2015/02/27

冬は多くの人が亡くなる⇒本当(ただし沖縄を除く)

最近、弊社スタッフが分析している事例を紹介する。

下の図は、都道府県ごとで月ごとの死亡者数が多い月を赤系、少ない月を緑系に塗ったもの。
50番県は全国合計とのこと。1が北海道、47が沖縄県だ。

都道府県別 月別死亡者数割合比較
出所:人口動態統計(2013)を基に作成

一般的に12月、1月に亡くなる人が多く、6月にはあまり亡くならない。ただし、沖縄はあまり色の変化がないことから、季節的な変動が少ないと言えそうだ。

同じデータで似た都道府県のグループを探したもの(色が違っているのはご愛嬌)。沖縄県は確実に他と違う。一方、九州や東北など、地域性でまとまることを想定していたら、そのような単純な結果とはならなかった。一体なぜだろう・・・(これを考えるのが楽しい)。

都道府県別 月別死亡者数割合分析
出所:人口動態統計(2013)を基に作成

さらに細かなデータを分析しているらしいので、結果を待ちたい。

2015/02/24

黄色い矢印の先には、信頼のおけるかかりつけ薬剤師が

今月9日、朝日新聞が報じたくすりの福太郎の薬歴未記載問題。報じた日、ネットのニュースで読んだ自分は、いよいよ組織的な不備が発覚したな、と思い、twitterにつぶやいていた。
かかりつけ薬局という概念が浸透していないことが本質的な問題だとしたら、薬歴やお薬手帳の形骸化はその一面でしかない。この問題、福太郎だけにとどまらず、飛び火しているようだが、問題に対し、前向きな議論がなされ、かかりつけ薬局の意識が高まることを期待したい。

左は、今月名古屋で医療機関や薬局を回っていたときの写真。スギ薬局で見かけた店内の床に書いてあった処方せんコーナーへの誘導矢印。かなり大きく目立つ案内だ。

スギ薬局は、数あるドラッグストアのひとつなのだが、その設立背景や理念からは、地域医療への貢献や調剤重視の姿勢が伝わってくる。このような姿勢は、テレビ番組などでも度々取り上げられているので、ご存じの方も多いのではないだろうか。

それで、この黄色い矢印を見ながら、「もしスギ薬局でも薬歴未記載が出てきたら、本当に終わりだな」と思った次第だ。

しかし、薬歴未記載の問題に対し、患者側から不利益を被った話が出てこない。診療報酬制度に対するインパクトは、未記載自体の問題より、むしろ、不利益の生じない業務であったことが分かってしまったことではないだろうか。

2015/02/23

大学病院の中身の議論をしよう(腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患)

これまで、眼科系、消化器系の疾患を見てきた。今回は泌尿器科系疾患をテーマにしよう。

大学病院らしさ分析結果(泌尿器科系疾患)

これまで同様、オレンジ点は大学病院本院、緑点はDPC病院Ⅱ群、青はそれ以外である。この診断群においては、大半の大学病院が大学病院らしさを保っており、DPC病院Ⅱ群やそれ以外の病院と異なる右側のエリアに集中している。その大学病院が集中するエリアには緑や青の点も見られるが、数は少ない(混じっている点のいくつかはがんセンターなどの専門病院)。

なお、大学病院の中で、もっとも大学病院らしくなかったところは、先月訪問し地域医療機関からヒアリングしてきた北陸地方にある大学だった。この地域は大学・公立・公的の3病院が近距離圏内にあり、切磋琢磨しあっていることが特徴である。切磋琢磨はいいのだが、客観的に機能的な分担が明確でない。さらにはヒアリングした医療者の実感としても、機能分化していないとのことだったので、おそらく機能分化がうまくできていないのだろう。

昨今、群馬大学や東京女子医大のことをニュースでよく耳にする。これらは、大学に対し透明性を高めるプレッシャーをかける良い機会になるかもしれない。

今回は泌尿器科系を取り上げた。他疾患の分析に限らず、今後も様々な情報の可視化にチャレンジしていきたい。

2015/02/20

大学病院の中身の議論をしよう(消化器系疾患)

前回の眼科系疾患に続き、消化器系疾患。

消化器系疾患における大学病院らしさ分析結果

大学病院らしさの全病院のトップには国立がんセンター東病院が来た。がん専門病院の特性を考えれば、納得の結果だ。2位から10位までは大学病院本院(オレンジの点)、もしくは分院が来た。これも納得の結果だ。

そして、大学病院で一番大学病院らしくなかったところは・・・・、んー病院名を出すのははばかられる。正直、医療関係者なら、何となく、「あー、あそこね」と言ってしまうところだ。

でも、これはそのような大学の順位付けをしたいわけではない。大学病院本院であっても、大学病院らしい医療をしているところから、そうでない医療(地域に必要な医療)をしているところまで、様々であることを理解するためには、今後、可視化が不可欠だろう。

大学病院だからという特別扱いは、教育機関であることはもちろん、医療機能分化としても考えなければならない。教育機関としてのコストと、高度な医療を担っていることに対するコストを切り分ける必要があるのは、上記の結果からも明らかだ。

データに基づく可視化は、今後、益々重要になるだろう。

2015/02/18

大学病院の中身の議論をしよう(眼科系)

大学病院らしさ分析の続き。

急性期病院における眼科は、白内障の手術などを多数実施する有名病院や、難しい症例を集める大学病院、そして、どちらでもない普通の病院に区分できる。

ただ、大学病院の中には、白内障の手術が非常に多い病院もあるし、逆に大学病院でない病院でも難しい症例が多く集まっている病院もある。

これを可視化してみた。
MDC02眼科系疾患の大学病院らしさ分析結果
縦軸は症例数、横軸は大学病院らしさの指標。赤丸の大学病院本院は見事なまでに右側にプロットされた。DPC病院Ⅱ群(大学病院本院に準ずる病院)はまちまちだ。

ただし、大学病院本院であっても、その内容は異なり、右から左まで大きな開きがある。同じ年間2,000症例であっても、意味が異なるのだ。左に位置する病院ほど、地域の市中病院で診るべき患者を奪っている可能性が高いとも考えられる。

「地域連携が大事」「これからは競争でなく共存だ」といくら言ったところで、それぞれの病院が経営を意識し、患者獲得に意欲を見せている現状では、なかなか適切な連携体制は見えてこない。特に医療の中核となる大学病院が積極的に患者確保を図っている地域においては、周辺医療機関の弱体化につながりかねない(弱体化しても仕方ないところは、それはそれで仕方ないのだが)。

これらの課題は、件数、患者数だけに頼っていては議論が一向に進まないだろう。医療の内容にまで踏み込む必要があるはずだ。眼科領域は、疾患名である程度診療内容が特定されるため、このように公開データを用いた分析であっても異論が少ないと考えている。

改めて結果を眺めていて感じたことだが、大学病院らしくない大学病院は危機感を持った方がいいかもしれない。実は、大学病院本院だから高い係数を付けるという根拠は脆いのではないか?

2015/02/12

企業イメージの矛盾は長期的に見れば損失に

昨日、アメリカのドラッグストアチェーン大手CVSがタバコ販売をやめた話をした。昨年2月の販売取りやめのアナウンスメントは、Youtubeで見ることができる。

   

また、タバコ販売の取りやめはCVSにとって重要なメッセージであったことが、下記の動画からも伝わってくる。

 


昨日のブログ記事で、日本でも健康に対する取り組みに積極的なローソンあたりがタバコ販売を取りやめたらインパクトが・・・と書いた。

自分はタバコに詳しくないのだが、タバコを吸う知人がこっそり教えてくれた。ローソンは良くタバコのキャンペーンをしているらしい(下記のGoogle検索のリンクを参照)。むしろ販売に積極的ということか・・・。ブランパンなどの取り組みは非常に好感を持っていただけに、やや残念だ。

(キャンペーンの内容などが載っているサイトの閲覧は、ユーザー登録が必要のようだ)

2015/02/11

CVS業績好調、タバコ販売打ち切りの影響は限定的⇒企業イメージ・企業価値を同時に向上させた

「タバコ、売るのやめます」

昨年の2月だった。アメリカのドラッグストアチェーン大手のCVSが、2014年10月までに約7,700の店舗でのタバコ販売を止めることを発表した。

米ドラッグストア大手CVS、全店でたばこ販売停止  :日本経済新聞
米ドラッグストアCVS、10月までにたばこ販売中止へ | Reuters

年間2,100億円近くの売上に貢献しているタバコ販売を止めるのには相当な覚悟を感じた。


その後、計画は順調に進み、何と予定を1ヶ月も前倒し全店で販売を打ち切った。

CVSが社名をCVSヘルスに変更、たばこ販売打ち切り - WSJ


タバコ販売を止めたことで、少なからず業績に影響が出るのでは?と考えていたのだが、結果は予想に反し、非常に良いものだった。

CVS Caremark Q4 Results Top Estimates, Backs Q1, 2015 Outlook - NASDAQ.com

次の記事が分かりやすい。タバコ販売打ち切りによる売上減は予想より少なかったと報じている。
この記事には、Cigarettes Out, Health In の標語が記された広告写真も掲載されているが、今回の取り組みは、企業イメージをより健康的なものとし、企業価値を向上させたと言えるだろう。

CVS Health: Smoke-Less Sales Drag Less Than Expected CVS WBA RAD - Investors.com

株価は順調そのものだ。下記のグラフにはS&PやDowJonesの指標を一緒に載せていないが、それ以上の伸びとなっている。

CVSの株価推移(Google Finance)

飲食店で全面禁煙にする判断が企業価値を上げた等の話を聞くこともある。これは嫌煙者からすればうれしい取り組みであり、売上向上にも貢献しそうな話である。しかしCVSの取り組みはタバコ販売であり、店内でタバコを吸われるわけでもない。それだけに「タバコを販売する」こと自体に目くじらをたてる人もいなければ、販売を止める話も聞くことがなかった。

CVSの取り組みは、企業イメージ向上、企業価値向上につながった。日本でも同様の取り組みは起こり得るだろうか。(ローソンあたりが取り組むとインパクトがすごいのだが・・・)

2015/02/10

病院内にマクドナルドやバーガーキングのあるところ、知ってますか?

Re: Tackling obesity among the medical profession | The BMJ
Burger King in Southampton General Hospital ...

BMJのコメントを読んでいて、まだまだ自分の知らない世界があると感じた。上記サイトのコメント、以下の様な文言で締めくくっている。

If doctors are the role models many people look to for lifestyle advice, and they are traditionally based in hospitals; why is there now a McDonald’s in Guys Hospital, London Bridge, a Burger King in Southampton General Hospital, Southampton, and a new Pizza Hut just opened in Derriford Hospital, Plymouth?(医者は多くの人に生活習慣の指導を行うロールモデルであり、彼らは伝統的に病院にいるのに、なぜ、ロンドンブリッジのGuys病院にはマクドナルドがあり、サウサンプトンのサウサンプトン総合病院にはバーガーキングがあり、そしてプリモスのDerriford病院にはピザハットがオープンしたのだろうか?)
 最近、日本の病院で、コーヒーチェーン店を見かけることが増えてきた。それはタリーズだったり、スターバックスだったり、ドトールだったり。でも、さすがにマクドナルドやロッテリアは見かけない。

半信半疑で、Guys病院やサウサンプトン総合病院を調べたら、確かにどちらもあるようだ。

http://www.arabiangazette.com/mcdonalds-unique-shocking-locations/


Health chiefs to close Burger King restaurant inside Southampton General Hospital | Daily Mail Online

ただ、サウサンプトン総合病院のバーガーキング。上記ニュースによると、やはり風当たりが強かったようで、閉店の予定らしい。ファーストフードを健康的でない、と断定するつもりはないが、日本の病院には、「タニタ食堂」等の展開をしているところもあるだけに、なぜマクドナルドを??と思ってしまった。

昼食を取る時間もないくらい忙しい職員はマクドナルドがあると意外とうれしかったりするのかもしれないが、さすがに健康的とは言いにくいだろう。ところ変われば、おもしろいものだ。

2015/02/09

地域における大学病院と周辺病院の役割分担

大学病院らしさという切り口で、前々回の記事(特定機能病院の取り消しで問題は解決するのか?)で独自の指標化について、前回の記事(大学病院らしさを本院・分院で比較してみた)で本院と分院の比較について述べた。今回は地域における役割分担について考えてみたい。

先月、日本海側のある県にて、地域医療を担っている院長先生との会話の中で、大学病院が大学病院らしくない医療を幅広く手がけているということが話題になった(こちらから話を振ったというのが正しいところなのだが)。

というのも、この分析手法を作ったのは、とある県のため、と言っても過言ではない。日本では大学病院が地域医療における重要な役割を担っているケースが良く見受けられるのだが、あまりにも手を広げてしまっていて、地域の公的・公立病院の運営が苦境に立たされていることがある。さらに言えば、それが引き金となって、民間病院はさらに苦しい環境で運営・経営していることがある。

本来であれば、大学病院には、大学で診るべき患者、というものがあり、それらの患者を中心で診るべきであろう。もちろん、教育的な観点から、それらの患者だけでは困るのだが、地域医療機関との役割分担や研修制度の状況を考えれば、いわゆる市中病院で診るべき患者を、躍起になって大学病院で診る大義名分はない。

しかし、大学病院とて、経営的な課題もあろう。ベッドを空けておくなんて言語道断。必死で患者を集めている。

それが客観的に見たいがためにこの分析手法を考えた。今回は3つの県の事例を見ながら、考えてみよう。(レーダーチャートの見方は前回の記事(大学病院らしさを本院・分院で比較してみた)参照)

まず、分かりやすい例から見てみよう。きびだんご県だ。
きびだんご県

大学がいずれの領域でも「大学病院らしさ」を発揮している。一方で、公立・公的病院は、いずれもそれほど大学病院らしさは感じられない。つまり、役割分担がうまくできていると捉えられる。ただ、逆に言うと、公立・公的病院が乱立している感は否めない。

次に、あわおどり県。

あわおどり県
きびだんご県同様、あわおどり県も大学が一番外側、つまり大学病院らしさがある。細かいことを言えば、血液疾患はあまり差異がないように見られるし、大学の循環器は大学病院らしさがあまり強くない。

最後はめがね県。
めがね県

婦人科系疾患や血液疾患では、大学がリードしているものの、呼吸器も循環器も消化器も泌尿器も外傷も、大学は基準値より低い。この分析結果だけで言えば、めがね県の大学は、大学病院らしさが欠けている。一方で、公的病院、公立病院は、きびだんご県と比べ、そこそこ大学病院らしさがある。この結果から、この地域において医療機能分化は適切なのか、疑問を感じる。

前回同様の繰り返しとなるが、この独自指標は、あくまでも疾患構成を中心に判断している。その地域における大学の貢献を否定するものではない。しかし、機能分化が適切かどうか、客観的に見ることができる、という意味で、あながち間違ってはいないようだ。

2015/02/07

大学病院らしさを本院・分院で比較してみた

昨日に続き、大学病院らしさの話題。

昨年11月下旬に実施されたDPC評価分科会の中で、大学病院に対する特別調査(ヒアリング)があった。その中で、本院と分院の機能分化などについて現状のヒアリングがなされた。詳しくは下記ヒアリング結果をお読みいただきたい(臨場感が欲しい方は、議事録を)。

平成 26 年度特別調査(ヒアリング)の結果報告について(案) www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000072181.pdf

いくつかの大学病院について、昨日の内容と類似の分析を行った。

下図の見方: レーダーチャートの外側ほど大学病院らしく、内側ほど大学病院らしくない。赤点線が基準(どちらでもない)。MDC別(神経系、呼吸器、循環器等の8種類)でチャートを書いている

この結果を見ると、大学①は本院が一番大学病院らしくなく、分院Bが大学病院っぽい。

大学① 診断群別大学病院らしさ

大学②では大学病院本院が一番大学病院っぽいのだが、循環器だけは分院の方が上である(ヒアリング結果と一致している・・・・、と書くとどこの大学か分かってしまうか)

大学② 診断群別大学病院らしさ

最後の大学③は、ヒアリングに登場していないところ(と言ったら、最初の大学もどこか分かってしまうか???)。ここは、本院がまんべんなく大学病院っぽい。一方で分院は循環器や消化器は大学病院っぽさが全くない。ただ、婦人科や血液疾患などでは、多くの分院が大学病院らしい診療をしている。


大学③ 診断群別大学病院らしさ
大学病院らしさがあること = 良い病院 という意味ではない。あくまでも診ている疾患の比率から大学病院らしさを評価しているだけで、治療成績などアウトカムの部分は見えない。

ただ、昨日の記事の続きになるが、特定機能病院である以上、客観的な評価・内容の証明も必要なのではないだろうか。

なお、この分析、地域医療の機能分化という観点で分析すると興味深い結果が見えてくる。この話はまた次回。

2015/02/06

特定機能病院の取り消しで問題は解決するのか?

一昨日流れたニュース。日経に限らず、新聞・テレビでたくさん報道された。

群大と女子医大、「特定機能」取り消し審議 両病院長ら聴取へ  :日本経済新聞

医療安全管理の体制不備などが問題視されている。医療安全は医療の質につながる重要な要素だ。しかし、特定機能病院の指定を取り消すことで、問題は解決するのだろうか。

だからといって、病院を営業停止にするわけにはいかない。現状の法制度下では、厚生労働省が切れるカードは限られている。それゆえに「特定機能病院の指定の取り消し」を考えているのだろう。しかし、もし取り消されても、患者にとってみたら、他の病院より若干高い入院料が少し下がるといった違いくらいしかない。明日から、大学病院の看板を下ろせ、と言っているわけではない。

群馬大学も東京女子医大も、どちらも歴史ある有名な大学病院である。群馬大であれば、地域においては、高度な医療を提供している中核といっても過言ではない。また東京女子医大であれば、心臓移植実施施設として認定されていることなどからも分かるとおり、高度な医療提供施設である。

では、これらの2病院は客観的に大学病院らしい医療をしていたのだろうか。定性的な情報や断片的な情報はあっても、トータルで判断することが難しい。そこで、現在、独自指標を作り出せないか検討をしている。

その結果を示そう。
大学病院らしさ 分析結果 ※クリックすると拡大します
赤:大学病院本院 緑:大学病院に準ずる病院(DPC病院Ⅱ群) 青:その他
上のグラフの縦軸が「大学病院らしさ」で、上ほど大学病院らしい病院、下ほど大学病院像からかけ離れる病院だ。横軸には年間症例数をプロットしてみた。

これらの分析にはDPC公開データ(25年度実績データ)を用いている。

弊社で編み出した独自指標、なかなか良い精度で大学病院本院が抽出できているようだ。クラスター分析での分離なども試みたいところだが、それは別の機会に。

ちなみに、約1800病院中、症例数を無視したときに最も大学病院らしかったのは伊藤病院(東京)だった。2位には野口病院(大分)が続いた。甲状腺専門病院の評価が高くなった形だ。次いで、北海道大学、昭和大学東病院、国立成育医療センターの順となった。

逆に大学病院本院で一番指数が低かったのは・・・、気になるところかもしれないが、検討段階の指標で無駄な誤解が生じても仕方ないので、これは伏せておく。

なお、これはあくまでも弊社独自指標であることは重々ご承知いただきたい。

なお、冒頭の群馬大と東京女子医大。群馬大は非常に高い指数であった。また、女子医大もまぁまぁな指数であった。指摘されている問題は、大学病院らしさを否定するものではない(むしろ大学病院らしい課題が露呈したと捉えるべきだろう)。このことからも、高度な医療を提供している証である特定機能病院の取り消しではなく、別のペナルティを設定した方がよい気がする・・・。

2015/02/04

日経産業新聞「健康に商機あり」

今週、日経産業新聞では「健康に商機あり」というタイトルで記事が連載されている。月曜は、ショッピングモールにクリニックが開設されている話など。今日は、高齢者見守りやフィットネスなど。

高齢者向けフィットネスは、2年以上前にリサーチしたことがある。記事によると、大手フィットネスクラブが自治体から委託を受け手、施設運営を手がけているようだ。

(以下記事から抜粋)
ルネサンスは「元気ジム」などのデイサービスを全国11カ所で運営する。セントラルスポーツは都内23区初となる介護予防の専門施設の運営を港区から受託。介護予防のプログラム開発や、区民の健康状態を継続的にサポートする体制も整えるという。
(抜粋以上)

高齢者向けのフィットネスは、健康寿命の延伸に非常に大きな期待がされている。こういった分野は民間の力を積極的に活用すべきだ。効果的(=High Value, Low Cost, Low Risk)なプログラムの開発が重要となるだけに、自治体等は、任せっぱなしではなく、プログラムへのフィードバックができるような継続的な検証をすべきだろう。そのためには、自治体が持つ様々なデータを活用することも不可欠だ。

日経産業新聞の連載、上、中と続いて来ているので、金曜が最後と思われる。内容に期待したい。