2016/08/02

患者・家族アドバイザリー会議が病院改善の原動力に

患者やその家族、地域の住民に対し、病院が「市民講座」を開いたり、がんなどの患者会などの集まりを支援したり、病院が地域に対し、様々な活動を行う話は珍しくない。ちょうどこの時期であれば、夏休みの子どもたち向けの職場体験会を催す話も良く聞く。

そのような「開かれた病院」を作るステップを経て、いくつかの病院では、病院を良くするために、患者やその家族、地域住民を活用する話を聞くようになった。

参考になりそうな事例として、放射線部門の改善における患者家族アドバイザリー会議の活用に関する論文が載っていた。

The Use of Patient and Family Advisory Councils to Improve Patient Experience in Radiology : American Journal of Roentgenology: Vol. 0, No. 0 (AJR)

フィッシュボーンダイアグラム(論文ではIshikawaと書かれている)を作成し、受付から検査までの実際の流れを現場で確認したり、患者アドバイザーが病院の様々なスタッフとディスカッションをしている様子が理解できる。例えば、患者アドバイザーは、どのようなことにストレスを感じているか伝えたりしているようだ。

このような活動は、病院側の準備も入念に行う必要があるだろうし、患者家族側にもそれなりの熱意が求められる。

しかし、そのハードルをクリアできれば、かなり良い結果が待っているように感じた。それは放射線部門の改善も然りだが、下記の一文に象徴されていると思う。
The patient advisor was considered to be a key element to the success of the project, and both the patient and the members of the hospital-based improvement team expressed that they enjoyed working together.(意訳 患者アドバイザーはプロジェクト成功の重要な要素であった。そして、患者も病院の改善チームのメンバーも、、お互い、一緒に仕事できることが楽しかった)
病院の改善に患者を巻き込む。この取り組みができるところは、住民からの信頼を強固なものにできるに違いない。