2023/12/14

身長が足らず新弟子検査に受からない筆者は、頭にシリコンを入れるべきか悩む

データ数が少ないと複雑性係数は高くなる、それ当たり前! - CBnewsマネジメント

DPCの機能評価係数Ⅱ。ブラックボックスだった計算方法が明らかになってきたことは前向きに評価する。一方で、不適切な計算方法により、不当に低いなどの実害も生じていたわけで(不当に高いのは、それ以外の医療機関の害に)、計算方法を改めますと言われても、もやっと感が残る。

ただし、データ数と複雑性係数の関係、退出ルールの議論は看過できない。中医協に示された資料でうまく説明されたら、納得してしまうのも分からなくはない(そのくらい、今年の中医協の資料は論理構成がしっかりしており、内容が充実している)。


そもそも退出ルールの議論は、問題視すべき病院像を明確にすべきである。

問題視すべきは、ほぼ後方病床(実質慢性期病床)のようなところが、わずかなDPC病床と後方病床のケアミックスにし、他院から慢性期病床への転院患者を一旦DPC病床で受け、短期間で慢性期病床に移すケース。医療資源投入はあまり必要ない(低コスト高単価)、在院日数も短い(高い効率性係数)。看護必要度はB項目で大丈夫。あきらかに急性期病床でないところ。

わかりやすい指標である「データ数」を用いた退出ルールにより、確かに、このわずかなDPC病床数の実質慢性期病床のようなところは退出させることができるだろう。しかし、手術患者や救急搬送患者が多く、しっかり医療資源投入を行っている中小病院までもが、退出ルールにひっかかってしまう懸念がある。

例えるならば、大相撲の力士の新弟子検査みたいなものだ。相撲の実力が十分あるのに、身長だけで落とされる。相撲の取り組みにおいて、身長が安全上の問題につながるなどの理由があれば仕方ないが、そういった話は聞いたことがない。なので、身長の基準は徐々に緩くなり、今は中学卒業時点で165cm以上らしい。しかも、身長が満たなくても、次のような記載がある。

検査時、体格基準に満たない者は、新弟子第二検査を受験し、その運動能力が十分であることを認められた場合、合格となる。 出所:力士になるには - 日本相撲協会公式サイト

実際、身長が低くても、関取への昇進や活躍している力士もいるらしい※ので、実力さえあれば身長の基準は要らないのだろう。 新弟子検査 - Wikipedia

では、退出ルールはどうしたらいいのか。医療資源投入量で判断するのがいいのではないだろうか。もし新弟子検査を参考にするのなら、データ数の基準に満たないところを呼び出して、「実力があるか否か」見極めるヒアリングなどを行うのも一案である。

冒頭のCBnewsに掲載いただいた記事には、新弟子検査は出てこない。しかもややマニアックのシミュレーションなど、個人的な趣味の追求になってしまったので、今、読み返してみても世間受けが良いとは思えないのだが・・・、ぜひ!