2020/06/16

異常危険準備金。参考にしてもいいのでは

ある雑誌の原稿で、蛇足的に持論を述べた。まだ、発行されていないので、最終的にボツになってしまうかもしれないが。

新型コロナウイルス感染症が病院経営に与える影響は甚大であり、短期的な損出だけでなく、医療システムの維持にすら影響がおよぶのではないだろうか。このような事態を引き起こした原因が、医療従事者や患者にあれば、その責任を問えばよい。しかし、誰も悪いどころか、みなベストを尽くしている。

これは大規模自然災害のようなものだ。新型コロナは全世界規模で影響がおよんでいる。でも、次は、ある地域だけが被害を受けるかもしれない。自然災害と同じように。

損害保険会社では、保険業法により異常危険準備金の積み立てが義務付けられている。これはいざというときのための「備え」である。ポイントは、限度額までは積み立てが損金算入できる点である。医療機関が社会的インフラであることを考えれば、税法上の優遇をしてでも、このような「余力」を持たせることが良いのではないだろうか。そうなれば、異常危険準備金の積み立てを前提とした診療報酬を設定し、平時に患者がその費用を薄く負担することになる(患者の自己負担割合を考えると、保険料や税金でも負担することに)。

突拍子もないこのアイデアは、15年ほど前、業務で異常危険準備金(だけではないが)の洗替シミュレーションをしていた経験を無理やり活かしたい・・・というわけではない。真に有益だと思って提案している。

2020/06/12

院内トリアージが「院内」にとどまらない未来

興味深い記事。下記はツイートしたものなので、文章も自動で引用されているのだが、確かに、Rethinking、だな、と感じることがたくさんあった。

ツイートの文章を意訳すると「待合室に入れないため、病院に着く前にリモートでトリアージし受付する病院が増えている」といったところだろうか。(今の保健所に連絡・・・はある種のトリアージか??)

この記事、文自体も興味深いし、途中、絵を交えて説明している箇所も興味深い。救急部門、ロボット活用、入院部門、病室、退院部門の5領域について、具体的な例を挙げて説明している。

遠隔診療・オンライン診療というと、患者の自宅と病院・診療所をつなぐイメージだ。もしくは、病院と病院をつなぐイメージだろうか。でも、感染対策として、院内と院内、病院前のテントと院内、といった余地は、相当アリなのではないだろうか。

2020/06/11

地域医療構想調整会議での合意があれば・・・

日経ヘルスケア(2020年6月号)に寄稿した一文を引用。
地域の医療提供体制と医療需要に応じて地域医療構想調整会議等での合意があれば、病床規模によらず地域包括ケア病棟を設置・運営できるようにする方が望ましいと考えている。特に、働き方改革で医療従事者の確保が難しい地域では今後、病院間の再編・統合等が活発化する可能性もあるので、病床規模で制限することには疑問が残る。

さっそく、そうなった。

地ケア病棟、再編・統合で4百床以上の病院は届出可能 - CBnewsマネジメント

さらに、今すでに400床以上で地ケアを持っているところについても、丁寧な議論を期待したい。