以前ブログで書いたこともあるが、健康食品の宣伝文句は、すごい!の一言に尽きる。何を訴えているのか分からないような言葉で気を引こうとするものや、曖昧な表現を徹底していたり・・・。
はっきりとした毎日??? - 医療、福祉に貢献するために |
消費者庁が景品表示法や健康増進法で、厚生労働省が薬事法で、それぞれ問題のある表現などに対し、規制・取り締まりを行おうとしている。
でも、正直、線引がグレーすぎて、分からない。ガイドラインを読めば読むほど、微妙な表現を助長しているような気がする。ガイドライン(※)では、「著しく事実に反し、著しく人を誤認させる表示」はNGであって、そうでなければ景品表示法上は問題がないと読み取れる。
「はっきりとした毎日」みたいな表現が乱発されるのだろう。ちなみに日経には、「広告宣伝の行間を読んで、自分で勝手に効果を想像しないこと」という群馬大学の教授の言葉を紹介している。いやいや、本当だろうか。勝手に想像させてしまうような表現だというのであれば、消費者はもはや守られていない。弱者を食い物にすることを許容している。本来は消費者を守ることができるところで線引がなされるべきだ。
ただ、売る側の創意工夫も認めるべきかもしれない。「はっきりとした毎日」と真面目に書いているくらいだ。売る側だって、ぎりぎりの線を攻めたいに違いない。脱線するが、ある意味アダルトビデオみたいに、誰が見ても、もうこれはエロいです、みたいな分かりやすいものであれば、いくらエロくても構わない(人権侵害、傷害とかそういったレベルはNG)。見る側も覚悟ができている。つまり、売る側と見る側の期待が一致している。そのような状態であれば、表現は自由だ。
本質は、健康食品の問題は、買う側と売る側の期待が一致していないことに問題がある。はなっから健康食品に何か期待しようとすることが間違っている。なので、『健康食品』と書いた製品には、いっその事、「病気が治る」等の薬事法で触れる文言でなければ、一切自由にしてみてはどうだろうか。『健康食品』という表記は、映画でいうところの「R18」みたいなものだ。そうしたら、売る側は独創的な表現で、買う側ももっともっと楽しめる気がする。
日経の記事、最後に国立健康・栄養研究所の梅垣情報センター長の次の言葉で〆ている。「薬のような副作用がなく安全で、しかも病気の治療もできるなんて都合のいい製品はありません」とのこと。買う側は期待するな、売る側は期待させるな、と言っている。
んー、ここはやはり「R18指定」ならぬ、「『健康食品』表記」で解決するのではないだろうか。