2024/10/24

セミナーのご出席ありがとうございました & 建築単価高騰の影響分析

建て替え困難な診療報酬設定は意図的か - CBnewsマネジメント

建て替えすべき時期が到来しているのに、建築単価高騰などが影響し、建て替えを先延ばしていることを示したかった。想定通りのデータ分析結果が得られたので、ほっとした。

なお設立母体や病床機能、入院料、地域など、さまざまな切り口で分析したものの、データが限られていたせいか、あまり示唆が得られなかった。CBnewsの記事に載せたグラフは、何かしら意味があると思ったものたち。

オープンデータの分析が得意領域のひとつである弊社は、仮説・分析・検証みたいな流れが延々と続く。分析結果には、当たりもあれば、はずれもある。はずれには、仮説が間違っていることもあるし、分析や検証の仕方が間違っていることもある。はずれたものであっても、共有する意味があるものは、CBnewsの原稿などで書くこともあるし、クライアント向けに話すこともある(ディスカッション材料としてクライアントも好意的に受け止めてくれる)。

このようなデータ分析ばかりしている弊社だが、昨日は新社会システム総合研究所主催のセミナーで、データ分析の話をさせていただいた。個人的な感想としては、メデュアクトの流石氏の話が非常に勉強になったので大収穫・大満足。また、ご出席の方々からの鋭い質問などで、こちらも考えが整理されるなど大変勉強になった。

新社会システム総合研究所のみなさまには、セミナーの企画から実施、またこのあとのオンデマンド配信まで、大変お世話になりました。ありがとうございました。

また、お足元が悪い中、わざわざ現地まで足をお運びいただきご出席くださった方々や、ウェブのライブ受講の方々、また後日オンデマンド配信で受講くださる方々など、数多くの方々にご出席・お申し込みいただき、ありがとうございました。


2024/10/22

タバコの箱で大きさを比べるのは時代錯誤なのか・・・

先週末、CBnewsと医業情報ダイジェストの原稿を仕上げた。どちらも病床機能報告のデータを分析。CBnewsは明日掲載予定。医業情報ダイジェストは来月15日号。


前者は建て替え、後者は救急救命士がテーマ。救急救命士は興味深いデータが見られるので、みなさんも病床機能報告をチェックすることをおすすめしたい。

具体的にどうみたらいいの? なぜおすすめなの?という疑問には、医業情報ダイジェストの記事をお読みください!なのだが、分析結果の一例は下のグラフ。


病床機能報告(2023年度報告)を基に作成
※救急救命士の人数は常勤・非常勤(常勤換算)の合計。人数が0人の施設は集計に含まない

この施設は何人いるんだろう?、あの施設は何人だろう?と見てみるだけでも十分興味深いが、上のグラフのような情報が頭に入っていると、比較整理しやすいと思う。


話は変わるが、何の情報もなく下記の写真を見たとする。立派な建物がある。武蔵国府の国司館(こくしのたち)を復元したものだ。写真だけでは、大きさが分かりづらいはずだ。

今月訪れた武蔵国府跡

実際には10分の1サイズの模型なので、それほど大きくない。人が一緒に写っている新聞記事((まちの記憶)武蔵国府跡 東京都府中市:朝日新聞デジタル)を見れば、大きさがわかりやすい。

救急救命士も同じで、うちは2人いる、3人いるといったところで、それが多いのか、少ないのか分からない。平均値で見ても情報は十分でないかもしれない。しかし、ヒストグラムなどをあわせて見れば、相対的なポジションが分かりやすい。朝日新聞の記事は、人が一緒に写っているので大きさを把握しやすい。

そういえば、大きさ比較でタバコの箱を横に並べるのって、最近見かけないなぁ・・・。このご時世、タバコはNGなのか??

2024/10/04

医師偏在は解消できるのか

「公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する・・・」と規定されている憲法の解釈は、自分の理解のおよぶところではないが、医師の偏在は解消できないと思っている。

近頃の開業制限などの議論も、開設の許認可なのか、保険診療の要件なのか、など、今後の進展が気になる。

とはいえ、目先の病院経営を考えるならば、先日のCBnewsで書いたように(特定集中治療室管理料1から4の宿日直医師NGの影響は - CBnewsマネジメント)医師確保の重要性が高まっていることは確実だ。「将来、医師が余るかどうか」ではなく、「今、足りない」をまず何とかしなければならない。

そこで、初期研修医のマッチング動向を分析してみた・・・というのが、今回の記事。

臨床研修マッチング結果を見て、医局整備の助成金に期待 - CBnewsマネジメント

これまでセミナーなどでは、高齢化率とマッチング率の都道府県分布を示し、高齢化の進んだ地域の厳しさを述べてきた。臨床研修の場として、どこを選ぶのか。どういった病院を選ぶのか。なぜ高齢化の進んだ地域が避けれられるのか。そういった観点でデータを整理した。

そして、表題にした「医局整備」はあくまでも例として挙げたものだ。結論は、縛り付けることが無理ならば、来てもらうための取り組み・今いるひとを大事にする取り組みを最大限支援してはどうか、ということである。(とはいえ、「医局整備」も一応データ分析結果と個別のヒアリングから導き出しているので、自分の思いつきではない)

マッチング結果は、どこどこ病院が人気だ~、なになに病院は人気がない~、などと話題になる。しかし、それをいち早く紹介したところで、弊社の価値ではなく、目指すところでもないので、医師偏在解消を考えてみた。何か参考になる点があれば幸いだ。