2016/11/10

肌感覚とデータ、どちらも大事

11月5日、6日に、MMオフィス工藤氏、メデュアクト流石氏とともに、セミナーで話をさせていただいた。公開データを基に、地域医療や病院経営を考える手法について、事例をなるべく沢山紹介しながら、説明させていただいた。

いくつか例を紹介すると、例えば高知県の人口推移。少子高齢化が進んでいる様子を図示してみた。一般的に「高齢化率」で用いられるのは65歳以上人口の比率だが、最近は65歳前後で働いている人も少なくないことから、この図では75歳以上人口の比率を見ている。

全国と高知県の人口推移比較
出所:国立社会保障・人口問題研究所 日本の地域別将来推計人口(平成253推計)を基に作成
さらに二次医療圏、市町村単位で見ることも可能であり、地域によって、周辺環境の変化はかなり異なることが見えてくる。
高知県安芸医療圏の人口推移比較(大きい点: 2010年 5年毎に隣の点に移動)
出所:国立社会保障・人口問題研究所 日本の地域別将来推計人口(平成
253推計)を基に作成
医療機関の多くは、その周辺数キロの範囲から大抵の患者が来ている。そのため、二次医療圏全体の地域医療構想での課題感と、その病院の課題感に若干のずれが生じることも少なくない。

そのような将来の需要動向などに対し、きめ細やかな配慮を行政に求めるのは無理があり、ある程度は、医療機関個別に検討することが大事であると考えている。当然ながら、地域のことは地域の医療機関が一番良くわかっているはずであるが、その「肌感覚」に加え、数値で定量的に把握することも重要である。