2021/12/23

今年最後のCBnewsの記事は看護必要度の「骨の手術」


改定のインパクトを、公の資料やデータで説明するのは難しいのだが、今回は中医協の資料がちょうど良かった(nが少ないことを逆手にとった)。結論は、前回改定後と同じなので、そちら(整形病棟は看護必要度の「お荷物」から「稼ぎ頭」に - CBnewsマネジメント)を読んでね、としておいた。

ちなみに、整形領域はほとんど同じことしか言ってないけど、心電図モニターは若干新しい見解を加えているので、冒頭の記事をお読みいただけると幸いだ。

2021/12/18

医用工学研究所主催セミナーにご参加くださったみなさま、ありがとうございました

先日、会社のウェブサイトにてご案内した(セミナーのご案内(すべてオンライン) | 株式会社メディチュア)セミナーのひとつ、医用工学研究所主催のセミナー、終了。

診療報酬改定に向けた中医協の議論が活発化しているタイミングで、一切、改定の内容に触れない意欲的?無謀?な構成。

年末の忙しい時期に、このような内容で企画してくださった医用工学研究所様に感謝。

データ分析を専門とする弊社の分析ノウハウは、CBnewsなどの記事をお読みいただければ、公開データの分析手法などを中心に、もう隠すことはないくらい明らかになっている。

オープンデータの収集も、別のセミナーなどでノウハウを話してきてしまった。

あと残っているノウハウは、クライアントの病院でのコミュニケーションくらいかな・・・と思っていたら、それもセミナーで話してしまおうか、となったのが、今回の経緯。


まぁ、前回と聴講者がかぶるとしたら、改定のネタばかりだと、そんなに目新しいものがない、 というのもあって、まったく違うものにしてみた。

いつも診療報酬改定や病院経営をテーマに話しているのに対し、まったく違う内容にしてしまったがゆえに、資料準備・内容の構成など、ほぼゼロからの準備に。セミナー案内のコラムを書いた時点で、大枠は決まっていたものの、その時点で講演スライドはゼロ。それから何週間かかけて準備したとは言え、詰めが甘いところもあった。

結論として、さまざまな事態を想定して先回りし、知識をインプットし、データ分析し、トークを準備する、という当たり前すぎる内容の話をさせてもらった。

同じ失敗を繰り返さないための参考にしていただけると信じて、恥を忍んで、失敗のケースをたくさん盛り込んだ。

オンラインのセミナーで、まったく違う内容に挑戦するのは、リアルタイムで反応が見えないため、危険であることは重々承知していたが、弊社のネットワークの不安定さも重なり、想像以上にドキドキした。

新しいことににチャレンジする機会をくださった医用工学研究所様に感謝、そして聴講くださった皆様・鋭いご質問をくださった方に感謝いたします。いただいたご意見・フィードバックを糧に精進いたします。


プレゼン資料の一部抜粋


2021/12/14

病院経営の最新トピックスを学ぶなら

検証 コロナ禍の病院経営―after COVID に向けて持続可能経営への舵取り― | 井上 貴裕 |本 | 通販 | Amazon

井上先生のCBnewsやビジョンと戦略などの連載記事がまとめられており、急性期の基幹病院の院長らとの対談も載っている。読んだことのある記事を読み直しても、非常に勉強になり、頭が整理できる。執筆、セミナー、人材育成など、本当は10人くらい井上先生がいるのではないかと思うほど精力的に活動されていて、いつも記事などを拝読し刺激をいただいている(正直、このような方と一緒に連載しているということ自体がおそれ多い)

CBnewsの有料会員でなく、日頃先生の記事を読んでない人は、ぜひ、この本を(できれば、CBnewsの有料会員になって、弊社の記事も読んで・・・)

有料会員であっても、ビジョンと戦略の記事や対談もあるので、ぜひ。

2021/12/10

公定価格で運営する病院はベースアップが難しい事情とその実態

看護師と薬剤師の給与比較で見えたベースアップの違い - CBnewsマネジメント

CBnewsに掲載いただいた記事。 冒頭だけ読むと、看護師は「4000円って少なすぎない?」と言い、院長・事務長は「4000円だってしんどい」というやりとりを想定するような書きぶり。でもそんな当たり前のやりとりを書いたのは、公定価格で運営している病院では、ベースアップがいかに難しいか、ということをデータで示したかったため。

そして、記事の主旨は、看護師以外に医師事務作業補助者や栄養士・調理師、MSW、事務職員など幅広い職種を対象にして欲しい、特に、看護補助者や医師事務作業補助者、事務職員などの非資格職にとってベースアップは離職率低下・定着率向上につながる。定着率が上がれば、余計な採用コストや教育コストを抑えれることができる⇒病院経営の改善に⇒良い医療を受けられる、という良いスパイラルに入る。つまり、ベースアップは医療機関・患者、双方にメリットがあるだろう。

2021/11/25

「地域の医療・介護の課題感を可視化する」 これが最近のテーマです

「うちは高齢患者が多い」を強みにする2つの対応 - CBnewsマネジメント

昨日、CBnewsに新しい記事を掲載いただいた。前日が祝日だったので、掲載時間が朝ではなく昼になったそうだ。

今回は高齢患者のデータ。療養病棟や介護施設の状況を知ることの重要性が増している。急性期病院が「なかなか患者を受けてくれない」と不満を言うのではなく、相手は何に困っているか、何を期待しているか、相手の事情を理解しておくことが重要だ。また、相手を理解しようとするとき、相手の担当者の主観を聞くことに加え、客観的なデータもあわせて見ることで、理解を深めることができる。

その客観的なデータはどこにあるのか、どう見たら良いか、参考にいただければ幸い・・・と思いながら、原稿を書いた。


以下、余談。

文章をうまくまとめる腕があれば、もうひとつ違うデータを加えたかった。ただただ「データを見せたい!! 弊社の分析、おもしろいでしょ!?」という欲望の塊のような内容に。うまくフォローする文章をかけなかったので、あえなく却下。

当然「分析」自体は目的でなく「有益なことを伝える」のが目的なのだが、この新しいデータ分析にかれこれ数ヶ月かけているので、どうしても欲ばかりが出てしまう。いつか役立てられるよう分析の精度をあげる努力をしたい・・・。

2021/11/10

二次医療圏を超えた患者移動が生じやすい疾患・そうでない疾患

 急性期医療の患者移動。二次医療圏を超えた患者移動が生じるか否かは、医療圏の設定や、交通網・生活圏の関係、医療資源の配置など、さまざまな要因が複雑に絡んでいる。

ゆえに、移動が生じているか議論することは、特定のエリア・特定の疾患を見るのであれば、具体的なデータ分析も可能となり、課題の把握、アクションの検討につながる。

一方で、疾患を特定せず、エリア全体を見ても仕方ない。

とはいえ、マクロデータ・統計データ(集計データ)であっても、分析次第では、感覚を定量的に示すことが可能になる。下記は、DPC公開データの二次医療圏間の患者移動がどの程度生じているか見たもの。診断群ごとの移動容易性を比較した。MDC09の乳房の疾患は、疾患全体より1.80倍移動する(≒移動しやすい)。逆にMDC16外傷は0.73倍移動する(≒移動しにくい)。マーケティングを考えるときに、疾患・自院の専門性により対象とすべきエリアは変わる。このグラフはその一般論を考える上での参考にいただけるのでは・・・と思っている。


DPC公開データ(2019年度実績)を基に診断群ごとの二次医療圏間の流出入を推計
その推計結果を使い、診断群合計の医療圏ごとの流出入のばらつきを1とした場合に、各診断群の医療圏ごとの流出入のばらつき(ばらつきが大きい=移動しやすい、小さい=移動しにくい)を患者移動容易性として独自定義

医療機能の集約などを考えるときにも、一般論(上のグラフのようなデータ)と特定の地域を比較することで、その地域性を把握することができる。なお、都道府県を超える移動も似たような傾向に。


最後に。本日、CBnewsにこの内容とはまったく違う救急医療管理加算をテーマにした記事が公開されている。

救急医療管理加算の厳格化に備え算定の客観的妥当性を - CBnewsマネジメント

こちらの記事もDPC公開データを基にした分析がある。自院の特殊性などに気づくきっかけなどにしていただけると幸いだ。

2021/10/28

データ提出、行政や各種団体の調査・アンケートなど、負担が増えるばかり・・・

昨日CBnewsに記事を掲載いただいた。

メリットがなければデータ提出は進まない - CBnewsマネジメント

通常、朝5時に掲載されるらしいのだが昨日は12時に。(原稿を出すのが遅かったり、こちらの不手際があったりしたわけではなく、あらかじめ今回は12時になると聞いていた)

今回のテーマはデータ提出。中小病院は特に負担が重い。なのでインセンティブとかメリットとか、もっと打ち出そうよ、というのが主旨。

データ提出に限らず、病床機能報告などの行政からの調査、病院団体や職能団体からの調査・アンケートなどなど、年中、院内で数値をまとめているのではないか・・と思うくらい、どの病院でも負担になっている。

中小病院では、データ提出などの業務を担当する人がそもそも少ないので、当然、負担が重い。一方、大病院が軽いか・・・というとそうでもない。そのような突発的な業務に対し、決まった担当者がいないところも多い。ゆえに「困ったときの○○さん」みたいに融通の利く人に作業依頼が集中する。すると、大病院でも、その融通の利く人の負担は増すばかりに。

働き方改革、DX、みたいなことを推進するなら、まずその辺りの負担軽減じゃないのか?と思う。負担軽減が難しいのならば、せめて報酬や、病院にメリットを感じてもらえる仕掛けが必要だろう。

2021/10/27

記事に「平均年齢が同じでも格差があった」と書かれるようになったのは気のせいか

以前ブログで引用した肺がん(格差2倍は本当か? - 株式会社メディチュア Blog)に続き、胃がんや大腸がんも記事になっていた。

胃がんと大腸がんでは、タイトルに書いたとおり「平均年齢が同じでも格差があった」と付け加えられるようになった。格差があることを主張したい気持ちは分かる(みな同じじゃ、誰も読んでくれないだろうから)。ただ、リスク調整しない5年生存率の「比較」はあまりに読み手に理解力が求められる。数値が並んでいれば、比較されていれば、そこに良し悪しを考えてしまうにも関わらず、その説明はあまりにも簡単に済ませている。

なおリスク調整は、平均年齢だけではわからず(平均70歳でも、40歳と100歳の組み合わせと、70歳ふたりの組み合わせは意味が違う)、基礎疾患などの背景も重要。

肺がん同様、胃がんと大腸がんも生存率係数と平均年齢の関係をプロットしてみた。生存率は年齢に大きくひっぱられているという当然の結果に。「平均年齢が同じでも格差があった」 と主張したいなら、基礎疾患などのリスク調整をした上で、平均年齢が同じ施設間で生存率に差があった、違いは治療内容だった、という論理構成にしないといけないのだが。



ただ、がん診療の先駆的な施設のコメントや、下記のような考察(大腸がんの記事)は興味深い。

治療成績が上位の病院では、進行がんも可能な限り外科手術で切除し、抗がん剤や放射線治療を組み合わせて再発を防ぐ治療に積極的に取り組んでいた 
やはり、積極的な手術や再発予防の治療ができているのは、年齢が若く体力があり、基礎疾患などのあまりない患者が多いのでは?、というリスク調整の重要性を再認識する考察である。また、肺がんの記事同様に、胃がんの記事においてがん専門病院の医師が、基礎疾患の有無が影響していることに言及している。

自分もランキング好きなので、こういった記事がキャッチーであることは否定しない。でも、これを何もかもわかっている専門家の議論に使うのと、あまりわかっていない一般市民に読ませるのとは、まったく意味が異なる。

余談だが、週刊現代(読まなきゃよかった、想像以上にひどい内容 がん5年生存率の週刊誌的取り上げ方)のように、悪意の塊のような記事でなければ、まぁいいか・・・。

2021/10/14

心電図モニターは「看護必要度」ではOKでも、「重症度、医療・看護必要度」では・・・

CBnewsに新しい記事を掲載いただいた。

心電図モニター装着は看護必要度の評価から外れるのか - CBnewsマネジメント

今回の記事でも引用したが、4年前の下記CBnewsの記事をお読みいただくと、看護必要度と単価から、ミスマッチになっている患者像と、その患者たちは改定次第では厳しくなることを述べてきた。

看護必要度の厳格化は慎重を期すべき - CBnewsマネジメント

結局のところ、看護師の業務負担を定量的に評価する「看護必要度」を、急性期の入院料の要件である「重症度、医療・看護必要度」として使おうとした時点で、まったく別の進化をしはじめていて、もともとの「看護必要度」だった部分は、急性期の入院妥当性の評価としてはおかしいね、みたいな議論になってしまっている。

結局、心電図モニターはその狭間でどうしましょうかというやり玉に挙がったと理解している。

あくまでも私見だが、現状の「重症度、医療・看護必要度」を細かく手を入れていくのなら(まだまだ矛盾などが見つかってくるわけで)、いっそ、シンプルなものに作り変えた方がよいのではと思う。以前提案した、B項目は廃止、A・C項目の現行評価をベースに、DPC包括点数に反映、看護必要度自体は廃止。入院料は、診療密度(出来高部分も含む)で2段階、看護配置で加算、あわせて3段階くらいにして良いと思う。当然、コロナ禍でそんな大胆な改定は絶対にないと思うが。

2021/10/11

無償化の分析と論理構成、非常に参考になります

一読の価値あり。

無駄な医療費を増やす 「無償化」の思わぬ悪影響 | 子ども医療費無償化で「健康な子ども」の不要な受診が増える | 経済学者が読み解く現代社会のリアル | 週刊東洋経済プラス

(上記ウェブサイトはログインが必要。今週の週刊東洋経済の紙面でも同じ内容が読めます)

記事に出てくる「効果が高い医療」「効果が低い医療」の定義が興味深い。10年以上前から、小児医療の分析をしてきた実感とも一致。

コロナ禍で小児科の受診が激減したことなどにも触れていただけたら、さらに興味深かったか。

医師会は? 無償化を積極的に進めている政党は? などなど、色々な反応が想定できる。当然、感情的な反応ではなく、Evidenced Based Policy Makingの基本として、これを否定するようなデータを持って、議論すべきだろう。

自分の分析が小児の軟膏や内服の抗生物質の処方件数・処方金額(先発品・後発品、品目別、月別)を見ながら、所詮は感情に訴えるようなことにとどまっていたことを反省。・・・というか、そもそもメジャーリーガーと、空き地でキャッチボールしているこどもくらいの違いがあるので、比べる事自体がおこがましい。

2021/09/29

病棟単位でのデータ結合に疲れました・・・

実績指数アップを目指さない回リハは撤退する覚悟を - CBnewsマネジメント

CBnewsに新しい記事を掲載いただいた。今回は、分析よりデータ準備に膨大な時間がかかっている。分析結果はほぼ想定通りだったので、記事の主旨はすっきりまとまったと信じている。

冒頭のグラフ、画像になってしまうと見にくいかもしれないので、生のものを貼っておく。スマートフォンなどで見ると、結局見にくいかもしれないが、それはご容赦を。

2021/09/18

病院再編に対するある首長の考え

舞鶴市議会、9月定例会の配信。議員の質問はおそらく一般市民の感覚に近いと思う。市長の回答は医療政策に関係する方の95%くらいは同意の内容(総論なら100%同意かも。各論は個々の事情があるから・・・)。

議員からの病院再編に関する質問(1時間22分34秒から)

病院再編の質問に対する市長の返答(1時間26分36秒から)

この距離をどのように埋めるか。なにか貢献できるか・・・。悩ましい。

2021/09/17

読まなきゃよかった、想像以上にひどい内容 がん5年生存率の週刊誌的取り上げ方

以前、日経新聞の記事にケチをつけた。格差2倍は本当か? - 株式会社メディチュア Blog

週刊誌が、同じネタを、より悪い味付けに全力投球した結果が、週刊現代9月25日号に載っている。表紙の見出しにもデカデカと書いてあるので、自信があるのだろう。

読んでみた。

想像以上にひどい。日経は百歩譲って「いいところ」を取り上げる形にしていたが、週刊現代は「わるいところ」にもフォーカス。「成績が悪いのは機器が古いから」といった都合のよいコメントをしてくれる週刊誌ではおなじみの医師も登場。ワースト病院の担当者のコメントは真っ当なものが多いのだが、編集の都合だろう、言い訳っぽく感じるものも。昭和大学病院のコメントは

年代別の患者割合について当院と全国平均とを比較すると、当院は80歳代の割合が全国平均に比べて高い傾向にあるが、年代が高齢であるほど5年生存率が低いという全国データが示されている

と核心をついている。ただ、肝心の記事では、そのあたりを考慮したランキングになっていない。

日経新聞は分析担当者の良心が感じられた。というのも、ランキングの表で、独自定義した生存率係数のとなりに平均年齢を置いていたから。週刊現代のランキングには、当然、平均年齢の記載はない。何も考えていないか、意図的に抜いたか(平均年齢があると面白みが減ってしまう?と考えかねない)。

医療機関間の質に差があるのは事実である。しかし、5年生存率のような指標で比較するのであれば、厳密なリスク調整をしなければ、意味がない。意味がないどころか、マイナスだ。そのマイナス面を象徴するのが結びの一文。

いずれにしても、日経新聞のようにデータを伏せてしまっては、患者も選びようがない。悪い数字も含めた本誌の一覧表を参考にしてほしい。

(リスク調整されていない・正しくない)悪い数字を見て、 患者が行動を変えたり、医療機関・医療従事者との信頼関係が悪化したりしかねない。

このような現状は、弊社にはまだまだやれることがある、と前向きに考えられなくもない・・・が、やっぱりひどい記事だな。

2021/09/15

時給1,600円

医師事務作業補助者の業務が見つからない? - CBnewsマネジメント

CBnewsに医師事務作業補助者の記事を掲載いただいた。届出データとハローワークの求人情報

1年前にも同じテーマで記事(医師事務作業補助者の確保、競争激化への転換点が到来 - CBnewsマネジメント)を書いたのだが、そのときより、データが充実してきたことで、今回は募集賃金の地域性を見てみた。

なかには、時給1,600円のケースがあったり(現在募集中の職種|医療スタッフの募集【京都 久御山町の病院】社会医療法人 岡本病院(財団)採用・募集サイト)、10人程度募集しているケースがあったり(医師事務作業補助者(事務補佐員(病棟・外来))|職員採用等のお知らせ職員採用等のお知らせ|大阪大学医学部附属病院)、色々興味深い。

ただ、今回の記事の主旨は、医師事務作業補助者を増やそう!ではなく、院内の業務整理をしましょう、である。

無駄な作業は、誰がやっても無駄と言い出してしまうと身も蓋もないが、タスクシフティング・シェアリングの前に、まず業務整理である。そして、その整理の前に、棚卸し、である。これが今回の主旨。

なお上記の人材募集のリンクは募集が終了すると無効になってしまうと思うがお許しを。

2021/09/13

余談も余談、本当にどうでもいい話

前も書いた話(プログラムがエラーになった話はおまけです - 株式会社メディチュア Blog)。

第6回NDBオープンデータでも同じことが。

下記、丸のところをクリックすると、第5回NDBオープンデータ「【歯科用薬剤】_性年齢別薬効分類別数量_歯科  [32KB](https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000710943.xlsx)」をダウンロードしてしまう。


こちらの作業としては、こういうのがエラーの原因に。とはいえ、深刻さはゼロ。別に問題ない。むしろ、このようなデータを公開してくださっていることに感謝。

2021/09/12

10年前の病棟専従チームの話

10年前、2011年2月16日開催のワーキンググループ資料。
 第11回チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ資料 |厚生労働省

長崎リハの栗原院長の資料、まったく色あせていないどころか、今読んでも、すごい。自分のクライアントも歯科衛生士の配置が進んでいるが、下記の長崎リハのウェブサイトにある「口から食べることへのこだわり」は強く同意。

法人の取り組み| 回復期リハビリ専門の長崎リハビリテーション病院

この取り組みによりアウトカムが大きく異なることは実感している。


ここ数年、回リハの診療報酬点数に対する風当たりは厳しい。しかし、管理栄養士の配置しかり、アウトカム向上につながることは評価されるはずだ。


10年前の話でしょ・・・と言わず、長崎リハのワーキンググループの資料、お読みいただくと、自院の取り組みの整理ができるのではないだろうか。

2021/09/03

野村グループの医療・介護のレポート、PDFで読めます

野村ヘルスケア(野村證券グループの医療・介護向けサービスの会社。渡辺もシニアコンサルタントとしてデータ分析などを担当)のレポートであるヘルスケアノート。そのときの旬の話題を、全国の医療機関や介護施設、大学、企業などの豪華メンバーに執筆いただいている。 

昨年途中までは紙媒体での発行で野村證券の支店を通じて配布していたのだが、直近はPDFでダウンロードできるようになった。

例えば、最新号は「外国人介護人材(ベトナム)育成の取り組み~人材育成システムとQMS(Quality Management System)~」で社会医療法人愛仁会 本部 国際事業統括部長 坪様らにご寄稿いただいたもの。

バックナンバーの紹介もある。PDFで全編読めないものは、お手数だが従来どおり野村證券の支店にご連絡を。

ヘルスケアノートはこちらから

⇒ ヘルスケアノート - 野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリー

(以前、渡辺が執筆したものもあるが、旬を過ぎたどころか腐っているので、間違っても野村證券の支店に請求しないように(ダチョウ倶楽部風になっているが、在庫切れとか面倒になるので、本当にダメ))

2021/09/01

ポリファーマシー対策(入院患者向け)の地域差を可視化してみた

CBnewsにポリファーマシーの記事を掲載いただいた。

ポリファーマシー対策は院内外を巻き込もう - CBnewsマネジメント

高齢化の進展で、マルチモビディティの課題感が強まれば、間違いなくポリファーマシー対策が重要になる。

(参考:マルチモビディティの話題⇒ 多疾患併存状態の患者増、多職種の情報共有が鍵 - CBnewsマネジメント

入院患者に対するポリファーマシー対策の評価として、薬剤総合評価調整加算の項目がある。その算定状況から、地域差などを見てみた・・・というのが、今回の記事の主旨。


先日、第6回NDBオープンデータが公開された。そのデータを使った分析は、タイミング的に記事に間に合わなかった。参考までにブログで二次医療圏別に可視化したものを示す。



一部の地域で、かなり算定されている。四国中央とか真庭とか留萌とか出雲とか、ピンポイントで算定件数が分かると、「あ、きっとあそこの病院だろうな・・・」と想像がつくところも出てくる。

冒頭のCBnewsの記事では、具体的な取り組みにおけるハードルをどうやって取り除くかについても触れているので、気になる方はお読みいただけると幸いだ。

2021/08/31

格差2倍は本当か?

 がん治療生存率、格差2倍 400の拠点病院: 日本経済新聞

今朝の日経朝刊記事。

生存率係数なるものを独自定義し、施設間の比較をしたとのこと。肺がんでは2倍の差がついた、というのが見出しになっている。

記事には続きがあり、詳細なデータが別の面にあるのだが、その数値を使って、生存率係数と平均年齢の関係をプロットしてみた(下図)。


2021/8/31 日経朝刊 「日経実力病院調査、肺がん手術、体の負担軽減――薬物・放射線治療と連携(医療健康)」の数値を基に作成

いい感じだ。生存率は明らかに平均年齢に引っ張られている。1面の記事で「格差が問題」としたい意図は分かるが、その記事で、国がん研究センターの方が「生存率は治療技術だけでなく、がんの進行度以外の患者の状態や年齢にも影響を受ける」とコメントされているとおりであり、少なくとも年齢調整をしなければ、ほぼ意味のない数値であることは明らか。

ただ、救いは、その後ろの記事に載せていた表には、生存率係数のとなりに平均年齢があったということ。おそらく分析担当者は「これ、ほぼ年齢で決まっているね」と認識があったのではないだろうか。

こういった情報が一般市民にとってキャッチーであることも事実である。だからといって、どうなの??と思わざるを得ない。

2021/08/27

セミナーご出席ありがとうございました

 昨日(日付的には一昨日)のCBセミナー主催のセミナーにご出席くださった皆様、ありがとうございました。データ分析を専門としている弊社ですが、クライアントと一緒に結果を追求するには、データだけではダメで、行動を変えることが重要であることを述べさせていただきました。行動を変えるには、組織を変えたり、データで後押ししたりすることが大事ですが、何よりもチーム・担当者の能動的姿勢こそが最強だと確信しております。


データ分析は万能で、素晴らしい分析が最高の結果を生む、と言えれば、弊社は苦労をしないのですが・・・


昨日は、これまでさまざまな医療機関と試行錯誤した取り組みのノウハウを、惜しみなくセミナーでお話させていただきました。データを見て、アクションを考え、実行に移し、その結果をデータで検証する。これは当たり前のPDCAサイクルなのですが、地域連携では、データだけ見ることの難しさもあり、定性的な情報からモチベーションを維持することなどもお伝えいたしました。


ただ2時間半の限られた時間ゆえ、細かなテクニックなど、若干伝えきれなかったことがあったのでは・・・と終わってから反省した次第です。というのも、クライアントで「このクリニック、気になってるんですよね」と問いかけるときには、院内データに加え、クリニックのウェブサイトや、厚生局の届出データ、地域医療構想調整会議の議事録、医師会報など、さまざまなインプットを駆使しているのですが、決まりきった方法が確立しているわけではなく、ただ、いろいろな情報を集めているだけで、多くの情報は無駄になっているので、うまく伝えきれなかったです(確立していない方法を話すのは気が引けたのですが、そういった考え方は話しても良かったのでは・・・というのが反省点です)。


セミナーでは、さまざまなご質問をいただき、ありがとうございました。鋭いご質問が多々ありました。こちらの考えを整理させていただくようなものが多くあり、大変感謝しております。


今回のセミナーは、前回のCBセミナー同様、CBセミナーの方々の企画提案で、内容を詰めさせていただきました。このような斬新な企画を練っていただき、大変感謝しております。余談ですが、自分としては、いつもとまったく異なる内容で構成したため、当日は時間通り進められるかとても不安でした。始まってみれば、休憩時間をどこで取るかだけはその場のアドリブ的な判断でしたが、終了時間は奇跡的にぴったり収まり、ほっといたしました。


なお、今回のセミナーもアーカイブ配信をしていただけるそうです。もしご興味・ご関心をお持ちくださる奇特な方がいらっしゃいましたら、お申し込みいただけると幸いです。


改めて、昨日ご参加いただきましたみなさま、ならびに、CBセミナーの担当者のみなさま、誠にありがとうございました。


2021/08/18

データから見えてくる地ケア病棟の利用実態

CBnewsに記事を掲載いただいた。

地域包括ケア病棟の3つの特徴的な活用方法 - CBnewsマネジメント

先週ワクチン2回目接種の夜、体温が39.5度まで上がり、まともに眠れない状態に。翌日の金曜は熱が下がらず、ほぼ一日寝ているだけ。土日も頭痛やだるさが抜けず、ほぼ寝て過ごした。

接種翌日のgarminの記録(ストレスレベル)がこちら。

接種翌日のgarminの記録

熱が高すぎて、「消耗してます」という表示が続いている。心拍数も高かったし、ワクチンの反応がはっきり出ていて、興味深い体験だった。

・・・とワクチンのせいで、冒頭の原稿の提出が遅くなった・・・と言い訳。

でも、そこは編集者の力で、何とか間に合わせてくれて、いつもどおりの時間に掲載いただいた。ありがたい!

本題の記事の中身は、前々回の地ケア院内転棟ネタと、MMオフィス工藤氏の原稿からインスパイアされたもの。「急性期」の地ケア病棟ってどうなの?というのがテーマになっている。今回も病床機能報告のデータから分析しているとはいえ、制度への問題提起だけでなく、他病院の取り組みを参考にいただけると思うので、ぜひどうぞ。

2021/08/11

認知症ケア加算、前向きな議論に期待

先日の入院医療等の調査・評価分科会、認知症ケア加算について要件緩和を求める意見が出たようだ。詳しくはこちら⇒認知症ケア加算、要件緩和を求める意見 - CBnewsマネジメント


6月にCBnewsに掲載いただいた認知症ケア加算の記事で、人員配置がボトルネックになっていることなどについてまとめているので、参考にいただけると幸いだ。ブログでは、その記事の補足を行っている。

認知症患者へのケアに加え、地域連携に評価を - CBnewsマネジメント

認知症ケア加算のデータ分析から - 株式会社メディチュア Blog


その6月の記事では言及しなかったが、IoTの活用を評価することも検討すべきかもしれない。病棟・介護・在宅での切れ目のないケアを実現するためにIoTデバイスを活用する・・・という流れは、ペースメーカーなどすでに実現している領域もある。認知症もすでに検討されている内容(下記リンク参照)もあるので、期待したいところだ。

第4回 保健医療分野AI開発加速コンソーシアム 資料 平成31年1月16日(水)https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000148680_00005.html


2021/08/04

心大血管疾患リハビリテーションは回リハの差別化要素になり得るか

CBnewsに回リハの記事を掲載いただいた。

回リハ提供体制の地域差と差別化戦略 - CBnewsマネジメント

当初、「回リハ病棟での心リハの検討について、入院患者のうち1割程度までOK&実績指数の計算対象外(報告は必要)みたいなルールで、試行的に対象としてみればよいのでは。慢性心不全などのリハはニーズが急増するはずで、急性期病棟ではなくポストアキュート・サブアキュートの病棟で看るべき」ということを述べたく、文章を書き始めた。

ただ、回リハの現状整理だけで、それなりのボリュームになってしまった。なので、回リハの差別化戦略のひとつに「心リハへの取り組み」も考えられるのでは、今何をすべきか、という内容に方向転換。グラフは、書き始めたころの順番と、最終的な順番が、相当入れ替わっている。

何とか内容としてはまとまっていると思うのだが、ちょっと不安。

ともあれ、今回も編集の力を借りて、形にしていただいた(今回はグラフにも手を入れてもらっている)。ありがたい。


ちなみに「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」いわゆる循環器病対策基本法と、その基本計画を記事で引用しようと思っていた・・・。思っていたのだが、忘れた。原稿を書いている間、ずっと基本計画のPDFを開いていたのに、忘れた。

循環器病対策推進基本計画 令和2年10月 https://www.mhlw.go.jp/content/000688359.pdf

基本計画から引用したかったのは、下記の文章。

心血管疾患患者においては、疾病管理プログラムとして、リハビリテーションを急性期の入院中から開始し、回復期から維持期・生活期にかけても継続することが重要である。状態が安定した回復期以降には、リハビリテーションを外来や在宅で実施することも見据えつつ、地域の医療資源を含めた社会資源を効率的に用いて多職種が連携する体制について、その有効性も含めて検討する必要がある。

 循環器病対策推進基本計画を踏まえて、今後の診療報酬の方向性を考えるなら「評価される」はずだろう、と締めくくるつもりだった。だった・・・のに忘れた。

制度として成熟してきた回リハは、競争激化の時代に突入し、患者確保のための差別化が重要になってきた。現時点における差別化の最大の要因は、リハのクオリティなどによる医療機関・患者からの信頼獲得である。それはこの先も変わらないだろう。それに加え、心リハに対する積極性が差別化の要因として挙がってくる未来を想定している。

現時点では診療報酬上厳しいから取り組まないという判断も尊重する。また、診療報酬は厳しいけどニーズがあるなら応える・取り組むという判断も尊重する。判断を0・1にしてしまうと困ることもあるだろう。そこで、記事では、0.2、0.3くらいの取り組みも述べてみた。もしよろしければお読みいただけると幸いだ。

2021/07/21

このところさまざまな地域の病院間連携を分析した集大成です

CBnewsに新しい記事を掲載いただいた。

院内転棟を駄目としたら何が起きるのか - CBnewsマネジメント

急性期→地ケアの院内転棟を塞いだら、急性期→急性期の院外転棟が増えるのでは、という話。

急性期→急性期の院外転棟は、前回のCBnewsの記事(急性期医療の慢性期病棟型、ワンバウンド型に留意 - CBnewsマネジメント)に書いた、慢性期病棟型やワンバンウド型の病院になりかねない。ただ多くはDPC対象病院ではないから、まだ問題にはならないと思うが。

というわけで「局所最適ではなく、全体最適を考えて改定すべき」「地域の事情を考えると難しいよね」となる。で、理想論はいいから、現実的な解決策は?となれば、院内転棟が悪いとせず、医療資源投入内容やケアの内容を見る、地域の医療提供体制事情を考慮するような要件を入れる(たとえば、地域医療構想調整会議での合意を届出の要件とするなど)、といったことが挙げられるだろう。

院外転棟が増え、急性期病院(出来高病院)のワンバウンド型・慢性期病棟型が増えたら、結局、医療費の無駄な負担が増え、患者の転院の負担も増え、悪いことばかりになる・・・なんてシナリオは絶対に避けたい。

そう思って、力を込めて分析したので、お読みいただけるとうれしい。

2021/07/13

DPC退出ルールの議論に留意すべき

遅くなったが、先週、CBnewsに掲載いただいた記事。

急性期医療の慢性期病棟型、ワンバウンド型に留意 - CBnewsマネジメント

このような「あるべき急性期医療」の議論が始まると、あるべき論と現実論がぶつかることになる。どこまできれいごとで制度を作るか、地域性などの考慮すべき事情をどこまで思いやれるか、落とし所を探るのは極めて難しいだろう。

データだけで患者の病態を語ることはできない。しかし、データから見えてくることもある。今回の記事のテーマは3年くらい温めているのにも関わらず、記事に書いたたとえ話は回転寿司・力士という何だか中途半端な面白みのない内容に。たとえはさておき、2類型は参考にいただけると思うので、お読みいただけるとありがたい。

2021/07/02

ディスカッション用メモ

社内用のメモですが、協会けんぽのニュースも出てきたので、公開に。 


【独自】「治療どこで」全国18万病院を一括検索、厚労省が情報サイト新設へ : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン

・現状の都道府県別のサイトではダメなのか

・民間企業のサイトは

・「旅行先や出張先などで急に体調が悪化した場合でも・・・」で想定されるアクションは


20年度医療費1兆円超減の公算、下げ幅過去最大 厚労省: 日本経済新聞

「協会けんぽ」受診控えで過去最大となる約6200億円の黒字 | 新型コロナ 経済影響 | NHKニュース

・(いつもどおりだが)立場を変えて読む

・以前の主張、報道との矛盾はないか



2021/06/25

認知症ケア加算のデータ分析から

認知症患者へのケアに加え、地域連携に評価を - CBnewsマネジメント

認知症ケア加算の届出状況について、病床規模や入院料、設立母体などで比較した。現時点で認知症ケア加算を届出していないところは、何かしら危機感なり、課題感なりを強めた方が良いだろう。

記事の結論は、次のような内容。詳細は記事をお読みいただけると幸いだ。

  • 加算の要件が人員配置に重きをおいた結果、中小病院などの届出できない病院において、結果的に認知症ケアに対する取り組みがおろそかになってしまう懸念あり
  • 認知症ケアは施設ごとの取り組みも重要だが、地域完結型医療への転換を推進していることを踏まえれば、切れ目のないケア提供が重要
  • 切れ目のないケア提供を意識した評価項目を作るべきでは


今回は認知症ケア加算の届出状況などの分析がメインだった。ちなみに、日頃クライアント向けの分析では、認知症ケア加算の介入・アセスメントの適切さ、データの信頼性などの確認を行っている。こういったクライアント個別の内容は記事にしづらい(うまくまとめるスキルがない)のだが、本当は個別の取り組みの方が関心を持ってもらえそうな気がしている。

2021/06/09

差額ベッド代をテーマに原稿を書きました

コロナ禍が個室化を促進する - CBnewsマネジメント

新しく組んだプログラムの検証がてら、原稿を書いてみた。

記事の後半は新しくデータ処理をごりごり進めたものなので、なんとかまとめられてよかった・・・という安堵感が強い。

室料差額の届出をしている医療機関のみが対象となってしまうものの、だいぶ興味深いデータを見られるようになった。とはいえ、保険外併用療養費医療機関名簿の中身は、本当にあっているのか?という施設もあった(病床機能報告ほど、おかしなデータではない)。このあたりは、今後も要精査だ(あと、うまく処理できなかった医療機関もあるので、その対応も検討したい)

2021/06/03

「地球温暖化」と「ゲリラ豪雨」

環境変化を把握する。

地球温暖化を把握したい
そのために家の前の気温を1年間毎日測った。意味があるだろうか?? きっと四季を感じられる気温変化が分かるだけで、おそらく温暖化は分からないだろう。

ゲリラ豪雨を予測したい
そのために家の前の気温を30年間、毎月測った。意味があるだろうか?? 温暖化の兆候をつかめるかもしれないが、今日・明日のゲリラ豪雨は分からないだろう。

どのような環境変化に備えるのか。まずもって、そこが明確でないと分析は無意味だ。環境変化とそのインパクトを把握し、最適な対応策を考えることが、戦略策定の1つの要素である。

ただ、環境変化を把握することは簡単ではない。特に定量的に把握することは難しい。先日、その変化の「把握」に力点をおいて、分析事例を交えて話をさせていただいた。

株式会社医用工学研究所 | 戦略策定の基本とデータ分析の必要性

外部環境分析、内部環境分析という言葉を使わず、環境変化の捉え方について具体的な事例で説明してみた。地球温暖化的な変化を見れば、地域特性や周辺病院との機能分担などの方向性が見えてくること、また、ゲリラ豪雨的な変化を見れば、地域連携のクイックなアクション・レスポンスが見えてくること。後者は、具体的なアクションにつながる分析を強調したつもりだったのだが、あとから反省すると、これは実際の分析を見つつ、ディスカッションしている様子を見てもらわないことには、伝わらなかった気がしてならない。

実際にクライアントの病院で話している内容をお見せできない以上、伝え方の改善が必要だ。・・・と自分にダメ出しだが、先日のセミナーの様子は、オンデマンドで見られるそうなので、よろしければぜひ。

あと、医用工学研究所が配信くださっているコラムにも、このセミナーに関連した話題を書いたので、読みたい方がいらっしゃいましたら、医用工学研究所までお問い合わせを。

2021/05/29

誤嚥性肺炎と慢性心不全を極めたら・・・

これ、良かった。日経メディカルオンラインの連載(日経メディカル Online 吉松由貴の「誤嚥性肺炎、診療の知恵袋」)がとても良くて、本が出ると知ったときから、早く読みたかった・・・。

誤嚥性肺炎の主治医力 | 飛野 和則, 吉松 由貴 |本 | 通販 | Amazon

前半の診断、治療の章はもちろん、栄養、食事、嚥下評価、訓練、予防といった内容が網羅的に整理されていて、勉強になった。

そして、何より、チーム医療、地域連携にまるまる1章、10ページ以上割いている。カルテ記載とか、診療情報提供書、地域連携パスのところ、多分、ことあるごとに引用する!

誤嚥性肺炎と慢性心不全のデータ分析を通じて、病院経営や診療報酬制度について考える・・・ということをここ数年行っている。これらの疾患を極めることができたら、今後、相当強いと思っている。この本は極める近道のひとつなのではないだろうか。

2021/05/28

認知症患者の受け皿は・・・

認知症患者は今後増える。

身体の不調は認知症だけ!というような人は少なく、抱えているさまざまな疾患のひとつが認知症という人が大半に。

それゆえ、認知症だから○○病棟で、認知症の症状が軽いから○○施設で、みたいな画一的なルールに当てはめていくことは相当難しいだろう。

別に認知症だけではない。心不全も誤嚥性肺炎も似たような問題がある。

地域の医療・介護ニーズがどのように変化し、どのような受け皿が必要となるのか。戦略の基本は、自院のポジショニングだ。診療報酬も介護報酬も大事だが、まず地域から自院をどう認識してもらうかが大事だ。

環境変化を把握し、将来に備える。病床種別ごとに、環境変化と将来への備えを考えてみている、その精神病床版が、今週掲載いただいたCBnewsの記事。

医業利益率の低下を構造的に理解する - CBnewsマネジメント

考え方自体は、一般病床も療養病床も同じようにできるので、参考にいただけると幸いだ。

2021/05/12

手厚い看護配置に対する評価より、手厚いケアの必要性に対する評価を

次回改定で5対1配置加算の新設は必要か - CBnewsマネジメント

継続的な評価向上を目指すならば、手厚いケアの必要性とそのアウトカムを示すことで、評価されるような仕組みを作った方が良いと考えている。

粗診粗療に対する懸念は、現行の7対1配置のような基準で担保し、プラスの評価は中身で行うべきではないだろうか。

また、病棟単位での加算はおそらく実現が難しいと思われる。(仮に入院料(≒病院)全体での加算だとするならば、それは5対1入院料なので、加算の新設として要望しないはず・・・)

手厚いケアに対する評価引き上げは不可欠で大賛成。だが「5対1」という言葉が先行してしまうと、看護師確保競争の再燃(実際ありえるだろうし)などの懸念点・マイナスイメージがつきまとい、結果的に、評価引き上げに至らないというワーストシナリオが想定されてしまう。

そういった背景から、今回の記事では、加算以外の方法で、実質的に看護師の評価を高める方法を提案した。5対1で通すのはきついと思うのだけどなぁ・・・

2021/04/30

今こそ問われる集約化 とはいえ・・・

医療現場で日々奮闘してされている方々から見れば、弊社は好き勝手言っているだけの組織で、今、医療に貢献できるのは外出自粛くらい。

正直、コロナ禍で自分の連載の価値・意義はあるのだろうかと疑問を感じる・・・。

そんな現状ではあるものの、データ分析で何か示せないか・・・。制度の矛盾を指摘したり、可視化を通じて、政策・制度・戦略に反映していただけないか。と頭を悩ませ、練りに練って、出てきた記事がこちら。

医療提供体制の集約化はどこを参考にすべきか - CBnewsマネジメント

当初は、効率性係数の矛盾を指摘するために、周産期医療の分析をしていた。でも、気がついたら、まったく違う原稿に。

少子高齢化の影響は、年齢が若いところをターゲットにしているほど、早い時期に顕在化する。例えば、大学は2018年問題と言われる。医療においては、当然、周産期・小児医療ほど早く影響が出てくる。

では、どうすれば、少子高齢化の荒波を乗り越えられるのか。ひとつの答えが集約化。集約化したら、万事OKとはならないものの、まだマシな状況を作ることができる。

集約化。きれい事かもしれない。とはいえ、この10年、弊社もいろいろな地域で少しは後押しをすることができたのではないかと自負している。集約化を図ったところは、それでゴールではなく、その先にも新たな課題が生じ、その課題と戦っている。でも確実に前進している。


といったことを日々考えている弊社が、どのようにデータを見ているか。今回の記事は、その参考にしていただきたいと思いながら書いた。少しでもお役に立てれば幸いだ。

2021/04/27

薬剤師の需給バランスの問題、偏在の問題

薬剤師の将来需給バランスの議論。

第8回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会(ペーパーレス・Web会議)資料

資料1 需給調査の推計(案)[PDF形式:2.3MB] 000772130.pdf


推計結果だけを素直に読めば、多少の地域差はあるものの、供給過多という結論。

では、育成人数を減らせば良いのか、活躍の幅を広げれば良いのか。難しい。


また、供給過多になりそうとはいえ、偏在の問題は深刻だ。先週の下記ニュースを読むと、偏在解消に前向きな反応である。

【和医大薬学部】入学者約3割は地元出身‐薬剤師の地域偏在解消へ|薬事日報ウェブサイト


供給過多と言っているタイミングで新設はどうなの?と思わざるを得ないが、この検討会の座長代理の先生はその和医大の教授だ。議事録などが出てきたら、読みたいと思う。

2021/04/16

胃がんの症例数推移から見えてくること

水曜、新しい記事を掲載いただいた。

胃がん手術症例数の推移から見えた成長戦略とは - CBnewsマネジメント

胃がんの症例数推移は、以前からセミナーなどで話を差し上げている内容。その分析のアップデート版を記事にした。

今回、ハイボリュームセンターの動向をまとめた。自院の参考にするだけでなく、周辺施設の状況を考える上で、何かしら参考にいただけるのではと期待している。

また、外科医や麻酔科医の確保は、急性期病院において重要であることは間違いない。しかし、病院によっては収益性が悪化する可能性もあることを示唆している。

「収益性が悪化するからダメ」で終わらせるのではなく、「ではどうしたらいいのだろうか」と前向きな取り組みを考えることが、5年後、10年後の未来を変えるはずだ。

2021/04/01

データ提出が進むことで可視化されるデータ精度

 回リハ・療養病棟でもデータ精度向上が重要な理由 - CBnewsマネジメント

昨日CBnewsに新しい記事を掲載いただいた。データ提出が進むことで、診療内容の可視化が進むことはもちろん、データ精度の可視化が進むことを示すべく、今回は一風変わった分析結果を載せた。回リハや療養病棟でもデータ精度を考える参考にいただければ幸いだ。

2021/03/25

プログラムがエラーになった話はおまけです

令和元年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告について https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000196043_00004.html


「平成31年4月から令和2年3月までの退院患者」を対象とした調査なので、何だか複数年度分のデータのような気がしてしまうが、要は2019年度のデータ。


医療機関からのデータ提出と、厚労省による集計があってこそのこれらのデータ。毎年このように公開されることが当たり前になっているが、このような仕組みを作ってくださった方々に感謝。


以下、余談

今回公開されたウェブサイト、在院日数の平均の差の資料リンクの頭の部分(下記の画像の黄色丸の半角スペース1つ分)は、違う年度のDPC公開データ(https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000479268.xls)にリンクされているので、ご注意を


?? 誰もそんなマニアックに見ていないか・・・。別に間違いを探しているわけでなく、プログラムで処理していると、こういったのがイレギュラーでひっかかってしまう、ただそれだけ。


2021/03/19

東京の人口一極集中のトレンド変化は病院経営に影響する?

 東京の人口一極集中からの変化は人材確保のチャンス? - CBnewsマネジメント

一昨日、CBnewsに新しい記事を掲載いただいた。

人口の転入・転出の状況を可視化することで、どのような変化が生じているか考えてみた。あわせて、看護師の給与の地域差も可視化することで、病院経営において参考になる数値が見えてくることを期待した。

環境変化にあわせて、アクションを変える。これが基本。「何考えて、こんなデータを分析したんだ、こいつは?」と思って記事を読んでいただけると、もしかしたら、意図がより伝わるかもしれない(ただ単に、伝えるのが下手なだけ、文章が下手なだけ、なのだが)。

2021/03/12

月刊保険診療  「特集 “使える”DATA分析・活用術~院内改革・経営改善に使える14のDATA~」のお手伝いをさせていただきました

月刊保険診療の3月号、データ分析の特集。

データ一覧の監修のお手伝いをさせていただいた。
弊社内でチェックしたときのURLがあるのでシェア。特集の鼎談とケーススタディが読み応えたっぷりなので、そちらの熟読を。

国勢調査 https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/index.html
人口動態調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html
将来推計人口・世帯数 http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.asp
住民基本台帳による人口・世帯数 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00200241&tstat=000001039591
医療施設(動態)調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1a.html
医療施設(静態)調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/17/
病院報告 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1a.html
病床機能報告 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html
外来機能報告(仮称) https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000146913_00003.html
医師・歯科医師・薬剤師統計 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/33-20c.html
患者調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20-kekka_gaiyou.html
受療行動調査 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/34-17b.html
国民医療費 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/37-21.html
病院経営管理指標 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/igyou/igyoukeiei/kannri.html
地域保健医療計画 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html
保険医療機関・保険薬局の指定一覧 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/chousa/shitei.html (関東信越厚生局の例)
保険医療機関・保険薬局の施設基準の届出受理状況 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/chousa/kijyun.html (関東信越厚生局の例)
保険外併用療養費医療機関一覧 同上
全国がん登録,院内がん登録 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_registry.html
救急救助の現況 https://www.fdma.go.jp/publication/#rescue
消防年報 https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/yokohamashi/org/shobo/sonota/nenpoh.html (横浜市の例)
地域医療支援病院業務報告 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/iryo_hoken/chiiki/chiikiiryoushiengyoumuhoukoku.html (東京都の例)
在宅医療にかかる地域別データ集 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061944.html#h2_free1
社会医療診療行為別統計 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/26-19c.html
医療経済実態調査 https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/iryoukikan.html
DPC導入の影響評価に関する調査 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049343.html
特定健康診査・特定保健指導の実施状況 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000173202_00006.html
NDBオープンデータ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177182.html
レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/reseputo/index_13898.html
診療報酬改定の結果検証に係る特別調査 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128160.html
地方公営企業年鑑 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/kouei30/index_by.html
国保連合会審査支払業務統計 https://www.kokuho.or.jp/statistics/shinsa/toukei/
支払基金 審査統計 https://www.ssk.or.jp/tokeijoho/shinsatokei/index.html
医療費の地域差分析 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/database/iryomap/index.html
医療提供状況の地域差(SCR) https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/mieruka/tiikisa.html
病院運営実態分析調査 https://www.byo-ren.com/pdf/20200220.pdf
国保データベース(KDB) https://www.kokuho.or.jp/hoken/kdb.html
診療情報集積基盤(NCDA) https://nho.hosp.go.jp/cnt1-1_000070.html
外保連試案 https://www.igakutushin.co.jp/Products/detail/1135
National Clinical Database(NCD) http://www.ncd.or.jp/
病院経営調査報告 https://www.ajha.or.jp/voice/reports.html
地域医療情報システム(JMAP) http://jmap.jp/
2次医療圏データベース https://www.wellness.co.jp/siteoperation/msd/
地域の医療提供体制の現状 – 都道府県別・二次医療圏別データ集 https://www.jmari.med.or.jp/research/research/wr_668.html
病院情報局 https://hospia.jp
医療介護情報局 https://caremap.jp/
郵便番号・二次医療圏対応表 https://www.ihep.jp/publications/other/?y=2020#post-70914
二次医療圏 https://www.data.go.jp/data/dataset/mhlw_20150115_0041
郵便番号データ https://www.post.japanpost.jp/zipcode/download.html
電子点数表 https://www.ssk.or.jp/seikyushiharai/tensuhyo/ikashika/index.html
レセプト電算処理システムマスター https://www.ssk.or.jp/seikyushiharai/tensuhyo/kihonmasta/index.html
ICD10対応標準病名マスター https://www2.medis.or.jp/stdcd/byomei/index.html
薬価基準収載品目リスト https://www.mhlw.go.jp/topics/2020/04/tp20200401-01.html

2021/03/03

マルチモビディティって言いたかった・・・

 知らない言葉を覚えたら、使ってみたくなってしまう・・・

ただ、それだけで原稿を書いた。

多疾患併存状態の患者増、多職種の情報共有が鍵 - CBnewsマネジメント


マルチモビディティについて、原稿に書いたのは今回が初めてではない。2年以上前にも、心不全を例に、併存症の多さなどのデータを示し、退院調整の難しさを述べた。

退院・転院の難しい心不全患者の増加に備える - CBnewsマネジメント

今回の記事も、コンセプトはほぼ同じ(ただ、マルチモビディティって使いたかっただけ・・・)


ただ、データ分析の観点として何かしら参考にいただけるように、かなり試行錯誤をした結果をまとめたつもりなので、後方連携の課題抽出や見直しの参考にいただければと思う。



2021/02/24

セミナーのご案内

来月CBnewsでのセミナーの機会をいただきました。いつもと違う切り口で内容を準備しております。ご都合があえばぜひ(当日以降はオンライン配信いただけるそうです)

セミナーのご案内(3月) | 株式会社メディチュア


また、2月5日に医用工学研究所様のセミナーで話をさせていただきました。来月5日まで配信くださっております。こちらもよろしければどうぞ。

セミナー配信のご案内 | 株式会社メディチュア

2021/02/19

緩和ケア病棟の地域性・多様性から、病床機能報告データの活用テクニックを

水曜、緩和ケア病棟の記事をCBnewsに掲載いただいた。

緩和ケア病棟の多様性からニーズを読む - CBnewsマネジメント

前回も緩和ケア病棟がテーマで、今回もその続き。とはいえ、前回は「届出データから見た改定による取り組みの変化と、診療報酬制度の見直し余地」が主な内容で、今回は「病床機能報告データから見た地域性、施設の多様性」とまったく違う内容に。

診療報酬は、現場の負担に応じた点数設定が大事であるのは言うまでもなく、制度の明確さ、シンプルさも大事であり、なおかつ、インセンティブの要素も求められる。あまりにインセンティブや誘導の要素を濃くすると、現場への締め付けにもなりかねない。

診療報酬の制度次第では多様性を認めないことにもなりかねない(前回記事の緩和ケア病棟の平均在院日数の基準はその代表的な例だろう)。多様性をどこまで認めるか考える上で、今回の記事は参考にしていただけると信じている。記事では、病床機能報告のデータから都道府県別の数値でグラフを作っている。しかし、これは病院別・病棟別のデータが基になっている。そのため、個々の病棟の運営方針までうかがい知ることのできる情報が詰まっている。

データをどう見るか。地域性・多様性をどう理解するか。そのテクニックとして、記事をお読みいただけるとありがたい。

2021/02/08

金曜のセミナーで紹介した記事

先週金曜、医用工学研究所主催のセミナーを視聴くださったみなさま、ありがとうございました。その中で紹介した記事のリンクになります。自分の中で整理しきれておらず、うまく伝わりきれなかったかも・・・と反省しております。ぜひ、もとの記事で理解を深めていただければ幸いです。


引用した記事。

Adapt Your Business to the New Reality


こちらに日本語版が載ってます。

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2021年 2月号 [雑誌] (組織のレジリエンス) | ダイヤモンド社, DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 |本 | 通販 | Amazon

2021/02/03

データ分析、進行中

大量データの分析を継続中。ただし原稿のネタになるかは不明。そのため、CBnewsに掲載いただいたのは、結局、手元のデータで整理がしやすかった緩和ケア病棟を話題に。

緩和ケア病棟、切れ目のない医療は改定で進んだか? - CBnewsマネジメント

記事に含められなかったのだが、届出データから見えてくるのは地域差が大きいということ。ただ、背景や事情までは見えてこないので、「こんなん出ました~」と言っても意味がないので、もうしばらく寝かせて考える必要がありそうだ(とりあえず、3月の某県のセミナーでは「どうしてでしょうか?」という投げかけで使う予定)

なお、緩和ケアのネタ、今回の記事の内容とは別のものも整理してある(一部の方々にはお見せしたもの)。次回は、この分析結果で原稿を書こうか迷い中。


2021/01/27

諸行無常か

業務とほぼ無関係の話題。

先日のJR東日本のニュースリリースで、増発列車のお知らせ。

JR東日本 2021年 春の増発列車のお知らせhttps://www.jreast.co.jp/press/2020/20210122_ho01.pdf


この中に、ひっそりとムーンライトながらの終了のお知らせが。

臨時列車の快速「ムーンライトながら」につきましては、お客さまの行動様式の変化により列車の使命 が薄れてきたことに加え、使用している車両の老朽化に伴い、運転を終了いたします。

ニュースなどでも報じられていたので、ご存じの方も多いのでは。


昨年は新型コロナの影響で春しか運転しなかったらしいので、これは最後の冬シーズンになるのか?

分析調査と鉄道旅のふたつの趣味を両立させる大事な要素だったので残念。東洋経済の記事では、ネット予約ができないことで若い利用者が離れていったとのことだが、えきねっとで予約していた自分としては???な指摘(実際、上の切符の写真を見ても、「えきねっと発券」だし。日付を見ると、クリスマス・イブの新宿駅で、クリスマスの夜のながらの切符を取っている)

寂しい最期「ムーンライトながら」役割終え廃止 | 特急・観光列車 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

しかし、コロナの影響かどうかよくわからないが、世代が変わり、環境が変われば、色々変わる。当然か。

2021/01/21

伝える努力

CBnewsに新しい記事を掲載いただいた。

高稼働を目指さない時代に向けた22年度改定を - CBnewsマネジメント

この記事の元ネタは去年の3月のブログ(新型コロナで露呈する医療システムの課題とその解決策)。10ヶ月ほど時間がかかったのは、コロナの影響が読めない中で、制度に関する考えを述べるべきか悩んでいたから。

まだ整理はついていないものの、データで示せる内容だけならば、自分の考えはともかく、分析結果は参考にいただけると思った。


なので、せめて読んでくださる方に、伝わる努力をしなければ・・・と思いつつも、いつもどおりの感じに。

同じ内容でも、とっつきやすさを高めたり、興味を持ってもらう努力が重要だなと感じる事例はこちら→ 中小機構に聞こう!中小機構キャンペーンサイト【乱世モード】

やりすぎ??のような気もするが、知ってもらうにはこのくらい必要なのか・・・。


2021/01/07

「レジ袋は環境に良くない→禁止」の「禁止」は正しいのか。他の選択肢は・・・

社内ディスカッションメモ。

『レジ袋が消える!全国初の「レジ袋禁止条例」その舞台裏に密着600日』は興味深い。賛否あるだろう。ただ、新型コロナなどの状況を考えると、バンクーバーでは課金制度は延期し、環境教育などだけを続ける決定をしている。柔軟性を持つことの重要性も感じる。


正しいことを示すことが、正しい行動に向かわせるわけではない。データも然り。データ分析で見えた結果は正しくても、それ自体では意味がない。



2021/01/06

視点を変えることの重要性

CBnewsに、新年最初の記事を掲載いただきました。 

やみくもな分析をする前に意識したい「4つの視点」 - CBnewsマネジメント

以前、医用工学研究所様のコラムで配信させていただいたものベースに、昨今の状況整理と、NDBオープンデータなどの最新のデータ分析を加え、4つの視点について述べました。データ分析を見つめ直すきっかけなどにしていただけると幸いです。


昨年は、社内的な狭い視野で振り返ると、多くのプログラムを組み直したり、新しく組んだりすることができました。本年もその取り組みを続けるとともに、より大きな視点でものごとを考え、少しでも医療・介護に貢献できるよう努力していく所存でございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。