってくる。なかなか妊娠しないから、もしかしたら不妊かも、という時点ではまだそれほどサポートが要らない。体外受精の回数を重ねるなどの時間経過とともに精神的・肉体的・金銭的負担はピークに近づく。そして、無事妊娠・出産できれば、それもぱーっと解消されることが多いのだが、子を授かることができぬまま、不妊治療を断念する人も少なからずいる。このとき負担はピークを迎える。不妊保険は、この負担をサポートすべき出口型保険だ。

出口型保険は、出口の直前まで、保険加入できるべきである。(考え方としては終身保険に近い)

不妊の悩みは、不妊の状態からどのように『抜けだすか』、真っ暗なトンネルの先に光が見えないことと、トンネルの脇に出てしまえば(あきらめてしまえば)真っ暗ではなくなるけど負担が非常に大きいことに対する「経済的サポート」が必要なのだ。

なので、不妊と分かる前しか加入できない、費用サポートタイプの医療保険では不十分だと考えている。いつでも加入でき、積立を必要とする保険であるべきだ。逆選択やモラルリスクも軽減できるに違いない。

2013/06/06

オープンデータという大きな流れ

先日、Data.Medicare.govのことをブログで取り上げた。

情報の資源化 ~Data.Medicare.gov、これ、いいなぁ~ - 医療、福祉に貢献するために

やはり情報は資源だと感じているのだが、ちょうど今週のエコノミストに、「経済効果5兆円のインパクト 間近に迫る公共データの民間開放」という記事が載っていた。

週刊エコノミスト 6/11号

弊社は天気情報と医療機関の受診データやtwitterのつぶやきデータを分析できるシステムを構築しているのだが、これも政府がデータを公開してくれたら、大きな飛躍ができると信じている(飛躍するはず・・・。いや飛躍するに違いない・・・かも)

この分析できるシステムの原型はかつてブログで書いた。

湿度低め、気圧高め、風弱め。三拍子揃ったら、激混み!? - 医療、福祉に貢献するために

まだこのシステムのうまい活用ができていないが、色々考えたいと思う。
情報は資源だ。うまく公開してもらい、ぜひ産業を活性化につなげてもらいたい(せめて自分は活性化に貢献するぞっ!!)