2018/01/22

「数字が一人歩きすることを避ける」ことの難しさと、そこにあるチャレンジ

読み手の理解力が重要になってくる記事。

心臓血管手術 公表された死亡率から何が分かる?:朝日新聞デジタル 心臓血管手術 公表された死亡率から何が分かる?:朝日新聞デジタル

関連して読むべき記事(どちらも会員登録してないと読めないか?)。

「心臓手術死亡率3倍」、報道は「残念」「非常識」|医療維新 - m3.com

「数値のひとり歩き」はデータ分析で気をつけることである。12年ほど前、ある金融機関のクライアント向けの分析で、正しい数値を出したのに問題になったことを思い出す。補足説明をしなければ正確な意味を理解できない(理解して欲しい意図を汲み取ってもらえない)数値は、その数値の正しさ以前にリスクが伴う。

患者は比較できる情報を欲している。しかし、医療の質の比較は簡単なことではない。死亡率ひとつ取っても比較は難しい。ゆえに、そこには大きなチャレンジがあると言える。「背景等を十分に説明しなければならないものの数値としてはシンプルなデータ」を示すか、「説明をあまり必要としない各種リスクを調整したデータ」を示すかなど、受け手側の理解力等に配慮する必要がある。死亡率は、急性期と慢性期、予定入院と救急入院、など、それぞれで事情が異なる。難しさがあれば、そこにはチャレンジがあり、データ分析の楽しさでもある・・・。