2016/09/22

看護必要度データ(Hファイル)を提出させるからには、現場の評価・記録負担軽減策の議論活発化が不可欠

昨日、看護必要度に関する記事をCBnews managementに掲載いただいた。

改定見据え、看護必要度データの精度向上を | 医療経営CBnewsマネジメント
https://www.cbnews.jp/news/entry/49639 (リンク修正)

Hファイルを提出することにより、どのようなことが明らかとなり、改定でどのような議論がなされるのか、私見を述べた。

大きくは3つの検討方向性があるのではないかと考えている。

  1. 病床機能分化の促進に向けた適正な看護必要度基準の検討
  2. 疾患別看護必要度データによる加算の検討
  3. 看護必要度データの精度によるインセンティブ・ペナルティの検討

2点目の疾患別の看護必要度データは、診療報酬の細かなレベルで反映させるのはスケジュール上、非現実的と考えている。(10月のデータが提出される年明け以降から分析され始め、春から資料が出始めたとしても、中医協での議論は、半年から最長9ヶ月程度の期間しかない)

そのため、現実的な落とし所として、DPC算定病院における機能評価係数Ⅱの重症度係数への反映について、アイデアを書いた。ただ、残念ながら、看護必要度の評価自体がオーバーエスティメート気味な状況をうまく律することができないとしたら、このような評価は余計かもしれないが・・・(一応、3点目で、律することができないかアイデアを述べたつもり)。

ただし、看護必要度データを提出することに対し、過度な不安を抱く必要はない。ただでさえ、看護必要度を記録する負担等が増えているだけに、過度な不安が、より一層、現場に大きな負担を強いるようなことになるのであれば、それは適切な取り組みとは言えない。CBnewsの記事でも、最後に書いたことだが、看護必要度は、看護部門だけが取り組むのではなく、病院全体をうまく巻き込むことが重要と考えている。

ちなみに、CBnewsの記事には書かなかったのだが、個人的な想いとして、Hファイルを提出させるのなら、看護必要度の各項目についてEFファイルでの代替可能性を精査することにより、医療現場の負担軽減策を最優先に検討してもらいたい。Hファイルを提出させた結果、「こんな項目も追加したい」「あんな項目もあった方が良い」と負担を増やすことばかり議論された日には、医療現場は崩壊してしまうだろう。