2023/11/17

物価変動に弱い診療報酬制度を何とかできないか

建築費の高騰が厳しい。この1年ほどのニュースからいくつかピックアップした。

資材価格の急激な高騰や、関西地区の大型事業の並行実施などが要因とみられ、次回の入札に向けた工事費は当初想定額の約1・5倍に値上がりする見込みだ。市は財源の確保に苦慮しており、開院は当初より約10カ月遅れて2026年8月ごろを目指すとした。伊丹の新病院建設費、当初比5割増の448億円に急騰見込み 2度の入札不調で資材高騰、関西建設ラッシュも要因に | 阪神 | 神戸新聞NEXT

資材価格の高騰などの影響で、1回目の入札は不調となっていて、建設や医療機器の整備などを含め総事業費は、当初の計画よりおよそ1.4倍に膨らみ、560億円となっています。 西宮市に建設する新県立病院の起工式 4か月遅れで着工へ|NHK 兵庫県のニュース


物価高騰などにより、基本設計に基づく新病院の整備費は約389億円となり、基本計画時の約279億円から約110億円(39%)増加する見込みであることが報告された。新病院「北部医療センター」、整備費が110億円増 建築単価の高騰や医療機器の積み上げで - 琉球新報デジタル

 

滋賀県野洲市は、市総合体育館横に整備する新市民病院の工事費が、資材価格や人件費などの高騰で22億6300万円(24・5%)増え、115億円となる見通しを明らかにした。建設費22億円余りアップ 滋賀県野洲市の新病院 [滋賀県]:朝日新聞デジタル


一部事務組合下北医療センター(管理者・山本知也むつ市長)が同市に整備するむつ総合病院新病棟について、山本市長は20日、市役所で記者会見を開き、実施設計を踏まえた整備計画を発表した。昨年7月に公表した基本設計段階から総事業費が約73億円増の約269億円となったことから、さらなる財政支援を県に求める考えを示した。むつ病院新病棟整備計画公表 事業費73億円増|行政・政治・選挙,福祉・医療|青森ニュース|Web東奥


診療報酬や介護報酬の制度は、このような急激な物価変動などに脆弱である。さまざまな変動に対し、どこかが損を被る(当然、逆に益が出ることも)。病院が直接的に被るケースもあれば、食材費高騰は委託会社にもそのしわ寄せがいく。為替変動により海外から薬剤や医療資材を輸入するケースでは卸などがしわ寄せを被る。建築費高騰も、為替変動の影響を受けていて、資材価格高騰などが要因である。

そこで、この建築費高騰に関連したデータを整理し、制度としてどうあるべきか、ということをCBnewsに書いたので、よろしければどうぞ。

建築費高騰下の投資計画の難しさ - CBnewsマネジメント


2023/11/16

セミナーのご案内(12/10 日経ヘルスケアセミナー)

ご都合があえば、ぜひ! 

以下、会社のウェブサイトにも書いたものですが、ご案内です。

12月10日、日経ヘルスケアセミナーのご案内 | 株式会社メディチュア

12月10日、日経ヘルスケアセミナーのご案内

2023年12月10日に、日経ヘルスケア様主催で、診療報酬改定に向けた戦略を練るセミナーで講師を務めさせていただくことになりました。前回改定の影響や中医協の議論について独自のデータ分析を交えながら戦略を練ります。その戦略をMMオフィス工藤氏にぶつけ、妥当かどうか、見落としている点はないか、さまざまなご意見をいただく構成です。


また、戦略を考える上で、工藤氏の日経ヘルスケアの過去の連載内容などを取り上げながら、なぜ工藤氏がそのような発想に至ったのか、思考方法を存分に引き出したい所存です。まだ改定の全貌は明らかではないタイミングですが、今のうちにその思考方法などを理解することで、次回改定への万全な備えにしていただくことを目指します。


すでに多くの方にお申し込みいただいていると伺っており、ありがとうございます。まだ申し込み期日まで余裕がございますので、もしご都合があえば、ぜひご検討ください。


2024年度診療報酬改定のゆくえ https://www.nikkeibp.co.jp/seminar/atcl/med/231210/


2023/11/03

嚥下機能評価が連携のカギに

先駆的な病院から学べば学ぶほど、確信に変わる。

財源が厳しい現状において、団塊世代がよい医療を受けるためは、おそらく嚥下機能評価が大事になる。医療機関が増収するとか、そういうことは二の次だと思う。

そして、ちゃんと嚥下機能評価をせず、摂食機能療法を行うのは微妙だと思う。

ということをCBnewsの連載に書いた。

嚥下障害の医療介護連携を強化する病院 - CBnewsマネジメント


今週、少し大きめの仕事が片付いたので(そう思っているのは自分だけかもしれないけど)、休暇をもらい、久しぶりに山へ。体力の低下によるマイナスを、天気のプラスでカバー。それとおのれの限界を察知したエスケープルートの選択で、暗くなる前に、無事、下山。


嚥下機能も「評価」が大事。体力も「評価」が大事。どちらも過信は禁物。